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*灯台
かすかにまだ
光っている
間違えたままの、
やさしい思い出
わたしの幸福な思い違いを
あなたは
そのままにしてしまったから
....
夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
黒縁の眼鏡をかけた教授の講義が一段落すると
スクリーン上に映し出されたままの
夏の星座がゆっくりと回転し始める
古びた校舎の窓側を覆う暗幕は
その歳月 ....
君を愛する
と告げるとき
その言葉にわずかに
哀願の響きが混じった
それを嫌ってか
いつからかその言葉を
告げなくなった恋人に
それでも愛して ....
真夜中に、
嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
だけど嵐の音じゃなかったみたい
目を閉じている間に、
季節が変わってしまって
途方に暮れてる小さなジーナ
ふれる ....
「本を読みなさい」
その人はそう言って
夕暮れて図書館が閉まるまで
わたしの隣で静かに本を読んでいた
映画を観なさい
音楽を聴き ....
わたしの中に森が生まれたとき
その枝は音もなく広げられた
指先から胸へと続く水脈に
細く流れてゆく愛と
時おり流れを乱す悲しみ
わたしを立ち止まら ....
夏の最後の日差しが眩しくて
何も言えずに目を閉じた
晴れた空に向かって
君は背伸びをして手を伸ばす
それでも僕は何も言えない
ひと夏が終わるたび
....
君のいた夏が終わる
故郷を知らないという君が
旅先で描きためた風景画、
古びたスケッチブック
迫る山並み
水田に映る空
夕暮れの稜線
風に ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}
僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
君に宛ててこの手紙を書いている
{ルビ ....
イーサ・ダラワの七月の浜辺には
遠い国の浜辺から
いつのまにやら波が攫った
いくつもの言葉が流れ着く
嵐の後にそれを集めて歩くのが
灯台守のワロの ....
君の歌が聴こえる朝には
泣きたくなってしまうんだ
少しだけ風の冷たい、
土曜日の始まり
齧りかけのトーストと
マーマレードのかすかな苦味
それから君がア ....
誰かの記した言葉を読むとき、自分自身がそっとその言葉の傍らに寄り添っているような気がすることがあります。詩集に頬を寄せるわけではないけれど、言葉のひとつひとつに愛しささえ感じるような想いで、その ....
雨が降る日曜日の午後
雨宿りをした金木犀の木の下で
電線に連なって揺れる雫を見ていた
耐えるように震えながら
世界を逆さまに映した雫が静かに落ちる
君はその小 ....
暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町
徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない
花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り
裏庭でか ....
痛みを痛みとして見つめながら
あなたは眼差しを地には与えず
自分だけの痛みだと言って、
誰かに分け与えることさえしなかった
花びらは凛として
項垂れること ....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
藤丘 香子さんの嘉野千尋さんおすすめリスト
(17)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
海辺の詩集
-
嘉野千尋
自由詩
49*
08-7-13
幻視顕微鏡
-
嘉野千尋
自由詩
61*
07-5-27
プラネタリウム・アワー
-
嘉野千尋
自由詩
26*
07-5-21
恋人よ
-
嘉野千尋
自由詩
9*
07-2-23
ジーナの一月
-
嘉野千尋
自由詩
13*
06-1-5
十月の空を見なさい
-
嘉野千尋
自由詩
25*
05-9-12
森の風景
-
嘉野千尋
自由詩
36*
05-8-12
君と九月と、あの空と
-
嘉野千尋
自由詩
14*
05-8-5
水彩の夏
-
嘉野千尋
自由詩
14*
05-7-27
八月の海鳴り
-
嘉野千尋
自由詩
16*
05-7-2
イーサ・ダラワの七月の浜辺
-
嘉野千尋
自由詩
14*
05-6-27
遠く響く朝
-
嘉野千尋
自由詩
12*
05-6-18
言葉の距離
-
嘉野千尋
散文(批評 ...
7*
05-6-11
六月の二人
-
嘉野千尋
自由詩
13*
05-5-27
紫陽花ヶ丘
-
嘉野千尋
短歌
16*
05-5-12
クレマチス
-
嘉野千尋
自由詩
7*
05-3-7
十三月記
-
嘉野千尋
自由詩
45*
05-1-7
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