すべてのおすすめ
たったひとつの巨木が
萌黄の葉を緩やかに
揺らしていたとしても
これらは夏風の断片ですら
あるのかもしれない

たったひとりの少女が
涙の雫を静かに
流していたとしても
これらは希望　.... ほんとうの自分のことを
わかってもらうことは
誰かをそっとこころのなかで
信じるということでした

あの日を　
僕らが生きていること
すでに静かな風が通りすぎるように
深い森林と広い草　.... ちょうど
想うことと考えることのあいだで
人間がひとしきり
随分と迷うとき
やはり優しさが生まれるのだろう
朝方の出張に備える
昨晩の夜更け過ぎには
ただ愚直に仕事に行く
考えがあるだ　.... もう部屋じゅうに
季節が終わる報せが届きます
ネットポートは再び夕空でジャックされ
きっとポケット深く携帯電話にも
微かに振動は繰り返され
むかし聴いたあの唄が
そっと鳴るでしょう
波音　.... 冷たい雨音を遮りながら
仕事帰りに紺色の雨傘は
静かに溜息をついていた
鉄道駅に着いたので
ちょうど雨傘をたたもうとして
夜空を閉じるときに
満月がみえると本当はいいのにねと
何か反実仮　.... 幼いころの古びた靴は
シャベルよりも
ずっと小さくて、
土遊びをしながら
泥だらけで夕暮れに沈んでいた。
永くて遠い春はすでに
まなざしの向こうにあって、

冬を越えるたび
軽くうな　.... 恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように

真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかり　.... かき氷を
噛み締める音が
透き通る
氷の粒の結晶は
ちょうどひかりが
零れおちるみたいに
花火の黄昏にある音のように
ころんころんと
ふたりの記憶のなかでも
響いている

ずっと　.... はす向かいから
零れ落ちる夕陽が
暮れなずむ坂みちの
眩しい道のりに
差し込んでいて
初秋の太陽に
焼かれた自転車は
夕焼けにすっかり染められて
たったひとつの恋を
こいでゆく

　.... 産まれたばかりで
まだ間もない
黒猫を拾う夢を見た
朝を迎える港で
潮騒が聴こえる

僕はその秋まで
確かに遠い港の桟橋にいた
すでに真夏が
終わる記憶のなかで
南太平洋の海風が
　.... そんなに遠くを
探すまでもなくて
最初にわかることだから
これは天空を見つめるばかりの
きっと自分のかたちをした
青空の欠片みたいだろう

何かを好きになると云うことは
朝早くおはよう　.... 裁きを待つ場所で
命を絶つことを
約束して
罪を贖う人間がいる
その人間による
真実の死によってでさえ
本当に世界の均衡なんて
保たれることは
ないのだろう
断頭台までの足跡は
た　....

ガトさんのりゅうのあくびさんおすすめリスト（12）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
真夏を過ぎてゆく悲しみの向こう	- りゅうの ...	自由詩	4	17-7-25
そっと君から信じてもらう光景に	- りゅうの ...	自由詩	22*	17-1-25
辻褄の合う伝言	- りゅうの ...	自由詩	6*	16-12-14
祈り	- りゅうの ...	自由詩	8*	16-11-16
喋る雨傘と満月	- りゅうの ...	自由詩	11*	16-11-14
たんぽぽ花粉予報	- りゅうの ...	自由詩	17*	16-3-13
林檎	- りゅうの ...	自由詩	7*	15-9-6
かき氷の遠い夏の音	- りゅうの ...	自由詩	10*	15-8-31
暮れなずむ恋の坂みち	- りゅうの ...	自由詩	3*	15-8-26
貝殻と港のある遠い夢に	- りゅうの ...	自由詩	12*	15-8-25
何かを好きになると云うこと	- りゅうの ...	自由詩	17*	15-8-23
足跡と生きること	- りゅうの ...	自由詩	10*	15-8-22

---

すべてのおすすめを表示する

推薦者と被推薦者を反転する