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いつの間にか
私たちは忘れてしまった
追いかけっこに
夢中になっていて
周りを見れば
誰もいなかった
ただひたすらに
走っていたから

疲れ果てて
たくさんの時間が過ぎた
数の計 ....
指は
君の小さな生き物だった

どこか
遠い異国の調べみたいに

時おり
弾むように歌ってた


君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる


遠いね、
   
とだ ....
 
心臓を取り出して
はい、って渡せたらよかった
一番近付いた瞬間に
惜しげなく

薄暗い部屋
間接照明で
輪郭はまどろんでいる
意味の無い言葉や
意味の無い温度で
外側は溢れて ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます



ぼくが、ベーコン ....
十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました

わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた

その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます




 ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
未来とは

刹那の最果てのことである

未来とは

刹那のはじまりのことである

未来とはつまり

現在、という

この一点に包含され

現在、という

この一点を包含 ....
楽園だと信じた場所は


きみをうしなったとたんに

色褪せた。



そうでしたね
ヘブンは
きみのハートのなかだったのでしょう。



色褪せた楽園で

平和 ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません


あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました

永 ....
空がこんなにも 開けて
甘い曇天が ひっそりと退くと

天空から秋の雲が垣間見え
私は視線もろとも 空へ 飛び込んでいる

空中を滑空する 夢
この秋空のなみなみとした 胸

陽光の ....
小石がはねた
みっつめのところで
沈んでいった
それはそれは
穏やかに
すこし左右にゆれながら
底を目指して
落ちてゆく
水面に
たくさんの輪を残して


さような ....
響くサイレン
遠のく喧騒
静観するのは
聡明な眼差し

疎らな星空
侘しい空気
縁となるのは
心の松明

此処が闇でも
其処が果てでも
勇敢な瞳に
恐れ ....
ジャガイモの皮を剥いたことある?

妻に尋ねられ
そういえば
記憶に残っていない

娘が小学校低学年のとき
いもの皮むき みんなでしたとき
血だらけになった男の子がいたらしいよ
娘が ....
そんなに 恋がしたいのなら

    媚薬を飲んで 人混みへ飛び込んじゃえ
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
 ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても

しあわせなら
よりしあわせになるように

そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように

できることなら
あなたの ....
あの日
いつもより10分早く起きた

あの日
朝食はトーストとポテトサラダを食べた

あの日
うお座の運勢は第三位だった

あの日
重要な会議があるからと
君は三 ....
 愛していると言われた
 ホントかどうか疑った

 衣類を剥いて 手足を縛った
 跡が残るように きつく きつく


 愛していると言われた
 ホントかどうか疑った

 ....
これは君の味なのか


モラトリアム期特有の


心臓の辺りで、熱が高まる様な


眠れぬ夜の、笑顔の残像の様な


口に拡がる甘酸っぱさは


君との日々の味なのか ....
                071006


カメラを素早く
懐に
軽四輪に飛び乗って
資源ゴミの回収に行く
ごみごみした都会の隘路
人情を踏み潰して平らに光る
それなのに
 ....
夢のように細い骨で
ぼくたちは生きてきたんだね




愛についてを乞うたのならば

骨と枯れても

幾千

幾憶


そこには声があった、と
想う

 ....
歩いている
ふつうの
新聞見てる難しい顔で
ふつうの
真っ黒いおっさんや白いおっさん、
ハゲのおっさん、白髪交じりの、足の悪いおっさん、
画面を皆で見る、
自転車は走る、 ....
心から重荷を取り除けない 
無気力な秋の日 
よい本を探しに本屋へ歩く 

背後の空から 
何者かが舞い降り 
わたしの髪にのったので 
{ルビ咄嗟=とっさ}に手を出し振り払う 

 ....
あまりに完璧なうんこは美しい
尖がった頂点や方向性も全く無く、水に落ちて飛び跳ねる気配も無い
その場にどっしりと構えた勇姿
女性の曲線美を彷彿とさせる丸みに、ほかほかの肉まんのような湯気
外見 ....
『海の中で時計は止まる』

そっと手をつなぎながら
僕ら海に泳ごう
ひと足とびに歌を口ずさんで
思い出の波にゆらぎながら
毎日君に話せなかった言葉を話そう


『羊が手を振る』

 ....
冷たい雨のあがる日を
釣り人のように
じいっと待っている
暮れ続ける日々のなか
片足でリズムを取りながら
秋雨が途切れた瞬間
ここぞとばかり
洗濯機へ
汚れ物を放り込む
後はまた
 ....
わたしは怠け者であるゆえに 
連休前に風邪をひき 
おまけの休みの時間のなかで 
らんぷ一つの寝台によこたわり 
両手に持った本を開いて 
在りし日の 
詩人の哀しみを読む 


  ....
長生きして100年
天寿を松任して80年

ここまでは恵まれた人の運命

介護疲れで72年
病気が悪化して64年
家庭内暴力で56年
夫婦喧嘩で48年
交通事故で40年 ....
そこはいつも
清潔な湿度と
せつないじゅうりょくの
香りにみちている

身ごもったおんなたち
髪を横に束ね
しずかにもたれている
雑誌をうつくしく取りだし
うつくしくめくる
とろと ....
小原あきさんの自由詩おすすめリスト(2108)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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