かなしみ
松本 涼
鈍いかなしみに
ぺっとりと
貼り付かれ
私は地べたに
呼吸を預ける
地べたが吐き出す
私の呼吸が
再びこの身体に
宿る頃に
私はやっと
本能の位置へと帰り
既に
乾ききった
かなしみを
パリリ
と剥がすのだ
自由詩
かなしみ
Copyright
松本 涼
2004-07-19 21:03:09