きみの取扱説明書をみつけた
ちょっと古びて
もう保証書もどこかへいってしまった

皮膚を剥いでゆくように
すこしずつものを整理してゆく

基本性能だけでいいのだ
死ぬまでにデフォルトの ....
 
喧騒の夜

組み込まれているから、見えない

都会にもいるんだよ、言霊



 
真っ黒に日焼けした たくましい腕
「健診でひっかかって…」 屈託なく話した
野球部の監督をしている 彼の日常は
夏休みを返上で ノックバットを振っていたはずだ


風が澄み始めた 今年 ....
たぶん僕は理由を見つけたかったんだ 
笑える理由を 
涙をこらえる理由を 
そして 
負けられない理由を欲しがっていた
かき氷を
噛み締める音が
透き通る
氷の粒の結晶は
ちょうどひかりが
零れおちるみたいに
花火の黄昏にある音のように
ころんころんと
ふたりの記憶のなかでも
響いている

ずっと ....
太陽から逃げ
砂漠に夜が満ちる

疲れて眠る黒髪を
オアシスの女たちが
優しく梳き解いていく

男たちは横になったまま
闇を見つめて
その音を聞く

唇に夜気がふれ
女たちの頬 ....
私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。

何度生まれ変わっても
告げられな ....
夜の空気が
皮膚を貫き
意識・無意識の壁を透過する時
生きていることを感じるんだ
(みんなもそうだろう?)
夢幻を感じることで
生きていける
(みんなもそうだろう?)
怪人二十面相が生 ....
五円玉の穴から覗けば見える都には雨が降り夏を追いまわし秋を連れてくる鈴虫の声高くお月見だ紅葉だと騒ぎ立てる人々をしりめに私は静かにしていたい静かにしていたい静かにしていたいだけなのに頭上のスピーカーは .... あらゆる疑惑や憎しみは

頭で考えるからおこるのだ

だからからだで感じよう

それも足のうらで感じよう


遠く離れてきみを想う

生きているかも

死んでいるかも

 ....
不眠症の彼に、ホットミルクを淹れるのがわたしの仕事だった。






ある夜をきっかけに、彼は眠ることを忘れたという。
どんなに体が疲れていても、睡魔は彼には訪れず、ねばつくような夜 ....
ある時は弟になりました
川に流された弟の
お姉ちゃんとお父さんを励ましました
お母さんはいなかったので
お父さんは一人で子どもたちを育てました
お姉ちゃんはお嫁さんになって
 ....
朝8時から夜10時まで仕事
残業が当たり前の毎日

職場では機械のように扱われる
キカイダー
自宅では粗大ゴミのように扱われる
ネムイダー

どちらも人造人間
誰かに作られた自分だ
         150829

乗務機は今は無き香港啓徳空港に近づいた
これからがおいらパイロットの腕の見せ所
いつもわくわくはらはらする一瞬だ
真下には白いビル群が白い墓石が群れ成して
 ....
私も水から生まれたひとりだから
孤りはさびしいだろう
七十年前 誰かがこぼした涙が
いま雨となって私の肩にしたたり落ちる
(人は雨でつながっているのだな)

私のなかで蠢く海流がある
あ ....
私が悪口を言ってたのはあなたのことよ
なんて言えない女友達
面倒くさい

正しいってこともわからなくなる
どうでもよくなる

つきあいって長くなるほど冷たくなるのかな
特に女は

 ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の僕は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

<今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら自分はこ ....
かなしみのほうに
かたむいていく白い朝は
つかみそこなった
ひなたちが
さかみちを
ころがりおちてゆく

いきさきは
とおい御国か

秋という字の
右耳に
火がともっている
 ....
電車に揺られているとき
よく考える
この各停電車に
知り合いが乗っていたりして

大人になって音信不通
愛した彼女と自然消滅
それでも日々は巡るもの
電車は僕を運ぶもの

揺れる川 ....
           150827

孤独な青年ばかりが集まり
モダンな小学校を建てる
全員個室で授業を受ける
体育だけはプロテクターを着け
乱闘へのスキルを磨く
午後は、エアガンの実射 ....
右手の痺れがとれない
小指と薬指の感覚がない

