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たしかに
心を喰った
俺はそう答えた
涙を呑む灼熱が、そのとき
みずからの渇きと潤いになった
うすきみの森の猥雑なアナタの
調べもそこそこの無口とネジと
葉をあさる蚕と高層ビルの気炎と
靴音と希少動物の薄軽い皮カバンと

化け猫と

嘘の煮物と酒蒸しと
左右で下 ....
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた

折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた

ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めす ....
ふと気がついたら壁の中にいた
床を歩こうとしても体が動かない
空間の中には入れないらしい
壁伝いに移動するしか手段がない
空間を斜めに進みたいときは
縦と横の二つで動かなくてはならない
体 ....
遠鳴りを
たずねてゆびは
更けてゆく


 傾き、
 あざむき、
 なき、みさき、


橋の向こうを告げられぬまま
こころもとなく
火を浴びて

頑なに
待ち人の名を ....
興味のない話の中で 孤立する
表情を失った 笑えない自分が そこにいる
凍りついた心が キシキシと泣いている
聞こえない 届かない
退屈な会話は 続く 延々と
目は 遠くに
心は どこかへ ....
とある砂漠に
突き刺した旗の下で
頭上の光点を避けていた

そこら上に転がっている
何かの動物の頭蓋が
何も言わずに私を見つめていた

砂の匂いを孕んだ風に
私は何を載せればいいのだ ....
午後五時ちょうど
わたしは両足をひらきます

まぶたの向こう側で
色落ちた石壁に描いたあの人の姿が
ため息に吹きさらされて
薄れてゆくのを眺めます

そのたびに
西の空から一斉に
 ....
聳え立つ信仰と言う名の神殿で
愛と言う名の太陽が沈むのを見た
未来と言う名の塔が崩れるのを見た
鬱屈するこの魂を
二度と戻らぬ陽光が
さらに踏みつける

切望と言う断崖から臨 ....
脱ぎ捨てたシャツには
汗の匂い
それはそのまま
あすへとながれて

うっすらと
口づけをもとめる
よるの首筋は
片付けきらない部屋の
すべてを横切り
とけてゆく


 ....
鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ
 ....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて

太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
不安が胸に 落ちて来て
目を 覚ます
どうしよう どうしよう
真夜中に 立ち上がる
暗闇の中を 歩き回る
狂気が 目を覚ます
遠いところで 正気も目を覚ます
ゆっくりと ゆっくりと 
 ....
創造者よ

許してしまったのか

人が腐ってゆくことを

もう厭わないのか

地球まで犠牲にしていることを


何世紀か経てば

瓦礫の山の中で

誰か
 ....
言葉に溶かした微かな薬
甘く香ってすぐ消えた
だのにどうした訳だろう
僕の胸が痛むのは
”いっぺんの汚れもない”なんて純白が
似合うはずもないことを
よおく よおく 知っていたので
貴方がよこした手紙のはじめが
どろや 食べかす 
他の人の存在で 彩られていても
私は
とん ....
凍えてしまえば
つもるものに
かけられる冷気にも
なれてしまって

記憶をなくしていくことだけが
自分へのやさしさ

ぬくもりにさえ 気を許さなければ
白い唇のまま 冬に 終えたのに ....
エアー、夏のように
薄い服を着たあなたが
少し口を開けて
世界とつながっている
あなたの唇も手も皺に慣れましたね
前より縮んで
それでもまだ懐かしい

エアー、吸えるものは
たくさん ....
日差し
西側に深く傾いて
水平線の手前
あの焦燥の中で
握る掌は粘って
開くことを引き止めた
私はその時反対側の手で
スカートの裾 
飛沫が掛かるほどに
石を投げ込んで
あかねを表 ....
白雪が溶け        雫となり        川に流れ       岩岩を削り        石を流し        魚に       苦難を与え        最後には        大河の一 .... 自らの過剰な装飾。
ほらいつだってね、思い通りのイメジが。
流す涙はそれすらも幻燈機械だよ。

きみが僕のことなんか省みもせずにね、作り上げていたもの。
つくりあげられたイメジは不恰 ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか

月はやっぱり見えなくなる

世界から消えようとす ....
彼はそこにひとりでいた。しかしそこにいたのは彼ひとりではなかった。
その屋上プールではたくさんの人間が半裸のまま死んだ魚のように浮かんでいた。
それは誰かが水中に劇薬の類を流しこんだからに違いなか ....
扉が開く
扉が閉まる
最後の客人が去って
君の誕生日は終わる
ソファーに残ったやさしい温もり
弾けないピアノ
吸えないタバコ
ところで
光より速いものが存在しないのならば  ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
冬は、しろく息が砕け
朝を浴びて目の前をただよっている
今どこかで
開かれた窓に
外が流れこみ
人に触れた渦が加速して吸われ
熱をうばい、いのちを呼びさます

冬は、空がひびきあい
 ....
誰かが扉を叩いてる
今の私では
私からでは開けられないので
そっとその扉を開けてほしい
本当はそれではだめなのは
わかっていることなのに

誰かが扉を叩いてる
いまの私では
私からで ....
笑ったらいい

空虚のなかに立ち尽くし 何も掴めない僕を

好きなだけ笑ったらいい

怒りなんて覚えないから





笑ったらいい

暗闇の中を彷徨い 何も見つけられない ....
その少年は無垢なようでいて
染まっているまたは染めあげられている

もうずっと前に
そうだこの子の歯が三十二本あたらしく
生えそろった頃に
俺はあの
沢山の水とほんの少量の油を入れたでか ....
キクチさんの自由詩おすすめリスト(1317)
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冬は、しかし失われ- soft_machine自由詩9*07-2-18
誰かが扉を叩いてる- ぽえむ君自由詩10*07-2-17
笑ったらいい- 自由詩307-2-15
少年は病的に解放する- 水町綜助自由詩7*07-2-15

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