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せかいをあげるよ
そこできみはひとりぼっちになる
おもう存分たのしんでおいで
証拠を残したくなくて
歩いていた足跡を消していく
物語のように生きれたら素敵だよね
あの哀しいストーリーのように
地下鉄のアナウンスを
白い波のようにやりすごして立つラインのうえ
共通語の素質なんて、
たぶん欠片もない言語でわたしたち
今もまじろうとしている
(かじりもせずに
舌先を触 ....
{引用=きみがそうしている間に、またたく間に、陽はおちて闇になる
傷んだ毛先だけをきるように
きみのことも切り落としてしまえたらどんなにいいだろうか
睫毛にかかる前髪がもうすこし伸びたら
....
ダビングしようと
君はいった
それはとても
素敵な提案に思えたけど
僕たちは
ダビングすべきものを
なにも持ってはいなかった
だからふたりは
ちょっと高価な
ビデオカメラを買って
....
眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる
そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう
見送るつもりが
見送られているのは私たちですね
....
ちりんちりんと風鈴が揺れる
見上げる空は雲が多くて
うとうとと眠る肌に
風が静かに滑っていく
夢の入口で
君がさよならと言った気がした
強い陽射しの中で
弾むように雨は降り
君を追 ....
ねえ
もうためらわずに
道路のまん中を歩こう
必要性に応じて生きている
大人たちの叫ぶ声で
雲の影は去った
君が泣かないために
氷砂糖と毛布を買って
家に帰るけれど
本当は、君の好きなものを知らないし
そもそ ....
いつもの席に君は現れない
私はふらふらと視線を向けながら、
その後ろの後ろの席に着いた
{引用=
・・・は、一つの核となるタンパク質に、一本、あるいは多数のグリコサミノグリカン鎖が結合して ....
二人で海に行ったのは
あれが最初で最後だった
二人で並んで堤防を歩きながら
貴方は地平線を見て
遠いね、と笑い
私は貴方を見て
遠いですね、と笑った
貴方の涙はきっと
この ....
ひとつのラブストーリーがあった
誰にも聴かれないような
そんな密やかなものだった
聴きとれない英詩が
ただ流れ続けていた
その中で
"love story" ....
日曜日、
くさかんむりの広がる野原で
ピクニックをする
あなたは適当なところに
持ってきたもんがまえを敷いて
ここに座りましょうという
おべんとうよ、と
....
グレープフルーツ3個目食べる
お先真っ暗もどん底も気のせい
毎日手探りで明日が来るのか分からん
生まれてこの方ずっと下り坂で底が見えんからどん底知らず
女の子たちが泣いて喜ぶプロポーズ ....
私は見つめた
考えているとき 私は
私の体を世界全体として強く見た
きっと それは 見えない 感覚だ
異国に旅立とう いつも
伸ばしていく 私は この指先だ
語ろう 私のことを
....
きみはキッチンに立って
フライパンで喋りはじめる
押したり引いたり
きみが規則正しく振るたびに
フライパンが言葉を紡ぎだす
それは、
「美味しいですよ」とか
「残さず食べてね」とか
そ ....
大すき
大すき
大すき
大好き!!!
かわいいって言ってくれるの君だけだよ
だから大好き
って私も調子いい奴だ
しとつく雨のなか
ふたりで歩いたキャットストリート
ぶらぶらぶらぶら
久しぶりに会ったあなたは前会ったときとなんにも変わっていなくて
顔を見たら何だかほっとした
心の糸が一本緩んだみ ....
*
まるで
僕たちのことのような
そんな歌を聴くと
嬉しくなったり
戸惑ったり
そして君に
ただ逢いたくなるんだ
無計画のまま
何を話すかなんて
何を食べるかなんて ....
拍手を
拍手にしておくための
拍手がある
満員の、コンサートホール
息遣いを
息遣いにしておくための
嘘がある
僕が僕であるための生き方を
僕が僕であるための生き方に
しておくために ....
コンビニの
100円スイーツを食べて
心に膜を張る
むき出しのものに
触れないように
誰のせいでもないことを
誰かのせいにするみたいに
のどがかわいたって
いつも用意されている
....
電子辞書たちに至言はなく
足りないものばかり、あった
セカイ
曇り空には
未だ一つの解釈も与えられない
空腹を
脳が発信するかぎり
食う
食われる
何か素晴らしいものに
なりた ....
指差し指差される
射線の
間をぬって孕む
生まれたくない僕を
生みたくない僕
/埋もれる
街が、降ってくる
人人の声、
靴あと
僕が僕である前に
つきつけられた無用/
本 ....
家の中で一番大きな窓に身体が映る
わたしの本当に美しい姿は
ピアニストになり損ねた青年の指にゆっくりと裂かれるとき
離れていく右半身と左半身が完全に分離する寸前に
皮膚が結露に触れて濡 ....
世界が声を失くしても
消えない音符と手を繋ごう
脳が奏でる
たった一つの音楽
外国語よりうんと近くて
私が使う日本語より
少し遠い言葉達
その歌の中に自分を見た
その人 ....
最初に論理があった。
そうして逆さまに
雨は降った。
レース飾りの白いおんなの子が散って
発生成育は繰り広ぐ
くちびるを誰で染め上げた
誰がこの子を赤く汚した
(見初めたのが間違いでした)
....
あおいで薄紅をたおれこんだあなたの
その首筋の白いことよ
はらり落ちる桜がまたあの日のようにつめたければいいのに
ほおにうでにゆびさきにべっとりとついた雨をあらい流して
春の香がよんで ....
君の手のひらの
大きさと
あたたかさと
少しの戸惑いが
わたしを少しだけ
女の子に
してくれたよ
銀の白
白の銀
――白銀
冷たい空気が身を切って吹き抜ける
言葉を放てば
それがまるで
意思を持ったかのように
白く淀む
風と共に走る
遅れて確かな足音が
心地好く耳に ....
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