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ある学習塾の学生講師は理想に燃えていた
自分の抱いた教育を実践しようと
会社で用意した教材は一切使わない
会社に残り家でも考え
時には大学の講義も放棄して
自分で作成したプリントを配っては
....
例えば
用を足していて
済み
尻を拭おうとして
トイレットペーパーを
力任せに引っ張ると
安っぽい
「トイレットペーパーを支えてるやつ」は
その安っぽさをいかんなく発揮して
芯の ....
シャンゼリゼ通り
喫煙席の私
苦いコーヒーをすすって
軽くビリリと火傷
傾きかけた太陽と
背後に迫る月と
バランスを保つ地球
フーと煙を吐き
流れたそれは コーヒーと混ざり ....
ある日突然
街から空が飛んでいってしまった
青い空は街の向こうへと
逃げていってしまった
残されたこの場所は
街から出される煙で
空をつくっていった
灰色の空はきれいな灰色だが
それは ....
ピカソの良さが分からない
そう公で宣言してみれば
私は世界中の評論家から
反感を買う事になるだろう
展覧会に並べられた
一流の絵画や彫刻
それらが町外れのギャラリーにあれば ....
春の雨になりたい
あたし 春の雨になりたい
あなたはすぐに 春の砂にまとわれて
その嵐の中に {ルビ荒=すさ}ぼうと揺する
小さなオルゴールの中に
こころ を 忘れてきた ....
君に対する僕の心は
ほとんど愛で
蝋燭たてとか
傘たてとか
ドアノブとか
靴べらとか
そういうものに
僕はなりたい
....
さんびどおもってらば
まだ ゆぎっこ ふってくるおだおの
まぢの たんぼだば すてっときえで
ながぐつなば はずがしして
みせっこさ よ ....
「好き」だけじゃ
片付かない事も多いけど
「好き」だけで
片付く事もいっぱいあるんだよ
「好き」だけじゃ
許し合えない事も多いけど
「好き」 ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技
わたしが何を考えていようとも
お構いなし
空気のような存在
親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
楽しいのか
いま
楽しい
いま
楽しいとき
うん
楽しい
楽しいよ!
と言って楽しがる
ような楽しさがふと晩ご飯の後なんかにあって
またはそれは昼ご ....
逃げ切れるのなら 僕を悪者にしちゃえば良い
僕ひとりを犠牲にして 逃げちゃえば良い
誰もがみな 自分を可愛いと思うだろうし
気が済むというのなら 逃げちゃえば良い
自然 ....
あいつは、いつも、うそばっかり
ゆびきりしても、だいっきらいっていっても、うそばっかり
今日も、うそをついて
「今日はなんの日だ?」
「あんたの日よ。4 ....
「リスト」
僕の昔の恋人に
いつも左手首に包帯を巻いている子が居た
最初は自殺未遂かと思ったが
そうではないらしかった
理由は訊かなかった
彼女は毎日包帯を ....
宇宙は本当に広いのだろうか
もしも宇宙に終わりがあるのなら
星の数に限りがあるのなら
宇宙は狭いのかもしれない
果てしなく続いて
終わりのない空間に
広いという言葉は似合うのだろうか
広 ....
喜び
それは毎日の中の平凡な暮らし
喜び
それは生きているとゆう幸せ
喜び
それは与えられた環境の中の幸せ
喜び
それは助けてくれる友が居るとゆう幸せ ....
傘のほね
しずく垂れるさきっぽ
ぼうっと煙るような空を
みていた
置き忘れた想い
片手いっぱい
こぼさないように抱えたまま
見つからない答えを
いつまで待つの
むらさきの花が ....
ごめんなさい
ごめんなさい
好きになっちゃって
ごめんなさい
私達は(仮恋人)
ほんとの恋人じゃない
カモフラージュのために付き合ってる
....
やさしさもみんな抜け落ちて
そいつはセーヌの流れに消えた
キリストマリアを引っかいて
破れた爪で十字を切った
....
風強い毎日
桜吹雪のように舞う桃色
自転車で走りぬけ 感じる春
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの
グラデュエーション
今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる
北の国よ ....
かなしみに しずんだ
せいかつ なので
どうしても
いのちが ひとつ
たりなく おもえるので
こねこを もらってきました
かなしみにも
どこかに
あたたかさは あって
あたたかな ....
こわがらなくってもいいんだよ
花は君を食べやしないよ
ただやさしい香りを放つだけ
春はこんなにもあったかいから
生まれたばかりの君にもわかるはず
だって春は君の母さんのぬくもり
ほら大地に ....
愚痴をね
聞いてもらおうと思ってたのに
どうでもよくなっちゃった。
笑顔を見れる しあわせ。
笑顔になれる しあわせ。
「おやすみ。」
「またあしたね ....
他と
見た目が違うからと
除け者に、された
溶かせば
甘くなることや
そのままでも
他と
何ら変わりないことを
誰にも
気付かれずに
元は ....
言葉にすると
穢れてしまう
どうしたら
全部残らず
伝えられるのだろう
ひどい顔をしている
覗き込む鏡の中
連想する悲しみは無視して
彼の望む言葉を
笑って言えたなら
箪笥の奥には
凪いだ海がしまわれている
微かに潮の匂いが漂っている
妻は夕暮れの淡い光に
静かなシルエットとなり
折り目正しく丁寧に
洗濯物を畳む
その姿は僕らの感傷を代弁する
何 ....
長い年月を波に洗われて打ち上げられた
流木のように古びた椅子に座っている
おまえがいるだけだった
正午の青空のした 影もなく
呼吸さえ 受動で
降りかかる陽射しに ....
もし時間に連続性がなかったら
明日の朝は十年後の夜だったり
三日後の晩御飯を昨日思い出したり
そりゃあもうSFだかなんだか
おちおち詩も書いてられないから
やっぱり今日の次は明日 ....
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