黎明、その静かな死を。
秋葉竹
雷が静かな死を私に受け取れと鳴く。
あっちを向いて吐き出す息は熱いが。
涼しく風を感じたり、透き通る夜更けを見たり。
青空は四角い。雲の切れ間にはつまらない透明。
聞こえ出したエンジン音は濁声でしか怒らない。
おめでとうを言われていたたまれなくて疲れた。
正気は色ちがいとは思わないから。世界の海の水。
色は何色よりも恥ずかしい蒸気になるけどいい。
熱々の棘へのあらがいのなかに、静かな死が。
そこにだけあった。集まっていた。蒼ざめていた。
自由詩
黎明、その静かな死を。
Copyright
秋葉竹
2019-06-04 21:37:13