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北の空
灰色の雲
これしかない
という不安
コンドーム
の懐のような舞台
雨が降るかも知れない
画家たちが思案する
すぐ止むかも知れない
....
遺跡を過ぎる径
蜘蛛の巣と青空
夜へ向かう色
霧のなかの無数の手
冷えてゆく鉄の音
水滴の音に重なり
今は居ない民族の
祭のように響いている
ルシフ ....
十一月十八日 江戸 秋葉原
野次馬たちの視線を七色に乱反射させ
聳え立つは巨大なギヤマンの壺
その目もくらむ頂上の 縁を走る 影二つ
永久脱毛された花魁姿のゴリラ
追いかける血まみれの巡 ....
わすれそなこと
わすれへんて
ようゆうわ
ひらめいて
これやがなゆうて
さんぽやった
な
加速度て
正も負もあるんやな
わすれたいこと
わすれへんても
ようゆうわ ....
薄いヴェールを剥ぐように
私にしかみえないものを探
している。私はどこにいる
のか。既知の街が未知に見
えるほどこの手に握りしめ
た切り札は擦りきれてボロ
ボロだ。この街はいつも雨
に濡 ....
陽射しの下に
人が集まって
笑いが起きる
日々の小さなグルーヴを
ありがたく思う
そんな大げさな話ではないけれど
たとえば
心無いものと出会って
戦士は剣を抜き
心優 ....
平凡であることは難しい
目立たず
人並みで
静かな幸福
それはおそらく
種の存続をかけた
ひとつの才能なのだと思う
ヒバリの翼が目覚めた日
空ゆく雲は祝福して座を明け渡した
囀る声も高らかに
大きな舞台を謳歌する
揺らぐ柳の影は濃く標され
その枝は優しく枝垂れる
薄桃色の花吹雪に霞む路を
黄色いカ ....
――雑草という名の植物はない
そんなこと言ったの誰だっけ
道端の小さな命 見つけたあの子
遠い昔のあどけない幼子
今はずいぶん大きくなって
片手には重たいかばん
片手には本
難しい顔して ....
ながらスマホを駅員さんに注意されている人を笑みを浮かべなら動画で撮影している人が後ずさった時にぶつかった相手が暴力的な方面の方でひと悶着起きそうだという空気が周りに漂い始めてからその方と舎弟的関係にあ ....
テーブルに前歯が
激突して以来
目が少なくて泣けない
浜辺では泣けるのに
だし汁をとって飲んでは泣く
海猫が遠くで鳴いて居る
マーダー(殺人)事件は近すぎて
テーブルにはマークが記される ....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて
手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです
あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
あと何分で着くのか
うなじに尋ねる
水辺で死ぬ と
予告されたひと月前
の雲を抱えている
やさしい人たちが
みんな一斉に
難民になる島で
私は呑気に
ひたすら食器を洗った
....
秋の横顔は
暮れる空を向き
旅立ってゆく鳥の影を
ただ見送っている
あなたも早くお行きなさい
手遅れにならないうちに、と
バスは来た
回送だった
けれどいったいどこへ戻るというのだ ....
白い湯気が十二月の肩をやんわりと叩きます
あとでお疲れ様でしたと
家内の肩でも揉んであげようか
大晦日が近づいてもゆっくりとしていられず
首から上はいまも世間に見られている気がする
....
仕事もテストも駆け引きも
さいきん連戦連敗だ
もう少し若ければ
人生を投げ出してしまいそうなくらい
生きてきた自信かごう慢か
叶わないことに慣れてしまったってことか
....
安心やよろこびというものは
じつに居心地のわるいものだ
だから不安にもなるのだろう
不安や悲しみというものは
だれにとっても心地いいものなのだろう
だからいちいち
....
伝えようとした
なんども 白い指先が
――風のすべり台
すばやくくぐって
冷やかさ
保てず
触れるや否や
潤みほどけ
数えきれな ....
後何日かなと考えていたら
悲しくなっていくよね
僕の命
そして生まれてくる命も必ずあって
輪廻転生も捨てたものじゃないと思えば
この世界はいつも忙しい
ここはひとつ何もかも忘れて
詩 ....
わたしはきみに
食べものをあげたい
それもできるだけ
おいしいものを選んであげたい
おなじ食べものなら
おいしいほうがいいもの
すこやかなカラダに役立ったり
役立たなかったりしてもいい
....
て・き・べ・ん
邑輝唯史
丁寧に入れた人差し指を肛門の中でくねくねさせて
気持ちいいものだと思っていたら
息を吐いて次は息を吸って言われて
これはもう陣痛 ....
眠れない夜には
好きだった歌を口ずさんでみる
眠れない夜は
無理に眠ろうとしないで
夜がふけていくのを楽しんでみる
明日が辛いからって 眠らなくても大丈夫
なるようにしかならないんだから
....
からだをさかむけて
ゆうやみを聞く
このさきにそらが
あるとして、
だれも届かないとしたら
空はだれのために
くれている
すきだった
ものの名前を
おぼえている順に忘れていく
....
時間を浪費している間に
命は光の速さで過ぎてく
派手なイベントなど
必要ないとわかった
もはやここにいて
呼吸していることがイベント
あちこちに旅したり
豪華な晩餐もいいけど ....
楽譜は記号じゃなく
文字だと思う
この音とあの音でお願い
ここはできるだけ優しく
凪いだ海みたいにそーっとそっとね
それから一気に爆発して
あとはとめどなく雪崩れて
最後 ....
世間は
いい人縛りになりがちで
気がつくと呼吸困難
嘘がつけないと
嘘つきによって裁かれる羽目
でも魔女には喜んでなるさ
何か信念があれば
姿や呼び名は何だって同じ
....
まさか 未来が
いま決まったのですか?
まさか 言葉が
あれで黙ったのですか?
まさか 喜びが
昨夜で最後なのですか?
まさか 家族が
家族でなくなるのですか?
....
続けることに意味があるんだ
上手いとか
下手だとか関係なく
好きなことであることに意味があるんだ
いくら上手でも
嫌いだったら続ける意味なんてないよ
それ以上 上達することもない
世の中 ....
うそつきで軽薄で
また、いい加減で
仕事が長続きしない
have a good life
have a nice day
透明な、透明な自分が
日銭、また日銭
ここにある体 ....
払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい
リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中 ....
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