静かな平日の図書館に人の気配はない。
 幾千幾万の蕾たちが花開くのを今か今かと待ち望んでいる。
 私の手の中で花開いた詩集は遠い昔の魂の叫びだ。
 私は今日もまた本の森へと足を運ぶ。

 ....
青い球体に手を突き刺して
あなたを引っこ抜きたい
白い球体は ゆっくりと東から西へ
夜を巡ってゆく
孤独なんて簡単に乗り越えられると
思っていたのに
私はもう潰れてしまいそうに
震えてい ....
靡く風鈴のように美しく鳴くのは
蟋蟀でしょうか?
鈴虫でしょうか?
僕が知らない他の虫でしょうか?

雨上がりの朝は
木々を濡らす水の滴りと
小鳥の他愛ない会話と
秋の奏者達の ....
公園で自殺した

つぎのつぎの日には

痛快なくらい子供たちがそこで遊んでいた

夕暮れ

子供たちはそれぞれの明かりに戻っていった

喧騒のわだちを残して公園はしんとしていた
 ....
唇が口笛が造形する
音響銀河
銀のヒビキ
波紋広げ渦巻く渦巻き

疼く身体
降りしきる雨に
疲労し尽くしながら
既に放擲された己
絡みつく白腕払いのけ
欲望を
情熱を
衝動を ....
君は温度のない目をしてる

君は味気ない舌をしてる

君は苦しそうに委ねてる

君は子供のように泣いている

不自由なままの楽園で

君は心をなくしてる

狂っ ....
こがねいろの扉が
花にふさがれている
ここは何処なのかと
首をかしげている


くゆる くゆる
くゆ るく ゆる
白湯のなかを
ゆるく ゆるく
午後は廻る


 ....
 
せみの大合唱

だるい

こんな日はお空にとけるねん



 
おろかな祈りから一つの美しい行為が生まれるなら
それは時のなかにいつまでも溶けていく宝石
堕ち続ける夢をみるのはこれがはじめてでもない
ときどき浮遊する夢もみるが
たいがいは堕ちている

奈落に底が在るとしたらいつそこにたどりつけるのか

それとも俺は横方向に無限に移動している ....
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ

遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている

僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上

何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ ....
熱中症の危険があるから八月のゴルフは避けられている

だから八月のゴルフは安い

よって会社の金でできない理由があるようなゴルフコンペは八月に集中する

会社の金でできないゴルフコンペには ....
俺の住む町には一軒の本屋もない
町には大学の校舎と
学生マンションが立ち並ぶのに
近頃の学生が
本を読まなくなったせいか

俺は洗面台の前で歯磨きをしながら考える
ネクタイを結び ....
仕事帰りに立ち寄った
近所の神社の境内で
鞄を放り投げ
身を丸くして
一匹の猫の姿に
やがてしばしの眠りに落ちる
会議と定食と談笑とやましさ
戦争と法案と山下とやさしさ
から揚げとひじ ....
光で埋め尽くされて行く影
影で埋め尽くされて行く光

詩で埋め尽くされて行く空白
空白で埋め尽くされて行く詩

沈黙で埋め尽くされて行く会話
会話で埋め尽くされて行く沈黙

過去で埋 ....
真夏は
巨大な安穏スクリーン
透明な被膜の内側を
ふわふわ微睡む
人、森、猫

唐突
道路に
空いた穴
その深淵は
弾け飛んだ信頼の重み

傾く生を朦朧と
夏の熱気に曝け出し ....
「あるところに、帰るところはあるけど孤独な人がいました」
その声を聞いてると
繊細で色々あふれてるのはわかって
とにかくわたしは森の中で土下座している
必死で生きててごめんねが
毛穴から蒸発 ....
とけてゆく
森の、
やわらかな落ち葉のうえに
ゼリー状のものに包まれて、
ふるふると
産みおとされていた
ことば。
 ( しんでしまう

夏の中に立っているきみ
、と
氷のなかの ....
海の向こうに
蜃気楼が見えたら
熱帯夜の中で
君の香りがしたら
お水の中に
海月が泳いだら

もう夏の終わり

あの日に
買った金魚は
傷だらけで元気がない
掬い上げた ....
           蝶番に赤錆びが 出始めた
         脳味噌に白カビが 生えだした
                  それなのに

       卒寿までいのちが めぐまれたこと ....
こんなに濁った
こころ

からだ
だけど

せめて死ぬ時は
僕のいのちは水色に澄み
すべてを識る事になればと
願う

あついあつい夏の日
しろいしろい入道雲の下
祈る
砂を両手でギュッと握ります
ハートの形になります
ていねいに持たないと
パラパラと崩れてしまいます

砂をギュッと握ったのはカミサマです
このハートをね
シワ ....
あなたは眠る
虹のした

なぜ
胸がこんなにいたいのか
そうして
なつかしく まぶたをとじる
一生の屋根の上で花火を見よう
夜が霞むくらいとびきりのやつ
ひとつお見舞いしてあげるから
きみの好きな色がはじけたときだけ
下をむくのを休んでほしい
苦しい

逃げ出したくなる

想像を手がかりにぼくは生きている

また黒い森に入り込んだ

ぼくの知らないところで

ぼくのいない触れ合いがかさねられていく


囚われたひと ....
発火する手前で
なんとか世界は持ちこたえている
そんな暑さだ

空へのばした緑の手は
もはや力なく横たわり
おそらく
何もつかめないまま
花さえ咲かすことのないまま
明日には
残骸 ....
コップのなかに
残された朝と
醒めきらないままの
水を分けあう

魚のかたちをして
水がうごく
夏のはじまり
ゆっくり水際を
泳いでゆこうとする
小さな魚だ

草となり
ただ ....
  ペダル踏み、立ちはだかる森へ
  クヌギのカブト
  ケタケタと笑っている
  鼻のあたまに、汗かいといで




  役立たず、ひこぼしの魔法
  初めてのキス、天の川超え ....
ロミジュリみたいな運命だったら言われてみたいな「名字を捨ててあげようか」なんて本気かなって疑っちゃうから神宮に咲く花は散ってく火薬は匂えど色は香らぬプラトニックな愛なんだってさ永遠になんてつづきゃしな .... 何になろうか
空を飛ぶ鳥になりたい
海を泳ぐ魚になりたい
土を潜るモグラになりたい
でも人間に殺されちゃう
人間になっても殺されちゃう

何になって何をしよう
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