いつもの山田先生はひとこと
これは頸椎だから松崎先生のところに行きなさい
まだ午前中で間に合うから
ちゃんと血圧も測ってね

松崎整形外 ....
本気で怒ることがない
自分がだんだん薄くなっている

どうせ
と毎日言う

おいしくなくても食べるごはんみたいに
いちいちいいわけをする

おふろで
だれもみていないのにうつむく
 ....
卒寿のおひとりさまにあって
          それは
昼さがりの うたたね でも
    まどろみ でもなく
ただ 無聊に
 まぶたを 閉じていたとき
    隣家からもれてくる
   ....
胸のファスナーを下して
白い綿毛に包まれた
幼い夢の息の根を止めて
そうして入り日の燃え落ちる
血だまりへ
交わることで違え 
意味を失する言葉のように
縺れたまま ひとつの肉塊となり
 ....
   朝、歩いていく道が開けている
   青く高い空が輝いていて
   私は
   コンビニで買ったコーヒー缶を飲み
   煙草を吸いながら
   駅までの距離を歩いて ....
空いた穴
開いた穴は
茫漠と広がり広がり続け
秋雨に濡れ
崩れ落ち
瓦解を止めない黒土の縁

喪失の上塗りは
肉を蝕み
麻痺する魂
一人生の円環は閉じかけ
独りから独りへ

 ....
はす向かいから
零れ落ちる夕陽が
暮れなずむ坂みちの
眩しい道のりに
差し込んでいて
初秋の太陽に
焼かれた自転車は
夕焼けにすっかり染められて
たったひとつの恋を
こいでゆく

 ....
夜の公園は
虫の声しかなくて
やたら大げさなブランコの音が
理由も訊かずに付き合ってくれる親友
みたいで嬉しくて
でも
ずっとこいでいると
息が苦しくなる

なんにもない一日
 ....
浴衣の帯が苦しくて 不機嫌な顔をしていた
それでも金魚の袋は しっかり握って
夜店の光が届かない 闇の狛犬が怖くて
握った手に力が入った 小さい弟の小さな手


田舎の家の 広い居間で ....
満月の夜、月はやさしく犬を見ていた
犬は不思議そうに眼をあけ、すっくと立ち
濡れた鼻をしながらあたりを一瞥した
犬は初秋の虫の音を
一心不乱に聞いていたのだが
ふと月明かりに、自らの何かが微 ....
ガトさんのおすすめリスト(1246)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空っぽについてのマニュアル- 梅昆布茶自由詩1915-9-1
言霊- 殿上 童自由詩13*15-9-1
野分- 藤原絵理 ...自由詩415-8-31
雨が止んだ- 文字綴り ...自由詩315-8-31
かき氷の遠い夏の音- りゅうの ...自由詩10*15-8-31
月は- mizunomadoka自由詩415-8-30
はなびら- あおい満 ...自由詩14*15-8-30
プレパレイション・マスク- ゴースト ...自由詩7*15-8-30
真鍮の都/即興ゴルコンダ(仮)投稿.68- こうだた ...自由詩5*15-8-29
疑惑や憎しみ- 吉岡ペペ ...自由詩515-8-29
ホットミルク- 愛心自由詩415-8-29
黒い犬の話- 小原あき自由詩16*15-8-29
ネムイダー01- イオン自由詩4*15-8-29
真鍮の都- あおば自由詩8*15-8-29
雨と記憶- 伊藤 大 ...自由詩615-8-28
おんなどうし- 朧月自由詩215-8-28
ループする人生- たけし自由詩3*15-8-28
おとづれ- そらの珊 ...自由詩16*15-8-28
排他的思考回路- たいら自由詩115-8-28
少年の話- あおば自由詩8*15-8-27
痺れた日々- 梅昆布茶自由詩1515-8-27
あえない人を想う夜- 朧月自由詩315-8-27
緑門(四)- 信天翁自由詩215-8-27
闇の恋人たち- ただのみ ...自由詩16*15-8-26
ラッキーデイ- 崎山郁自由詩4*15-8-26
推移- たけし自由詩315-8-26
暮れなずむ恋の坂みち- りゅうの ...自由詩3*15-8-26
薄っぺら- アンテ自由詩215-8-26
盆の歌- 藤原絵理 ...自由詩5*15-8-25
月と犬と- 山人自由詩8*15-8-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42