帰郷
ひだかたけし

ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている

脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡っては
青いきざはし
掴み取り
遠い国へと帰っていく
一つの透明な魂が
修羅の野原で
遊んでいる
明日はあそこと
遊んでいる

夜風はまるで
夢のよう
ちりちり
素肌に弾けては
懐かし内部のフルサトへ
わたしのたましいを運んでいく

















自由詩 帰郷 Copyright ひだかたけし 2021-05-10 18:56:40
notebook Home 戻る