すべてのおすすめ
{ルビ濁=にご}った泡水が浅く流れるどぶ川に
汚れたぼろぞうきんが一枚 
くしゃっと丸まったまま{ルビ棄=す}てられていた 

ある時は
春の日が射す暖かい路上を 
恋人に会いにゆく青年の ....
世界は鍵のないドアのようなものだ
君は今ほほえみという名前の粉ミルクをお湯で溶かしている
名前をよびたかったがわからない
せめてメルアドを教えてほしいというと語尾上げで「はあ?」と一瞥される
 ....
果実はひとつ、
熟り続ける。
きみが折れる、
その時まで。












           了。
ワールドアパート
酢酸
失われたハサミの片方のもう片方
イチローの背番号51のように
音も無く降る雨の形
ワールドアパート
共通しない扉で
耳を傾けるスパイス・ガール
俺の掌の ....
満月と星たちが次々と、深い海底に落下して、
水鏡には黒褐色だけが見える。
孤独になった空は雲を身篭って、
粉雪を定まらない海底に落としてゆく。
きのう、海辺の空を眺めて笑っていた僕は、
今日 ....
灰色の 潮風が 腐るので
お花が 死に絶えたあと
ラベル貼りの 嘘つきの
集まりが 車を 燃やし
何故か 俺は 一度 夢を
見た

十五夜に ウサギが
一億匹 神奈川県を
跳んでいる ....
こけこっこーで、
お目覚めっぽ。
お天気晴れたら、
お散歩っぽ。

窓の向こうを、
ちょっこり覗けば、
お外はとっても、
ご機嫌っぽ。

おべんとおむ ....
ゆうらりと
ゆれてしまえばかげひとつ
かげとかげとがかさなって
もっとおおきなかげひとつ
もっとおおきく
もっとかぼそく
うたってしまえば 月 むざん
うたってしまえば 夜 むざん

 ....
獣を飼いました。
二匹飼いました。

一匹は内に、
もう一匹は外に、
放し飼いにしました。

獣は毎日、
私を襲って、
喰い殺します。

恐くはあり ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
声は告げる
「風が少し強くなったような気がします」

問う前に答える
「岩と岩の間を行きましょう
枝で隠された路を」

独り言のようにつぶやく
「昔は水のにおいがしたもので ....
君が笑った
笑った口元から
白い歯がこぼれた
こぼれた歯は
たくさんの子どもになった
うまれた子どもたちは
道路を掃除した
掃除された道路は
きれいになった
子どもたちがその ....
ひとつひとつ、はげしい輪廻のあとに、夜は摘み取られてゆく。現世の庭にしどけなく積み重ねられた夜の鏡像は、大地の核に至るまで、ことごとく破壊されている。光は輝くことをやめた。色彩はひろがることをやめた。 .... いつまでも、それを手に入れたいと
弱々しい手で、僕らは汲む

井戸の底に微かに照らし出される
月の光の輪郭のようなものを

  楽しいといっては  ひとつ汲み
  愛しいといっては  ひ ....
涙腺にふやけた朝雲が
ぬるく飽和している
もうこれ以上
隠しきれずに
雨滴は春を含んで零れ
しとしと
しとしと


あ、
頬、
ぬるい春を
塗られた頬、の
わたし ....
『夕焼けは魂の火葬なのです』


燃えるような夕暮れ時のことだった。

無個性極まりない黒いランドセルを背負っての小学校からの帰り道、
ビルの合間に消えていく燃えるような夕日を意味もな ....
初めての模擬試験の点数は
不等号のみの
二百点満点中 四点
君と
僕と
あいつと
誰か
だったか
昨日と
今日と
明日と
なにか
だったか
そこんとこの隙間達へ

その記 ....
スーパーのレジで
おつりのコインを数枚受け取ると
「わあ、お金が増えたね」
と娘は目を輝かせる

自動ドアから出るときも
「あのおばさん、きっと親切な人なんだよ」
ふわふわと歌う
 ....
セット販売はお得です
時事ネタっぽく
金メダルが叫ぶので
暢気なドンキホーテが
年老いた
ロシナンテに乗ってくる

