ママが呪文を
唱えると

家庭は崩壊
する
世界は円筒状に出来ている
パノラマを
均一な空を映したあの色を
やさしい疲れに変える
のきなみうなだれながら
引き取った昆虫の足の数を数える
仕事は厳しいが
家計も厳しい

ガムテー ....
氷点下十五度の空気を吸いながら
せかせかと歩き
空を見上げると雪がはらはらと
はらりはらりと
降るのは粉雪でもなく
結晶のままの形で成長し
黒い手袋のひらで
そっと受け止めると
そこに ....
 誰かと
 強い約束をしたことがない

 貴方の
 ずっとずっと味方だよ、とか
 これから
 一生守るんだから、とか

 それは
 ただの願望で

 約束じゃない ....
風が吹く中
残った一つは ひどく必死だ

仲間たちはみな
とうの昔に 風に乗って
遠くに行ってしまった
いや もしかすると
意外に近くにいるのかもしれない

しかし 残った一つは
 ....
冷蔵庫の中には青空が広がっていたので
君は買ってきたゼリーを冷凍庫に入れるしかない
冷凍庫は満杯でゼリーをしまうスペースをつくるために
君は肉の塊を取り出す
いつ買った肉なのかすっかり ....
押入れに顔をつっこんで
ぐるりと見回したら
天井の端っこに
小さな穴ぼこがあいていました

穴ぼこの向こうは
下から見る限りでは
ただ ただ 暗闇でしたので
なんだか怖くなったぼくは
 ....
ひとりの子が
ひとつの楽器の生まれる様を見ている
作るものも
奏でるものも去ったあとで
子は楽器に愛しげに触れる
おずおずと うずくように
楽器は
花になる



新しい言 ....
触れてしまうと
消えていくものがある

まなざしに耐えられず
溶けていくものがある

凍えるべきは
私の手だ
蔑むべきは
私の目だ

暗闇の中
独り 閉じ篭って
見据 ....
入り口は すぐに見つかった


もう何年も
ここでこうしています
と、いった具合の
あぐらをかいた白髭の老人から
地図を手渡される

地図はすべて
記号化されており
懐中電灯はな ....
桜散るのは夕日の丘か
日暮れ近づく夕日の丘か
散りゆく桜は薄紅色
薄紅色の十二単
十二もまとった春の衣
一枚脱げば夏の予感


呼んでいるのは母の声か
遠い故郷の母 ....
この道
あの道

いつも
限りなく
続いている
全ての道たちへ

道があるから
あなたたちが居てくれたから
ボクは歩いてこれました
ボクは進んでこれました
感謝しています

 ....
今までにどれ位の人達が
私の前を通り過ぎて行っただろう
何かを与えてくれる者もいれば
何かを奪い去って行くだけの者もいた

でも今となってしまっては
そんなことはどうでもいいこと
さっさ ....
歳をとって丸くなるってヤツァ
石が川を流され流されてゆくうちに
丸くなるのと似てやがるよナァ

いつか俺も人生ってヤツを
乗りこなしたり、流されたりしちまってヨォ
ちっちぇ石に成長する ....
鳥のように空を飛び
羽を広げ雲に身を捧げて
月の光に染まり
夜を夜と感じ
一日を一日と感じ
全てが自己責任である自由を手に
広い世界へと解き放つの
黒い羽は闇に染まり
逆さまの世界が私 ....
駅のホーム
喫煙コーナーのベンチ、夕暮れでは少女が
メールを打つ少女
メールを打っている

少女はメールを打つ
指、その速度の指で
穏やかな夕暮れ、穏やかな煙
少女よ、今、僕はカフ ....
 山崎さんは次は自分の番だと思っている
 隣の老人はもう逝ってしまった

