星座にはいれない星
そう、惑星
だからなのか
惑う星たちは
互いに近づき
時には
並んだりもする
だが、別れには惑いがない
月を挟み
それぞれ ....
はがれないように思いを
必死になって押さえていた
ぺろんぺろん、ぺろんぺろん、それはもう
いつはがれてもおかしくはなかった
時はただ過ぎていく
育まれては
壊れ ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
....
無差別殺人の
テロリストは怖い
部屋でゴロゴロして過ごす
無気力なゴロリストも怖い
お互い明日を信じないし
命を無駄にすることを恐れない
「いずれゴロゴ13と呼ばれるのだ」と
....
この静まった秋の日に
一枚の紙を机の上に広げれば
過ぎ去った春と夏
来るべき冬とが集まって
一年間の物語が告白され
あなたに宛てられた
自然界からの手紙が
書き落とされるだろう
....
そうね
たぶんね
って言えるくらいが
素敵な関係なんだろう
わたしの都合
ぼくの都合
は行ったり来たり
のくり返し
わたしの願望
ぼくの願望
は力関係で一方通行
ただ ....
眠れない未明に
仕方もなく起きだして
ふと開けた引き出しから
懐かしくて熱いものが
彼女がのこして
そうするしかなかったままの
断片がみんな
雨の雫色をしてる
それらは歌で
....
あなたとの記憶
水に似た感情
時間はかかったけれど
ようやく
完成
ブリキのジョウロは先週
不燃ゴミの日に出して
てるてる坊主とも
とうとう仲直りした
埃をふうと吹き払っ ....
海が見える新興住宅地
まだ買い手のつかない広い区画には
イタドリ ススキ タンポポ
何処からともなくやってきた
柳や白樺の若木も生え
地面は覆い尽くされることもなく
盛り固められた土が腐 ....
捉えたぞ
アナタの姿を
流れいく雲間に
薄く濃く白く輝く
奔放に微笑み送り続け
爆発して
消尽し
捧げ
妖艶に
円を舞い
捉えたぞ
アナタの姿を
流れいく雲間に
破壊 ....
ことばの奥底にある
私の声が聴きたい。
そう扉を開く時にいつもあなたはいない。
なかないで、
なかないで、
あなたはいつ ....
ひとりきりの 秋の 夜更けに
天井の蛍光灯も テレビも 消して
ろうそくを ひとつ
灯してみましょう
淡い おれんじ色の炎が
闇を ゆらして
ゆったりと おどけはじめる
開け放し ....
さびしさに疲れました
まちがえて産まれて
お母さん 申し訳ありません
父さん ほんとにごめんね
なかったことにできないことが
こんなにかなしいことはない
どうしたってもたぶん
骨はの ....
時が暗みへと進み
私の心も眩み出す
すべてが剥き出しに
すべてが恐怖恐慌に
人は人との繋がりなしには生きられない
人は人との愛情なしには生きられない
すべてが裸になる夜
私の魂が ....
木の葉が
風に散っていく
表になり裏になり
葉脈の流れをとめて
秋の波紋がひろがっていく
セコと呼ばれる河童が
山へと帰っていく季節だった
雨が降ったあとの小さな水たまりが
河童の ....
夏のおわりの
アスファルトのうえに
蜂がひとつ
死んでいた
もう、
怖くもなんともない有様で
蜂がひとつ
死んでいた
この蜂の持つ毒針は
柔肌に痛みと腫れをもたらすに十分で
....
夜の中で意味が冷えていく
わたしは知りながら傾いて
もう少し影を濃くしようとしていた
ふるいうたが流れていた
それとも口ずさんでいたか
どちらにせよわたしたちは小さすぎた
隠しごと ....
景色が青で満ちていた
空気が青色をしていた時間
海と空と液体酸素
この世に青は多いのに
人間は青を憂鬱にしたから
青い憂鬱が僕らを包み込む
溜め息
美しい景色に ふっと
窓が曇り掠 ....
あなたの組み合わせた 手
こっちをじっと見つめる 眼
開いた口からこぼれるのは 言い訳
わたしを閉じこめておきたいだけ?
窓から空をのぞけば 魚
魚
魚
魚
....
炎に出合うと体が勝手に近づいていく
この習性を
人間に気付かれたのはいつだったろう
夏の水田に灯火が点いて
人が居るかと思えば炎だけ
どれだけの仲間が焼け死んだことか
人間にも似た ....
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生 ....
人は問う「あなたの師は誰ですか?」と。
私は黙ってひとさし指を――立てる。
透明に輝く街並み
降りしきる雨空の許
嘘のように広がります
街路樹の緑艶やかに
用水路の水の流れは銀の透明
街道を走る車音すら響き澄む
私の右目はとっくに塞がり
捕捉可能な視野が ....
多数の角
多重の角を持つけだものが
真昼の雨の径に立ち
水たまりの光を
見つめることであたためている
紙が紙に戻る音
空気が空気に沈む音
踊り たたずみ 再び踊る ....
オリオンを確かめて
冬と悟る空に
白い吐息を吹きかけて
部屋に戻る少女たち
残された結晶たちは
さまよった末に
辿り着くのだろう
この夜も 夢へと
赤いバレエシューズ姿の女神が ....
夜、虫のこえ
秋がそこにいた
でも、まだしまえない名残のTシャツ
恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように
真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかり ....
君が君になるために見てきた世界
君が君でいるために作り続けた笑顔
そして 失ったものたち
私が私になるために受け入れた悲しみ
私が私でいるために許さない依存
そして選んだ沈黙
....
どぶ川
終わらない完璧な輪
エンドレスチェーン
3000円のパーティードレスも
キラキラする変なマスカラも
つきおとされて髪の毛めちゃめちゃ
靴をなくして歩きながら涙もでない
タ ....
葉を食べつづけた
休む間もなく食べつづけた
蝶になった
授粉を助けるよ
花は開く
今日も明日も
ヒトだった頃の言葉が
花に止まる
あ ....
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