すべてのおすすめ
真夜中の詩人が歩き出す
まだ眠らないのは
月も星も眩しいから
銀色の煙が美味しいから
愛だとか傷痕だとか
嘲笑を抱えて孤独を彩る
真夜中の詩人が歩き出す
聞こえているか?この詩が ....
東京が 自殺した
新宿南口JR改札前 高架
整列する雀
凹む電線
ガードレールにとまる女 白く。
瞬く横断歩道
歩行者用信号機が青に変わり
かちり
盲人用信号がボタンを掛け合 ....
空の下には雨中がある
大勢の僕らは包まれながら
漂うばかり
支えるものは見つからなくて
あちらこちらへ、くすぶりながら
時々にはぶつかったりする
足跡ばかりが目立つ夜は
いつだって水 ....
雨が止んだそのまま
空気は僕の肺で湿りながら撫でまわして、くぐる血管が霧を食べる
さっき女ともだちに
意地悪なメールを送った
送らない方がきっと
あの女を苛立たせる
あまりに一般的な
妄 ....
不思議な色の蝶々が飛んでいる
それは輪郭の曖昧な
色彩だけの蝶
夜の透明な影を磨く
電灯に錆びた灯りがともり
ナイフが鈍感に尖り
どこかで
海が泡を立てながら
消えてゆ ....
全ての窓から水が溢れ出し、流れている。
交差点
2本目のシグナルへ向かう 水群と、
4本目のシグナルから来た 水棲群(もう、繁茂している)は
光換することなく。
道、 ....
午前四時
遊泳をやめない夜
銀色に溶けて
静かに生きた
連続する人の群れに
並んで
あなたを探している
あなたという名の人は
存在しないけれど
忘却の跡地に
染 ....
赤い鏡の世界に意識をとばすと
幼い空気と目が合った
昇ってきた階段の ....
{引用=
暗闇に幼な児がひとり。恐くても、小声で歌をうたえば安心だ。子供は歌に導かれて歩き、立ちどまる。道に迷っても、なんとか自分で隠れ家を見つけ、おぼつかない歌をたよりにして、どうにか先に進んでい ....
褪せた街に似合う青い蛇のようなものが夜、落雷のように足元をするり抜けていった。「早いよ、早いよ」と、遠い声。ネオンの西新宿に降るか降らぬかの小雨に湿り髪の毛のぼくが、古ぼけたコンクリートのビルが濃くす ....
夜は
雫を運ぶ
こぼれ落ちる
白い小粒
背中から墜ちそうになった
平行ではいられない
夜は
漆黒の中に有って
そそる姿
寄り道ごっこがもうすぐ終わる
無数の冷たい針が
多 ....
僕はまた
誰の子も生まなかった
柔らかい壁は崩れ落ちた
降り積もった雪を一番に汚した
死んだ一粒の卵が
そっと雪の中に消えた
誰の子も生まなかった
僕はまた
線は線に縁取られると形になる
あるいは輪郭と呼ばれても
わたしたちは先に生まれている
そのことはいつも
部屋の中で動かずに考えるべきであろうことを
わたしは知っている
いつもぶち当たる ....
目を 凝らしても
何も 見えない
穫り入れの 済んだ
果樹園
の 翳り
もう
崩れる 積荷
の 無い
軽トラック
の 傾き
目を 凝らしたら
余計 見 ....
沢山の肌があって、沢山の息があって
電車の水疱まみれの窓硝子は、耐え切れず、つつ、と、壊れた
そしてまた、つつ、と、何度でも壊れた
沢山の肌があって、沢山の息があった
私わかってい ....
君を抱いても
終わりがないので
次の日曜日
殺人しましょう
生きている意味を
見つけたいなら
忘れるだけじゃ駄目
対極を見極めること
対極を見極めること
ぬるま湯な恋には ....
将来、
明るい展望があるかだって
ただいちど
めのまえが明るくなったのは
殴られたときだね
とじてるんだかあいてるんだか
判然しないねぼけまなこも
こう、くわっとひらくのは
死 ....
沈んでゆく まま
煙る 山の稜線に
つながれた 足首
舐め 影 さすり
行けども 喰らえない
案山子の ぼうふらに
低く うめき ひそむ
まだ 試した事のない
....
1
白く華奢な腕を振り
裸足で駆ける可憐な少女
誰かに似ている少女の笑顔
いつかどこかの夢の話
2
電話のベルで目覚めた朝
寝ぼけ眼に受話器を取る
電話の男は慌てて言う
「素足 ....
服を脱げ皮を剥げ
筋肉と脂肪を取り除け
骨を砕き血管を剥ぎ取れ
心臓の鼓動も止めろ
目も鼻も口も切り取れ
そうして最後に頭蓋を開けろ
自分はどこにいった
空高く飛翔する鳥に
安寧の夢を重ね
欲望の地べたに囚われている
俯瞰で死ぬのは結構なことだ
いい自殺とわるい自殺を引き算して
割れた反射鏡にぶらさがってる俺の首から下
生きてるかもしれない小便をかけてくれ
化学物質漬の ....
高速道路の下で猫が一匹死んでいたから
ラムネ水の泡はあふれて
誰かの右腕に落ちた
こんなときに聞こえる音は
芯をえぐられた風の音で
必要な季節を呼んで
....
ミギ側の偏頭痛は
大切な何かを
特種である何かを
忘れえぬ何かを
自然たるべき、何かを
得られる信号で在ると、信じて居る
だのに、俺には、未だ
ヒダリにしか、響か無い
....
君の声が遠くなっていく
チョコレート色の乾いた土を踏んで 怠惰の流れに乗った
宇宙服を着た看護婦も鉄のヨロイを着込んだ犬も居た
僕は旅に出るのだ
強く思い込んでから吐き気がするほど歩く
つま ....
風の音。わたしは平野に立つ。西の空は錆びた色をしている。
離れたところ、陸橋に車が列を作って走り去る。月が風に揺れている。風の音が、遠くの車の音が、わたしの耳の中の音が、入り交じっては、かき消さ ....
午後十一時三十分
新宿発江ノ島行き最終電車
ひとりウォークマンで
ジプシー音楽を聴いて笑っている
(帰る家などどこにもない)
モーニング
レズビアンは美しいか
旭があたる
アウトデッキで
珈琲を飲んでいる
リーモーガン
JAZZをきかなくなってから
久しい
....
劇的な何かを求める手が 疼いている
狂人が溺死する海の底
カニの子供らが戯れる腐敗した目玉
青い光が透きとおるように漂う
沈黙した時間
ふいに現れる不吉な影を横目にして
ふてぶてしくペッと潮を吐く
1番むつかしい年頃のこの貝 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44