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実のつらなりが
水に映る
逆さになり
雨が来る


遠くと近くの震えが混ざり
小さな 音だけの雨となり
曇へ降る虹
曇から降る虹を見つめる


指のかたちの熱が ....
右手が
左手を透り先へゆく
何かに触れる
何かを透り
さらに先へ


おおら おおら
ときく ときく
揺れに満ちる水
すきまなくすきまなく
兆しではなく  ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
いつかどこかへ
去るときが来て
道を奏でて
道を奏でて


奇妙にしばられた
音をひとつほどいて
粒のかたちに返し
行方を見守った


ひるがえる午後の
背の ....
雨に不安と不機嫌を飾り
原のなかを歩いている
遠く 近く
水の姫は咲いてゆく


坂へ至る午後があり
ふいに流れ落ちてゆく
遊びも笑みも
到かぬほどに落ちてゆく


 ....
無音が無音をわたる波
青空よりも遠い青空
どこへもたどりつかない坂を
息つぎだけがのぼりゆく日


雨は生まれ 雨は消え
雨は雨を巡っては消え
坂を駆ける髪と背に
翼の苗 ....
これは光ですか
はい そうです
誰も読まない
本のような光です


あれは光ですか
はい そうです
誰も訪れない
店のような光です


あれも光ですか
はい そう ....
目から水を飲み
花になり
やがて言葉に
うたになる


数歩のぼる風の音
ひとつひとつの段の上に
しずくを含んだしずくが震え
空を囲む樹を映している


触れてはこ ....
沈む地と{ルビ曲輪=くるわ}を
音は巡る
尽きぬかげろう
止まぬ流れ


光より遅いものたちの
さざめきとかしわ手を聴いている
手のひらから手のひらへ
指から指へこぼ ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる


白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる


手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
濡れた羽が陽に群がり
熱と風をついばんでいる
粒にこぼれ 分かれる光
陽のかたちをひろげゆく


わずかな空と多くの地があり
様々な花に覆われている
重なりとはざまのひとつ ....
碧に緑で描かれた円が
四羽の鳥となって飛びたつ
地には器と光が残され
祝いの言葉に響きつづける


泣いてはめざめ
泣いてはめざめ
水をほしがる子の手を握り
しずくの径に消え ....
消えかける
蝋燭の火に
あわてる


誰も来ない日
菓子だけが
華やいでいる


もういいから
そう誰かに告げられたかのように
途切れている


数十年に一度 ....
小さな影に
小さな水が触れ
小さな手のひらのかたちとなり
雨の木陰に結ばれてゆく


風を後ろに
花はひらく
ひろく けむる
ひとつ ゆれる


野に落ちる光
川に立 ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
水の流れに
声は生まれる
ゆっくりとした高まりの
終わりのように反りかえり
声はまだらの身を起こす


鍵の花は水に咲き
傷をひとつずつ閉じてゆく
いつか流れに分けられた ....
寝床につく一歩手前で
眠ってしまった鈍色の子ら
夢のなかに置き忘れてきた
好きで好きでたまらないものを
とんでもない寝相のままさがしにいく



めざめてはねむり ふえてゆ ....
戸口に見えない花がいて
あわてて扉をあける夢を
幾度も幾度も見たあとに
切り忘れた爪を思い出す



床に置かれた硝子の内には
水の影が流れている
割れた鏡に映る横顔
 ....
雪は雨の背を見て降り
雪の微笑みを見て昇る
つむぎ つむぎ
手わたす手のひら
むすび むすび
つながる手のひら


光に織られた光をまとい
午後の原を梳くように
踊りは ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり



雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道



はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
車に轢かれつづけた傘が
側溝の泥のなかで鳥になり
やせた鉄の羽をひらくとき
午後の空はもう一度泣き
街をゆく人々の手を濡らす
海へつづく水と葉の道
混じりものの多い風が吹いている
同じ速さで歩む人々
木々に隠れては現れる


曇と海の間に震える
雨の光が作る階段
朽ちた窓から見える原
住 ....
やわらかな文字が降りてくる
葉の裏側の粗い緑に
次々と染まり 降りてくる
朝の方位へはばたく鳥の
青い青い羽の炉心へ
影はたなびくように落ちてゆく



午後の淵 ....
夜をひらく火のように
あなたがひとりひらかれるたび
わたしもまたひらかれます
冷たい湖の前で
空をわたる音の前で
野を分ける火のように


あなたが放った色として
 ....
藤丘 香子さんの木立 悟さんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜と辺- 木立 悟自由詩1410-9-29
降り来る言葉_XLVII- 木立 悟自由詩510-9-20
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
ノート(ひとつ_しるべ)- 木立 悟自由詩408-2-5
冬神楽- 木立 悟自由詩407-12-5
坂の向こう- 木立 悟自由詩607-11-2
ノート(過)- 木立 悟未詩・独白407-10-25
つばさ_みどり_Ⅱ- 木立 悟自由詩1007-8-25
熱とゆらぎ- 木立 悟自由詩307-8-10
夜のころも- 木立 悟自由詩1007-7-27
みどり_よびこ_Ⅲ- 木立 悟自由詩607-7-19
つばさいす- 木立 悟自由詩1407-7-10
6・17_昼- 木立 悟自由詩1007-7-1
緑と金_Ⅱ- 木立 悟自由詩1307-6-7
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
昇音- 木立 悟自由詩305-5-18
_ノート(さがしに)- 木立 悟未詩・独白405-5-2
双雨花- 木立 悟自由詩405-4-13
往季路- 木立 悟自由詩305-3-27
ノート(道)- 木立 悟短歌805-3-21
- 木立 悟自由詩9*04-12-27
雨の子_Ⅱ- 木立 悟自由詩304-1-11
真昼- 木立 悟自由詩403-11-2
こがね- 木立 悟自由詩503-10-7

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