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ぽつぽつと飛び交う
耳障りな羽音
乾き損ねたコールタールに
再び水を打つ
門をくぐれば
生臭い土の香り
産まれ朽ち
吸い上げられる
老いた桜の木は切られ
残った切り株から
....
夜の闇は
匂いもしない
蒸す様な
炎帝の立つ季に
未だ何も思えず
惑ったままで
場所も移り
人も変わり
風さえ吹かぬというのに
未だ
何も思えず
ただ
立ちすくんでいる
限り ....
{引用=「右手と左手のための協奏曲」より}
なだらかな起伏を描く丘陵地のどこか
太陽と雲が作るまだらを貫く
優しい国境
沈黙の春は だく足で ....
鈍いかなしみに
ぺっとりと
貼り付かれ
私は地べたに
呼吸を預ける
地べたが吐き出す
私の呼吸が
再びこの身体に
宿る頃に
私はやっと
本能の位置へ ....
青い糸は政府専用の糸だから切ってしまう
そんなこと言ったって
道路は糸電話の糸であふれかえっているし
不自然な形で投網まで紛れ込んでいるからな
こんな偽装はもうたくさんだ、腹立たしい
と言っ ....
光りをみたんだ
彼はきっと
憎悪と懺悔と悔恨
光りがそれを包んで
ただ真っ白な情熱の世界だけが
彼の眼を眩ませて
時には深い溝に落ちて
時には人に優しくなって
時には野良猫にえさをあげ ....
- 救いのない世界から
- 足を洗うことなどできはしないよ
- あなたが誰かを抱いたところで
- あなたは世界に残るだけだよ
自転車置き場には
ネコの親子が住んでいて
子猫はとても ....
溢れてしまいそう
溢れさせておけばよかった
もう周りには花は咲いていなくて
指に触れる砂 ざらりとした 痛みの粒の
溢れてしまいそう
溢れて 咲いてしまえばよかった
....
騒がしい教室 その隅で彼女は笑った
そして泣いた また笑った
鈍い音 張り裂ける声
群がるアイツラと傍観者のアイツ
そして・・・の声。
帰り道彼女がいった「螺旋階段って何処まで続いてるんだ ....
千本 の 針を
つないだ 蒔絵
朝焼け に溶け出す
真っ暗 な朝
骨 の 隙間に宿る
鈴 の 声
つながれて
つながって
心 に まみれた
火傷 のよう ....
いつもいつも瞳で泣かずに
手首で泣いている夜があった
手首がチクチク痛み出す
だからあたしは滴るそれを舐めてみた
鉄の味 錆びたスプーンのような味
それでも止まらず
あたしは手首で ....
くちびるから突然漏れる息があって
今ぼくがそれを名づけるから
太陽
坂道を自転車で繰り上げてゆく
いつまでもうしろをからっぽにするために
風が残ってしまいそうな零時に
目が乾いて仕方な ....
閉ざされた空をこじ開けると
夜だった
これはもうするしかない
赤い花びらをそっとめくって
またはひらいて
潜り込む黒い蜜室
いつまでも潜ったままで
星々の干渉から逃れる
ああ 断絶 断 ....
宵の一時を
犯罪者のように過ごしている
白い道に恐怖している
笑いながら逃走している
善良な言葉を大事にしている
取り戻したかったものを
常にもっている
音へと変わる木の影の道
風がそのまま過ぎ去る道
やわらかく目をふせ
空あおぐ道
遠さと遠さの間は濡れて
縦の緑は震えている
北の星と朝焼けは消え
光はかすかにたどり ....
強く光る
そして逃げる
光はわたしに残像を見せ
ここを去る
弱く光る
すぐに追う
光はわたしに根を下ろし
うねって
きえて
ついて
わたしを白くする
そこから逃げてしまいたい心は
きっと次の街からも逃げ出すでしょう
永遠に次の街を求めそして逃げ出すのです
永遠とは輪廻のことです
ふりだしに戻るのです
もっとも醜い鬼がやってくる
....
痛いのはきみだけじゃない
ナイフが肉を抉りながら言う
ぼくの死は無駄じゃないよね
血が空気に触れて固まりながら言う
ああこれでもう誰にも着てもらえない
シャツが真っ赤に染まりながら言う
....
1秒にも満たない
光りの震えに
たましいは清く
熱の涙を僕に
もたらした
それと全く
同じ瞬間の中で
たましいは卑しく
多くの打算を僕に
急がせる
そんなた ....
壁、壁、壁、の、コンクリート、の
暗澹へ、暗澹へ、暗澹へ
投身する風の、その跡形を独占する為
すぐさま雨が投身する
同時に見えるも僅差のあるそれらの自決を
私は、右目と左目で悼む ....
擬似記憶を植え付ける
あらゆるモノの攻撃から
真の記憶を保護するために
どれほど酷い尋問も
最先端のセンサーをも
擬似記憶は跳ね返し
脆弱な 剥き出しの心を護り抜く
バリアは鉄 ....
千人の戦士が
私の靴の下で戦っている
靴底と地面の隙間で
しがない主を護るために
千人の戦士が
戦い敗れ 斃れ
最後の一人までが消失した時
私の歩く道が途絶える
前に進めず ....
幾分か重いものを愛した この身体は幾分か重く 逃げようとしているものを まるでわざと逃がしているかのようだ 放牧場で ひつじの群れを遠くの山の方に追いやりながら ぼんやりと走っているのは 忘れられた ....
傷つけたいと思うと同時に
私にしか癒されない君を見たいと思う
壊す
直接手を下すので無く
内側から
自壊させる
パラパラと零れ落ちる
君の破片をすりつぶして
....
どこに潜んでいたのかと
思いあぐねるほどのひどい雨だ
駐車場までの短い距離に
傘を開くのも躊躇するほど
水は素直に低きを選ぶ
アスファルトの起伏は今や
世界を勝者と敗 ....
鳴きちる鳥の満ちる朝に形が満ち
形を得た形たちを再び濁らせゆくのは
千切れけぶる花の煙
それは なれの果てではなく
気が遠くなるほど緩やかな横溢
浮かされ翻弄されているのは
....
磨きたての線路が
最初に摘み取るのは
車輪が裂いた
誰かの手向ける
紅い花
深夜二時
時計回りの線路研磨車
棺の中を流れるような
排気をもらす構造は ....
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