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 空が青い
 一車線道路の縁石で
 鎮座ますコーヒーの空き缶は
 吹きつける生ぬるい風に
 耐えている

 一枚の白紙のような
 灼熱の路面に立っていると
 なにも見えなくなって
 ....
 
 広くつづいた枯野の道は
 骨ばかり
 高く乾いた冬空に
 黄昏月の悲しげな瞼の赤らみ

 涙の匂いがしないように
 化粧水をたっぷりふりかけて
 いかなる慰めも求めていない
  ....
 あまねく日は西へ傾き
 道に日は照り
 わきたつシャンパンゴールドの
 彩雲がおだやかな貌をみせる

 隣人やあなたから見える
 ベランダで洗濯物を干す「わたし」は、
 知らないまに
 ....
 遠くにいるあなた
 遠くにいても
 息づかいを感じる程には一緒に居ない
 あこがれのような
 かなしみのような
 その境目で
 私が寂しがっていようなどとは
 思っていないかも知れない ....
 夕立の雲が垂れ込めているのに
 ふりそうにない{引用=まだ降らない
まだ降らない
まだ降らない} その短いようで限りなく不穏な時
 
 夏草の背の高い奥庭
 開かれた窓に
 夕顔が、何 ....
 テイクアウトのピザを
 たらふく食べ
 飲みすぎた赤ワイン

 炬燵で寝落ちし
 ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
 深夜

 空ビン洗って
 ベランダの収納ボックスへ入れる音 ....
  「独白」


 霜の立つ
 音のきこえそうな 
 夜に一人で居る時は
 吐息など捨てようと
 幾度 思った事か


  「街の鴨」


 商業施設の脇を流れる
 堂の川 ....
 ある晴れた日に一軒家の庭で
 赤い五枚の花片をしっかり開く大きな花を
 母と見たのは昔の話
 花の名前が思い出せずに 覚えた小さな胸さわぎ

 茎が真っ直ぐに伸びた葵科の花
 「この花は ....
 にこやかに前を歩く私の後ろから着いてきてくれる
 あなたの足取りはまるで
 デパートの屋上へ遊具目当てにやって来る幼児の父親

 やっぱり、ここからが一番綺麗なのよ!
 自慢げに私がそう言 ....
 春 おそく
 雲低い空の下
 裾のほつれをまといつけておいた
 小花柄のフレアースカートはいて街へ出る

 図書館の帰り、線路わきの公園で
 ひとり眺めみる 
 八重桜 
 ぼったり ....
松岡宮さんのリリーさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
酷暑(即興詩)- リリー自由詩18*25-8-2
ヒヤシンス- リリー自由詩10*25-7-26
天日- リリー自由詩10+*25-7-12
零時- リリー自由詩7*24-10-2
雲居の空- リリー自由詩12+*24-7-10
深酒- リリー自由詩13*23-12-27
五行歌_二首- リリー自由詩7*23-11-21
紅葉葵[まち角4]- リリー自由詩6*23-6-4
相合橋- リリー自由詩8*23-4-25
八重桜- リリー自由詩9*23-4-12

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