テレビでは有名な
風車のヤシチさん
水戸黄門が漢字にケチなの ....
雨が降る。
傘はいらない。

雨が好きな月もあれば、
雨が嫌いな月もある。

二月の雨が、
どちらなのか。

それはこの雨と、
君だけが知っている。

 ....
傘を
返してほしい

名残りの雪は
綿のコートには冷たすぎて
ひとりで帰れる自信がないから

あの桜もようの紅い傘は
ほんとうはすこし空々しいから
好きではないのだけれど

 ....
ある友の言う
珈琲にミルクを入れる様は白と黒
疑惑の暗喩と

砂糖は誤魔化し
甘い甘い誤魔化し
それは採りすぎて壊す身体

珈琲に訪ねてみたが
答えはせず
疑惑の黒

豆物を ....
淡い太陽が
黒い淵にゆっくりと沈みゆく

街は刻一刻記号へと分解されながら
地平の方へ徒歩の速度で遠ざかる

立ち尽くしていると
不意に頭上から降りしきるのは
清らかな絶望
清らかな ....
赤と青を混ぜたら
いつか二人で手を繋いで飛んだ
有明けの紫の空になり


青と黄を混ぜたら
いつか二人で脚を絡ませて泳いだ
底無しの緑の森になる


私と君は
天を指す草原、地を ....
男は静かな眼差しだった
椅子に腰掛けていた
眼鏡の中を覗き込むと
男には目が無かった
代わりに水槽があった
水面は微かに波打っていた
魚が数匹泳いでいた
楽しそうではなかった
 ....
雨の降る仕事帰りの夜道
傘を差して歩く僕は
年の瀬に冷たい廊下でうつ伏せたまま
亡くなっていたお{ルビ爺=じい}さんの家の前を通り過ぎる

玄関に残る
表札に刻まれたお爺さんの名前  ....
日向に 住む 影法師
柔らか 柔らや 穏やかに
けぶる 靄の中で

花が 咲いては 折れ
花の 緑が 生まれては
花の

影が 笑っている
ゆたゆたと 傲慢なまでの
その 姿に
 ....
透きとおる真昼に
日常が、消えていく
八月に買った青いびいどろは
もう割れた



観覧車に乗りたいと言ったのは
あのひとのほうだった
てっぺんに着いても
世界はちっとも見えなくて ....
あなたが一番きれいだったとき
しがらみの廃墟に靡く 硝煙を仰ぎ
自由とは このことかと
愛しき髑髏ひとつ 胸に抱き 街を彷徨う


あなたが一番きれいだったとき
一枚のルオーに なりたい ....
 1

「静かの海」に移り住んで五年
いつしかぼくは
ブロード・ビジョンに映される
地球の姿を見続けていた

何も入っていない写真立てを
そっと伏せる
ゆっくりと死んでいく巨 ....
かおるさんの自由詩おすすめリスト(3518)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼろぞうきんの春- 服部 剛自由詩18*06-3-3
ワールドアパート- モリマサ ...自由詩6*06-3-3
「_金曜日の果実。_」- PULL.自由詩7*06-3-3
ワールドアパート- たもつ自由詩10*06-3-2
いのちの感性- 前田ふむ ...自由詩13*06-3-2
ごんちゃろう(享年2年)レクイエム- 奥津 強自由詩3*06-3-2
「_っぽ。_」- PULL.自由詩19*06-3-2
霊能者が書き留めた幽霊の聴こえない歌- 岡部淳太 ...自由詩8*06-3-1
「_けもの。_」- PULL.自由詩4*06-3-1
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
声(草と火)- 木立 悟自由詩906-3-1
笑う- たもつ自由詩806-2-28
内在- 葉leaf自由詩13*06-2-28
僕らは海にまぎれて- たりぽん ...自由詩1306-2-28
恍惚時間- A道化自由詩506-2-27
[_天使と僕(ゆうやけ)]- 渕崎。自由詩106-2-27
四点セット- AB(な ...自由詩406-2-26
おつり- たもつ自由詩54+06-2-26
四点セット- あおば自由詩1*06-2-26
「_日曜日は雨で。_」- PULL.自由詩13*06-2-26
余寒- 落合朱美自由詩2406-2-25
疑惑の色談義- アマル・ ...自由詩506-2-25
見_者- 塔野夏子自由詩7*06-2-25
アトリエ・サバンナ- まほし自由詩17*06-2-25
眼差し- たもつ自由詩406-2-25
光の滲む雨の夜道を- 服部 剛自由詩18*06-2-24
日向に咲いた- 奥津 強自由詩506-2-24
八月の、リフレイン- 望月 ゆ ...自由詩38*06-2-24
女性詩(をんな_さが_うた)- 恋月 ぴ ...自由詩20+*06-2-24
「静かの海」綺譚_(1〜10)- 角田寿星自由詩1406-2-23

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