すべてのおすすめ
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
何もしていない君は
幸せを感じていますか
何もやろうとしない君は
楽しいですか
何かをしている時の方が
不幸だと感じますか
何かをしようとする時の方が
苦しいですか
何もしなけ ....
もぐらが「こんにちわ」
芝が穴ぼこだらけ
抵抗のしようが無い
好き放題
そのうち餌がなくなるのか
いなくなる
子供に取っては嬉しい
ウキウキ、ワクワク。
自然は穏やかだ
徹底 ....
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
嫌い
あ
花 ....
旅先で
必ず訪れる旅館があって
其の庭には
花をつけない
見事な桜が佇んでいた
花をつけないのは
私のせいなんですよ
と
其処の女将は笑う
彼女は ....
投げ網のようなものを
過敏に かわしている
どこへも組織されないから
居場所をもたぬ そういう
たましいの 種類である
めろんの翠が涼しい頃
強引な若さだけを連れて
新しい部屋を探したわたしが
照れながら甦る
必ずしあわせになるのだと
啖呵を切って
飛び出した古い家
裏付けるものなど何も無く
ただ
....
金曜日の夜は
やさしい時間
はやくねなさいっ なんて聞こえてはきません
かあさんグマは
大切にしまっておいた
はちみつを
いつもなら すっかり眠っているような時間
子グマたちに ....
君が飲んでる紙パックのジュース
一口もらったら
甘くて溶けそうだった
空になった紙パックのとりあい
私が捨てるから
なんて
ずっと喧嘩していれば良かった
それで良かったのに
....
音を求めたい
乾いた喉を潤す様に
音を求めたい
でも、音は溢れかえってて
一瞬の静寂じゃ足りなくて
音を掴みたい
形が分かる程しっかりと
音を掴みたい
でも、色んな音と絡み ....
僕は急いで君の所に向かうから
君はずっとそこでまっててくれないか?
街の電灯がピトピト光り出した
それは僕の出したSOSだよ
僕は駆け抜けて急いでいる
君はのんびり暖かい ....
あなたにメールをおくったあとは
ねこのさかな
ぼくのけいたい
ぎゅっとにぎってつかれちゃう
から
ゆかにおく
しばらくしたら
ぼくはせいざ
けいたいに むかって
のぞきこんで ....
初めて指輪を贈った人は
彼女ではなくて
母だった
『ビューティフル・リング』
僕は7歳で
母に連れられて
縁日の夜店を廻っていた
ふと
屋台に並んだ
ガラス玉の指 ....
僕はその日ひたすら歩くことにした
僕はその日違う人生に挑むことにした
いつも目に入るのは
たくさんの人と一緒に見る
何もかもがまざり合った
灰色のもの
でも今日は違った
緑と時間 ....
家の近所に教会があった
私はクリスチャンでは無かったけれど
教会の牧師先生が面白い人で
何故かよく入り浸っていた
教会といっても
見た目は古い日本家屋で
家の一部を改築してでき ....
夜が明ければ夢の後
大人の世界に
ピーター・パンはもう来ない
『さよならネバーランド』
開け放した窓が
梅雨晴れの日光を引っ張っている
家具を無くした部屋は ....
体を水の上で
身をまかせ
輝く太陽
高く高く
笑顔と優しさで
満たされて
癒してくれる
救われる。
緑が美しい
小さな屋根裏の部屋
午後の紅茶
友人と話す。
夏休みにしか帰らない
実家の銭湯には
青い富士山の変わりに
緑のペンキが色あせ
ボロボロに古びた
一匹の龍の壁画が
どん と
風呂場一面を支配している
田舎のせいか
夏場 ....
眠りの国の君は
きっととても美しいのでしょう
けれど
其れが見れなくて
私はとても哀しいのです
君の伏せられた瞼の裏
封じられた瞳の色は
平生の黒ではなくて
もっと
緑と ....
********
『もしも私が死んだなら』
『心臓は息子に』
『両腕は娘に』
『薬指は妻に』
『唇を弟に』
『耳を妹に』
『そして』
『彼女に』
....
空気は夏色に染まり
空の青さにも透明が混じると
今年も
『カミナリ玉』
がハシリの時期になった
深緑に走る
黒い稲妻が
球体になって
八百屋に並ぶ
値段は詐欺 ....
ポケットに入れっぱなしにしていた
まなあたたかいビスケット食べ
ほろ苦い味が口の中に拡がり
なんだかしょっぱいなと思ったら
嗚呼何だ、瞳から落ちる雨のせいかと
確認したと ....
もう見えない昨日の太陽
もう見えない昨日の満月
もう見えない昨日の夕陽
もう見えない小さい頃の思い出
もう見えない君の笑顔
もう見えない世界の裏側
もう見えない僕の ....
生きものたちが空を揺らし
雲の間に鏡をつくる
午後から夜へ
鏡は割れ
鏡は増え
ひとつひとつに
生きものたちの息を映す
青 灰 灰 青
銀 燐 燐 銀
まわ ....
思考しないで
感じるんだ
ほんとうは下品なことば
見えもしない存在の
暗い四つ角を挑発して
あなたが寝転んだソファー
私が求めていたものは
上空に浮かぶ島
ただ届かないだけで
....
あの人は
新しく買った携帯に
最初に着信履歴を残した人
あの人は
微かに触れただけの私の手に
十分すぎるほどの温もりを残した人
あの人は
忘れかけてた恋心を掘 ....
香水瓶のかけらを含んだ
アイスクリ−ムを
丸呑みするように
あなたを想うことができたらよかった
腐った林檎を塵箱に押し込みながら
あなたは言う
「はじめから、食べられない林檎なら良かっ ....
黒い部屋に
カチカチと時計の音が木霊する
clock、時をただ一つずつ刻む
ただそこにあるだけで大事にされて
与えられた役割を果たしている
夜明けの光が世界にひとつ差し込む
カーテ ....
あまりに長い間ひとりでいたせいか
ある日わたしはふたりになってしまった
わたしたちはさすがに元ひとりだったので
顔も体つきも声も性格もそっくり同じだった
「さみしかったよね。」
「う ....
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