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階段を上り切るともう
下りの螺旋階段
今度はどんな命を戴くのだろう けれど
ほんとうは ほんとうを言っても良いのなら
――永遠の両翼が望みです
もしもその価値が私にないのなら
神さま真夜中 ....
神さまの絵筆から零れ落ちた
あかねいろにあやされて
泣きそうになるのを
こどもらしい頬のあどけなさに
家路に背を向けたことはなかった
鳥の立つ空をみあげながら
ほんとうは自力で
....
こどもであるという無力に圧倒されていた日の秋に
よく仰いだ心ひろやかな樹樹があった
これが のちの涯の具現かと 一つの邂逅
その木立の黄葉のかがやきは確かに詩だった
うつくしく 深刻に明るく寡 ....
しあわせ って意味も知らずにそれでも
しあわせになりたくって産道を出てきたのだと思う
決意をして 決意通りに堪えて生きてきた
泣いて泣いて泣いて泣いて いまもまた
わたしはいったい誰なのだろう ....
きつい日になったね
こんな日の日付は変わらない
二十五時には泣き疲れ
二十六時にはなみだも枯れる
さよならを覚えたわけじゃないけれど
けれど冬至までついにカウントダウンに入ったね
二十七時 ....
唐突に額にあてられ
あのほんものの乾いた音とそして衝撃が走る
ある時にはいつ棲みついたのか
恐ろしい姿の鳥のようなそれがあたまのなかで奇声をあげて鋭く蠢く
先生は ほんとうではない、と教えてく ....
私のペンは「あなたたち」を描くことには一切の関心を持ってはいない
* * *
雪は白いから尊いのよ
透明だったら見えないでしょう
ほかの色だったら世俗を纏うでしょう
* * *
一つの部屋では未明を迎え
東京の骨が窓辺でうたう
(白い白 ....
風が伝える想いがある
風が伝える死もあるだろう
さびしさもある
かなしさもある
日日のなみだも
やりきれなさも
そして
それらを
きっと誰かが
拾ってくれると
信じること、そうして ....
夕陽はきっと溶けるように
水平線に抱擁されて 海の底
人魚の里で明日を孕むのだと思う
そこでは どんな哲学をさかのぼっても
たどり着けないとわをしる風が
淡水の泉を可愛がっている
つぎつぎ ....
栞をはさんで閉じようとした
歳時記が
本を押さえても平らにならない
抵抗している何かが居る
、それは直感だった
それが何にせよ傷をつけて
可哀そうなことになったらと
まず案じて、本か ....
一.ほとり
泣きやむことを忘れ
とてもわたしらしくなったと
この夜いつまで居ようか
ここに
二.花占い
そこの{ルビ他人=ひと}は暗がりで
命を摘んでいる
気になって仕方な ....
父さん居るのなら聴いて
日日ほがらかに楽しいです
あなたの最後の願いのとおりに
日日はとてもさいわいに満ちています
私の右手は人を指差すためにあるのではない
私の左手は施しを掴むためにあるのではない
おかあさん
と無邪気にゆってみたかったよ
あなたの愛がほしかったよ
あなたをみあげる背丈の頃に
はい、向いていなかったです
生きることには
まったく間違いでした
生まれてきたことは
恨んではいないけれど
なぜですかと 思っていますお母さん
申し訳なく言葉もないです
大好きな。お ....
キャンピングカーとパトラッシュと運転できるあなたが欲しい
眠れない未明に
仕方もなく起きだして
ふと開けた引き出しから
懐かしくて熱いものが
彼女がのこして
そうするしかなかったままの
断片がみんな
雨の雫色をしてる
それらは歌で
....
さびしさに疲れました
まちがえて産まれて
お母さん 申し訳ありません
父さん ほんとにごめんね
なかったことにできないことが
こんなにかなしいことはない
どうしたってもたぶん
骨はの ....
オリオンを確かめて
冬と悟る空に
白い吐息を吹きかけて
部屋に戻る少女たち
残された結晶たちは
さまよった末に
辿り着くのだろう
この夜も 夢へと
赤いバレエシューズ姿の女神が ....
海がもしも優しくするって約束してくれたら
あたしは沈没してもいい
船になる