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目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
ジャズを聞きながら
君に手紙を綴っていたら
知らぬ間にアルファ波が
出ていたらしい
気がつくと
時計の針の30分が
あっという間に過ぎていた
願わくば
退屈で長い1日よりも
....
白い線につながれた
黒いスマートフォンは
小さな画面を閉じた暗闇に
遠く ぽつねん と浮く
青い惑星の夢をみる
朝の古びた駅舎で
ペンキのはげた屋根上から
剥き出しの大きな電球が
辺りをそっと照らしている
ひとり、ふたり
音も無く通り過ぎ
これから街へ出てゆく、私も
何者かに淡く照らされて ....
久しく忘れた地上の園を
人々が想い出すように
この世には
時折、虹があらわれる
人は問う「あなたの師は誰ですか?」と。
私は黙ってひとさし指を――立てる。
遠い旅先の、見知らぬ街で
風に震える…痩せっぽちで
牙を向く、狼の哀しみ
暗雲に覆われた空を仰いでは
見知らぬ人々の靴音、行き交う
孤独な雑踏の
只中で
今日も独り、立ち尽くす
....