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少しずつ
深くなる季節に声をかける
前髪の長さが視界をさえぎる頃
君は青のように濡れるだろう
それは特に悪いことではないのだが
誰もが出立している そのさなか
僕は君に声をかける
少 ....
夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら ....
夜の野を
羊たちは走る
帰るところなく
羊たちは大群となって
夜の腕の下を疾走する
月の微笑に照らされる夜
野の果ては地平線で切断されている
人はひとり凍えて横たわる
夜は ....
道の途中
その曲り角の 節目ごとに
石を埋める
浅く
また深く
土を掘って
掘り出されることを予期せずに
宝石のように
ただの石を地に埋める
その上に霜が降りる
あるいは雨が降 ....
裏側を見る
裏側に 目をこらす
物事の
すべての裏表
人の中の
すべての裏表
目に見える
太陽にその目を灼かれる
明るい光のもとでは
目に見えるものしか見えない
目に見えない
....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....
詩誌「荒地」に所属していた詩人たちの中でも、北村太郎の存在は一種特異である。鮎川信夫のように出発時に先頭に立つこともなければ、田村隆一のように低空飛行しながら生き延びることもない。最初期にはいかにも ....
ふけよふけ風よふけふらふらとふらつきなが
ら歩く背中を笑うように風よふけふきげんな
女のみにすかあとをひるがえしふせいみゃく
にくるしむ老人ののこりすくない頭髪をおび
やかしふるいぺえじをめく ....
ひるがえる
水の分子
玉となって
雨となって
降りそそぐ
鳥でさえも
ひるがえる
水の玉に
水のために
ひるがえり
ゆっくりと落ちてくる
空を見る
地に視線を落とす
ひる ....
藤丘 香子さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(9)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
声をかける
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
05-8-3
棒読みの歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-7-29
走る羊
-
岡部淳太 ...
自由詩
14*
05-7-21
石を埋める
-
岡部淳太 ...
自由詩
10*
05-7-10
月の裏側
-
岡部淳太 ...
自由詩
3*
05-6-28
蒸し焼きの雨
-
岡部淳太 ...
自由詩
37*
05-6-18
北村太郎(その詩と死)
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
12*
05-4-17
風のための散文詩
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-3-30
水玉記念日
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
05-3-22
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