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わたしたちはいつも
夜のなかで 朝を想ったし
眠りのなかで 目ざめを待った
つめたい腕を合わせながら 熱い言葉を望んだし
すれちがいざまに 永遠を願った
決してあらわすことのでき ....
どこかに、
たしかに、
あるよね。
公園の枯れ葉を這う蟻を見つめながら
あなたが言う。
どこかに、
たしかに、
なんか
あるわけないよ。
散りかけの白い山茶花を眺 ....
(この家はとても寒いね
大きな口を開けて
ぼくたちを飲み込んだこの家はとても
あの子は帰ってきてからずっと泣きっぱなしだけど
きみが忙しいってのもわかってる
指をせわしなく動かしては眼を ....
君がいた夜は
物語のように遠くなってしまって
いくつものビルが建て替わった
なつかしい詩を読み、
ぬるい水を飲み
二足しかない靴を交互に履く
平和な日記を過すうちに
こんなところ ....
雪道に残された足跡
自分がどこへ向かうのか
どのみち決まっていなかったから
足跡をたどって歩いた
同じ場所でとどまたった跡
ところどころ曲がった跡
どうしてもまっすぐになれない ....
言葉の美しさを知らなければ、この空の本当の色も伝えることができない。矛盾点を指摘していくだけが言葉じゃないよ。当たり前のことに。ただ当たり前の毎日があるだけで、幸せをかみしめてみたりしてる。
風 ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた
何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
長い眠りのあとで
あれは祈りだった
あれは、
ふるく、弱く、新しく、ふるえて、断固として、長く、みじかく、とおく、ごく近く、ギターのようで、空のようで、波打ち際で、空洞で、退屈で、さわが ....
思い出が風化した頃に
また会おう
まあたらしい帽子をかぶり
まったく別のいきものとして
北へ向かおうか
南へ向かおうか
それとも
垂直を愛そうか
わらないまま飛んでいるうち
やあ、あ ....
命を結ぶって
素敵なこと だけど
つないだ手と手はいつか離れる
永遠に
キミはもう
このさみしさのトンネルを抜けて
違う世界の違う野原で自由にやすらかに駆け回っていることだろう
これ ....
硝子に可視化された雫が遊泳した
しかし、
ときは後ずさり
物忘れに暖流を適し目撃する
ただれた味を占める、
もはや、薄暑
飲みつぶれるほどかき混ぜる。巌窟を潜る蛟
やはりいい加減 ....
いのち、いのち
いのち
つぶやけば
延びるもの
私のいのち
貴方のいのち
皆のいのち
だから
つぶやいて眠る
また明日目覚めるように
悪い人が一人も登場しないお話がいいと思った
山も谷もなく 主人公は風に靡くすすきの穂で
ささやかに生まれて ささやかに暮らして
そしてささやかに死んでいく それだけのお話
セーヌの ....
いにしえにしみついたぬくもりは、
邂逅のうちで最も深い思慕で満たす
セピア色の余韻。新月を零として数える濤声
見え透いた脅し水が染み込むように 立ち騒いだ楽音
夕餉の鐘。寸足らずのかいまき ....
浅瀬で溺れるわたしたちが
いつか 深く
息をできるように
重いぬかるみを這ってさ
乾いて 乾いて
流した涙が
日々を伝い 夢を伝い
川になったとき
この体がいるのは
優しい ....
きみがとつぜん
海がみたいと言ったから
きっと寒いよ?と言ったのに
小さく あったかいよと言い返されたから
ひとのいない砂浜が
どこまでも続いている
どこまで行くの?と聞 ....
絵を飾る
遠い砂浜
日が沈む五分前
遠くに人影が
犬の散歩だろうか
それとも
心の散歩だろうか
気がつけば
絵の中に立っている
橙色に染められて
描 ....
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽
無人の駅を震わせるピアノ
なめらかな不発弾
幾何形体
迎える身体が
どんなに拒んでも
....
そんな、
ちいさないのちの、
いきていた、にさえも、
つめたいかぜはようしゃなく、
ふきつけるのです、
あの日の津波で
何万のペンが
流されたことだろう
たった一本
生き残ったペンは
誰かの胸のポケットに
しがみついていた
ペンはまもなく
もとの暮らしに
書くものは以前と同 ....
朝
僕たちの半分は 燃え残り
がらくたを 集めはじめた
不完全なまま 笑ったり
食べたり 愛した
頂点の すこしだけ手前で
自我をもった がらくたが
誰かのかわりに 泣きはじめた ....
いつも突然訪れる
急に寒くなったり
暑い日が続いたり
予告も前触れもなく
激しい雨を降らせたり
それはまるで自然の脅威を知らしめるかのように
生温かい風を吹き付け
氷の塊のようなものを地 ....
口にすることの不思議さ
この空に 感じたものを
口にすることの不思議さ
この空に 見えたものを
助けておねえさんちょっとだけでいいから
かわいそうに虫けら。話すことできないから話してても解らない。雑音なくなって良かったね、って、にこやかに仲間うちの会話。反吐が出るね。君の事だよ。すがった手 ....
くしゃくしゃに
まるめた明日は
60兆のキセキ
あの日の、
これからの
まぼろし
くしゃくしゃの
わたしの
こころの
からだの
すべての
くしゃくしゃの
キセキ
秋も半分おわりました。
朝はもうさむいです。
夜はもう冷えています。
ついつい
長い夢をみてしまいます。
それでも
目覚めてしまうもので…
生きているからでしょうか?
枕には絡んで ....
ばらばらと歩いていると
ばらばら
というこの擬態語は
この場合使えるのかどうか
複数ではなかったが
(そのつもりだったが)
個人的にある程度ばらばらと
歩いているつもりだったが
....
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
約束がなくても
洗濯物が乾かなくても
希望を持てる明日が好きだ
ノートの最初に
名前を書く時のような
力が溢れて泡になる
明日になれば
それまでの記憶を捨てて
また何かを拾える ....
関係者すべての電話番号
メールのやり取りも、すべて消して
何処の誰ともわからぬ身分で
ふわっと次に行けよ
オマエの研鑽も
達成も
業績も
全部白紙で実 ....
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