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忘れたものだけ
見ることができた
床に張った
埃 夕日の格子型
蛇口に残る 唇のような水
言うことができた
言い尽くしたことだけを
....
蒲団のうえ 擲たれた
かたちのパジャマ
空腹が現在形のように
堰きとめられてある
くらやみの土管
あいた土地に
油圧ショベルが項垂れている
だから、土地っていう感じがする
鉤括弧からこぼれた
月明かりが幼児にでも変わるだろう
煩い町に
ふれて
僕は 意味のまえにいた
夕がた
本をよんで
考えることを考えて
きみの眼を 思う
押しつぶした 光が
なんどもまる ....
忘れた後、
しずかに思いだした
ひかりのように笑って
銀色の並木道を駆けていく
なめらかで黒い髪の毛
もう 振りむかず、
ひとふさの歌に ....
枯木のまえに坐り
わたしは次第にあなたになる
滲む
たくさんの色たちのように
あなたも次第にわたしになるのか
河のかげにうつろう赤茶色の葉
昼の ....
よごれた犬が
私たちをみているのは寂しい
傷ついた脚を引き摺るようにして
暗く 穏やかな穴にひそむ
獣のかたちをした闇におびえる
あなたの瞳に濁るあどけな ....
{引用= ふたたび、小沢健二に。}
さよならは言わない、を
忘れちゃいないがさよならを言った
大好きな黄色い花 まだあんなにも咲いてた
馬鹿イチの公園デート
....
ゆうがたという言葉が
雨をよけて
まもなく
やってくるので
部屋の掃除をしています
日曜日、
くさかんむりの広がる野原で
ピクニックをする
あなたは適当なところに
持ってきたもんがまえを敷いて
ここに座りましょうという
おべんとうよ、と
....