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いつもの下り坂を自転車で走り抜けてたら
ふと風の匂いが変わった気がしてブレーキをかけた。
片足を地につけて斜めに空を仰ぐと
丘の上で穂を送りだしたばかりのススキが
遠慮がちに目配せを寄 ....
キミの母親の姉さんの娘と
手錠で繋がれて
カラ海に沈んだ

阪急電車に乗って
梅田へ向かうたびに
「哀愁って、どんな感じ?」 と
誰かに尋ねたくなる

  錯覚を捕らえてごらん
 ....
誰かが言った
「世界は蜜でみたされる」

私は夢見た
「世界がレモン水に沈んでる」

世界は今
一体何で満たされているの?

私は蜜より レモン水の方がいい
満たされるよりも
沈 ....
いだいてくれていた
ちからがぬけていく
だれのまえにもでない
ねいろで
いとしさで
ふさいでいてくれていた

もういいよ
めをかくしてくれていた
いじのわるいてが
なきむしのように ....
 むかし
 海に砂糖を入れたら甘くなるかという事を
 思ったもんだ
 発展した技術屋かなんかが
 科学的に
 科学的に証明したのでつまらない
 詩人が持つことを許されたピースが
 また1 ....
秋、
そのつぎの
ひめくり

菱形がつらなって
つかめない
光のドロップ

ひらきっぱなしの
本の表面に
ゆらめいて


今が
かたむいてゆく
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
夏の終わり、風

やわらかく

それは

肌ざわりも色彩も


二本目の煙草に火をつける

木陰はずうっと黙っている

つくつくぼうしが縁をとる


夏の終わり、風
 ....
昔はよく強風でガタガタ音を立てていた窓
今はすっかり静かに落ち着いてしまった窓
家の所々の窓は割れているものもある
新しいものと取り替える必要はない
割れた場所から外の空気が入ってくる
それ ....
 
 
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
 ....
 

まったく信頼のおけなかったあなたの言葉たちが

今になって痛い程、頭の中でくりかえされる。


(離さない、すき、 特別、 一生・・)

{引用=ひとりで、食べる 朝食。}
 ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか

ひとと比べることで見いだせるものとは

柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
うれしかったこと

悲しかったこと

楽しかったこと

辛かったこと

今日の箱を
棚の奥にしまい込んでくれる
夜の暗闇

どこに置いたかなんて
明日になれば
きっと
 ....
泥を
振り払おうとする腕こそが
いつまでも拭えない
泥かもしれない

確かめようの無いその有様を
透明である、とは
誰も語らない

そこでまた
ひとつの泥の
可能性が
散る ....
こころは

どこか遠くへ

追ってみようか

受け入れてみようか

ぼくらの感想戦


さよならなんて

なんて乱暴なんだ

フェイドアウト、するさ


こころは
 ....
老朽化の進んだ体育館は
二階に観客席が付いていて
死んだ蛾や蝉がたくさん落ちていた
わたしは
つま先の赤いうわばきで
それらの死骸を踏み砕き
空へ近づこうとするかのように
一人でそこへの ....
ぼくには声はないよ

さけんで さけんで
声はきこえなくなってしまったよ
ぼくは、うたえないよ
ただ、卑屈な笑みしかつくれないよ


正直、今日も死にたいと思っているよ
病気と言って ....
後退する夏の左腕をつかまえて
さみしがる頚動脈にあてがい
しずかな熱をからめる

満たされては退いてゆく
寝息の揺りかご
いちばん弱い部分は
あずけたままで

届かないエアメールの
 ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
ニコニコと笑う君も 好きだけど
口とがらせて怒る君も 好きなんだよ
怒った顔も可愛いから
ついつい怒らせちゃう


僕を信じてる君も 好きだけど
僕を疑ってる君も 好きなんだよ
安 ....
テーブルにばんそうこうが貼ってあった


また3歳の娘がイタズラしたな、


と思って剥がすとそこには


小さな傷があった
青や緑の絵の具を
うすくのばして
あの透明をあらわそうとして
さっきから
なんども失敗している
{引用=
手をひいて
石を渡る
ぬらりとした光沢に滑らせた足を
からだごと、ぐいと引き ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする

すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような

ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか

旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー

マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう



 ....
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること

いま
全裸を隠そうとしている
この月のように

僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに

あなたは
不信で覆われていく ....
吐き出して
吐き出して

郵便局の薄暗がりが頬を撫でる
自動ドアをくぐると
体内時計から螺子が一本
逃げていく
逃げていく
減速度に身を任せ
力を抜いて深呼吸

過呼吸になりそう ....
きみには哲学がない
思想も理想もない
あるのは希望だけ

ボウルいっぱいのシリアルに
冷たいミルクを注いで
シルバーのスプーンで掬い上げる

きみの未来は
とても清潔でひんやりとして ....
かたちのある世界は

祈りのまえでは

透明人間のようなものだ

祈りは

かたちのない世界にある


かたちのある世界で

かたちのないものに祈る


かたちのある ....
夕暮れのバス停で
鳥になるの、と
呟いたきみの背には
小さく
ほんの小さく、翼が生えていて
ぼくは思わず
溜め息を吐いてしまった
 
砂時計の砂を飲み込んで
時を止めようとしたことを ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない

器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない


 朝と呼ばれるものや
 愛と呼ばれるもの
 ....
小原あきさんの自由詩おすすめリスト(2108)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
季節の狭間にて- megie自由詩307-9-13
九月雨- 北大路京 ...自由詩11*07-9-13
世界を満たすもの- 明楽自由詩707-9-13
とべ- 砂木自由詩14*07-9-13
うみ- doon自由詩607-9-13
午後二時- 美砂自由詩8*07-9-12
浜辺のうた、かた- 銀猫自由詩34*07-9-12
夏の終わり- 吉岡ペペ ...自由詩307-9-12
日が昇る前の、一日の始まり- 狩心自由詩6*07-9-12
寝台車- たもつ自由詩1807-9-12
うそつき- 哀詩自由詩207-9-12
- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-9-11
今日の箱- 乱太郎自由詩16+*07-9-11
透いてゆく- 千波 一 ...自由詩22*07-9-11
ぼくらの感想戦- 吉岡ペペ ...自由詩207-9-11
赤いうわばきとたいくかん- 吉田ぐん ...自由詩2507-9-7
おれも女に生まれたら、ワンピース着てみたいな- わら自由詩27*07-9-7
循環する夏のぷろぺら- 佐野権太自由詩9*07-9-6
秋のぶらんこ- 石瀬琳々自由詩33*07-9-5
ごめんね- 北大路京 ...自由詩23*07-9-5
ちいさなおもいやり- むむ自由詩1707-9-4
夏のあとがき- 佐野権太自由詩28*07-9-4
うめぼしの秘密- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-9-3
「フロンティア・ブルー」- Rin K自由詩29*07-9-1
月蝕- 乱太郎自由詩19*07-9-1
ATM- 悠詩自由詩2*07-8-31
ダイエット- 大覚アキ ...自由詩107-8-31
祈り- 吉岡ペペ ...自由詩407-8-30
ゆめとぼく、ときときみ。- 山中 烏 ...自由詩12*07-8-30
呼ばれている- 千波 一 ...自由詩36*07-8-30

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