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8月27日
あの日の夜
君は確かに笑っていた
いや
そうだったと思う
時間は容赦なく
すべてを抽象化していく
匂いも体温も
そして声すらも
おぼろげで
脆弱に変 ....
気付かず歩いて来た道のりに
たくさんの感情を織り交ぜながら
定期的にやってくるこの日は
僕に感謝を思い出させる
生まれる前からの巡り合わせと
生まれるために育まれた愛と
生まれるまでの ....
君は黙って頷く、
雨に濡れた夜でもないのに。
僕は語り続ける、
消えそうな焚き火のまえで。
身勝手なやさしさで、
どうせ僕は君を傷つけてい ....
芝居がかった波が打ち寄せる
僕らの港からは
いつだって色とりどりの星星が見える。
かなしみを選びとれるほどに、
この世界は寒色で描かれないけど
しあわせを選び ....
チョコレートケーキ
甘いと思ったら、
舌の敏感なところで
苦さを感じてしまった。
スポンジの芯あたりから、
ほのかにオレンジの香りが
鼻についてきた。
人の生き方も
こんな三重奏だ ....
飛騨小坂に
帰りました。
小坂川を
見に
行ってきます。
翡翠色の川
ほとばしる
瀬と
真っ黒い
たゆたう
淵
そこに
身を投げます。
私は
川の中で
暮 ....
今日は少しだけ風が強いから
雨雲が喜んでる
爪跡も霞む窓に河川敷
水飴のように頼りない陰り
偶に鳴る鉄橋の響きなんて
すうっと遠い
音色の小さな一隅で
ゆっくり短針が捉える様
....
赤い満月が暗い密林を包む
琥珀の毛並みの一匹狼は
この本能がうずく世界で獲物を探す
純白の毛の一匹兎は
本能のまま世界を飛び回る
この世界で狼はどん欲な男
....
彼女の手は優雅極まりなかった。
注がれたグラスを指だけで持つのも
差し出された手に手で応えるのも
様になったし、僕はなんとかしてその手をとろうと
やっきになった。
トラン ....
髪を整えるクシが見つからない。
このままじゃクセがついてしまうから、
僕はパステルカラーで彩られたつま先でフローリングをぺたり、ぺたりと歩きます。
濡れた髪はうざったいほど乾きにくい。
先 ....
透明な煙が
流れている部屋の窓を
右手で閉じる
閉じた手の
余った時間が虚しい
煙の足跡の風が冷たい
こころの温度を
回復するまでの間が
夜を登るように苦しい
....
昼下がりの陽射しが
雪のじゅうたんをめくって
春をたたきおこす
小さな飾り気のない
窓の外では
ゆきんこたちが
まだ
ぺちゃくちゃ
おしゃべりしている
それでも
待 ....
落脱のためのセックス
再生のない死
女の子は僕に優しくない
特に半径は、僕を上質に扱ってくれない。
くだらなさの泥沼から「セックスしよう」
(誰でもいい愛を込めて)
すきなこと
してる時の
笑顔は
眩しいね
アツイ
熱いよ
すきなこと
してる時の隣で
死に向かって
歩いて行くのならば
何もこわい
ものなんか ....
ながれる
こぼれる
光り光る
こぼれ落ちてゆく
桃色の雫が
落ちては
ひらひら
重なり合い
優しく
咲く
世界に
ひとつだけの
花が ....
てか
ナンだったっけ?
コチンって音がして
何か光って
その前
あと
「オレって誰だよ?」って言ったろ
そうさっき言ったろ?
「オレって誰だよ? ....
悲しいアニメが
なんだか僕の人生より悲しいのは
僕だって少しは切なさを感じれるから
悲しさに溢れた主人公が最後に救われるのは
僕だってそこそこ優しさがわかるから
僕が途中 ....
みじかく切れてしまった糸を
玉結びするみたいに
ほつれた布を縫い合わすのは
むずかしいことだね
夜のあいだじゅう意識を失わずに
きみを待ち続けられればいいのに
グラスでは焼 ....
エレベーターに乗ると
上へまいります
と声が案内するけれど
ほんとうは
上にも下にもたどりつかない
変わらないものが
この空のどこかにある
世界はあの頃と ....
飛行機に乗っていますか
それとも鳥になりましたか
空はあまりに高すぎて
あなたの姿が見えません
風はあまりに強すぎて
あなたが何処にいるかがわかりません
今日は雲が ....
接近した彗星を見つけようと
運命の交差点に、立つ。
まわる、まわる星が
隠していた寂しさを覗かせるとき
それは起こるのだ。
あなたを愛した時から、そう。
恋こがれ
引き寄せあう
....
Doubt
君が言ってることは、嘘だ。
だってほら、口元が緩んでるよ。
Doubt
だからさ、そろそろ本当のことを言ってよ。
絶対に怒ったりしないからさ。
Do ....
白、白、白
白い雨に縫われ
この女の、この
表面が微かに夢見るぬるい穢れへの夢は
さらさら、さらさら
消毒されてゆきます
あ、
あの夜、あの、
うっ ....
淡い硝子の底の
蒼い水溜まりへ
注がれゆくわたし
なにかをすべてやりつくし
かたちだけが残った
透明な輪がいくつも
浮かぶ水面
もしもそこに
一輪の花が咲 ....
キリキリ
「止まった音しか見えないね」
呟く俺の声に再びの詩
心の底で見つめる目に嘘は言えずに
少しだけ触れて水を注ごう
此処は忘れてしまったのか
不味い光は塗りつぶす場所
....
襞がポストから生えていて冠婚葬祭と呟き続ける赤白帽の男の子が転んだ
痙攣する舌先で
路上には緑色の壁面が泳いでいる
冷たい指先に触れた油彩画
方向指示器の余熱に耳を焦がしては性的な魅力に満ちた ....
「夜に星は輝く」って あの娘は俺に言うけど
おそらく俺には 見えやしない
呆れるくらい まばゆい空に
ピンクの星が またたいてる
あの娘がくれた星座盤
寄り添う2つの星は
手垢にまみれて ....
雨降る街角に 誰もが傘をさして歩く
本当は孤独は 誰もの手にもあるのだろう
雨降る街角に 誰もが傘をさして歩く
眠っているうちにどこかで何かが季節のトリガーに指をそえ
明確な透明さでもって入れかわっていく空気 大気
凍てついた日々はよくしたもので
人々には何かと集う理由があり
入り組んでいる関係と熱気が ....
街の灯り
家の明り
月の光り
人々の生活
その全ては、こんなにも美しいはずなのに
どうして僕は
背を向けてしまったんだろう
あらゆる真実も
あらゆる道徳も
あらゆる美しい ....
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