 遠い朝の点呼のように
 順序があればいい
 そして死にも

 牛乳ビンのふた
 爪で弾いて
 裏が出るか表 ....
音の無い空
音の無い花
近づきながら 離れながら
混じることなく
川の上に重なる川
川を映す川をゆく


花に触れ
鎮む流れ
陽は分かれ
影は過ぎる
花は音 ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
シャッフルして上海された。ぼくらはアスファルトに寝そべったままの、夏の夜なのです。気がつくと彼は東京されていて、ぼくらはそんな近視で眺めるいつものぼやけた月を「冗談だろ?」と問い詰めたりしている。しり .... 大切にしていた 洋服を
服喰い虫に食べられた

もったいないので自分で
リフォームしてみたけれど
見るも無残な有様で
着れたもんじゃない

長い間書き溜めた 日記を
紙喰い虫に食べら ....
雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない

 ....
ある日わたしは不思議な感覚に襲われたあるいは教わることができた
それをファンタジーと呼ぶことにした
それはずっと前からファンタジーだったのかもしれないが

とにかくファンタジーはわたしの生活に ....
ポケットのなか
ちゃぽん ぽ ぷぃ
泉が ひとつ
水 さかな 跳ねる

クリスタルの音符が
りるん きん きりん
歩くたびに 響く

泉のなか
 ....
                       きゃらめる 10


  あめ

  1

ひとつぶの
しずくは
すなにとけて
あとかたもなく
きえてしまう
かぞえきれない
 ....
眼下に広がる海では
白波が立ち
うさぎのごとく 跳ねている

岩を打った波のしぶきが
わたしのところまでとどき
涙のごとく 頬をつたう

それが波だ、と言い張るわたしを
それは涙、だ ....
眠くては
まったく思ってもいないことを言ってしまうので

振り返って斜め上を向いてまた振り返る先の
イメージを繰りだして思いやる勝手のそのまた先を
あと悔やむのもそこそこに それとなく諦めて ....
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて

地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
 ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません

花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
過ぎてしまったことだけど
聞いてもいいかい

君にとって愛ってなに

僕にとって優しさってなに

微笑が愛を知る道しるべなら
君も僕も見落としたね

涙は悲しみの印だけど
君も僕 ....
霜天さんのおすすめリスト(1784)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- チアーヌ自由詩2404-5-10
ピクニック- 黒川排除 ...自由詩104-5-10
要冷凍- AB(な ...自由詩15*04-5-9
指きり未遂- umineko自由詩204-5-9
たんぽぽ綿毛- 望月 ゆ ...自由詩5*04-5-9
要冷凍- たもつ自由詩14*04-5-7
押入れの穴ぼこ- 望月 ゆ ...自由詩10*04-5-7
器の子- 木立 悟自由詩1204-5-7
要冷凍- いとう未詩・独白1104-5-7
出口を探して- 望月 ゆ ...自由詩2*04-5-6
さらば_春の日- ワタナベ自由詩11*04-5-5
The_avenue_to_the_future...- Lily of the ...自由詩4*04-5-5
時代遅れの漂流者- 快晴自由詩5*04-5-5
小石の話- 玉兎自由詩204-5-5
こうもり- 暗闇れも ...自由詩6*04-5-4
穏やかな夕暮れ- たもつ自由詩1104-5-4
点呼- umineko自由詩1104-5-4
降り来る言葉_XIII- 木立 悟自由詩904-5-4
上海された- 石畑由紀 ...自由詩55*04-5-3
上海された- nm6自由詩15*04-5-3
虫くい- 千月 話 ...自由詩2*04-5-3
ひとりきりの日曜日- 竹節一二 ...自由詩504-5-2
ファンタジー、あるいは- 黒川排除 ...自由詩204-5-2
水魚をもらった日- 湾鶴自由詩304-5-2
きゃらめる_10- アンテ自由詩604-5-1
海うさぎ- 望月 ゆ ...自由詩3*04-5-1
ミッドナイト- nm6自由詩4*04-5-1
点滅- 湾鶴自由詩11*04-4-30
小さな花- たもつ自由詩1404-4-30
★74_カナシキギモン- 貴水 水 ...自由詩4*04-4-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60