「Wさん、新しい靴良く似合いますね!良かったですね。」

 廊下の手摺りを伝い一日のほとんど徘徊なさっているWさん
 たいてい誰かの目に、その姿は見留められていた
 彼女に言葉はなくても
 ....
狂った磁石をバッグに詰めて
スニーカーの紐をキツく締めたなら
寂びれたこの街を出よう
何処に行くかは解らない
あの虹を求めて出かけよう
明日はきっと晴れるから
そこはぼくのParadise ....
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で

そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
なんて役立たずなんだろう僕らは
僕ら以外の全てに対して
この夕刻、

しずかにして斜光射し
木々の茜に染まり

ゆらゆらの揺れ

気の冷涼の蠢き精妙に
包み込まれる心の安らぎ

とおくとほく

すきとほる青の高み
広々響く中有の音 ....
シンプル
にする方が
難しい
けれど
たのしい五行歌




それぞれの
世界があるなあ
かけがえのない
その世界



進むために
立ち止まり
思う
あと ....
 「今朝の朝礼の申し送りで、Kさんがまた、夜中に
  Tさんのベット部屋から出てきたやろ。」
 「この間、Eさんとこ行ってたんと違うの?」
 「掛け持ちしてるんちゃうか?」
 「八十歳やで!… ....
「次は中継です、山崎さん?」
「はい、私は今、国道49号線沿いの
 ドライブイン跡地に来ています
 後ろに自動販売機がズラリと並んでいますが
 この中に変な物を売っていると
 SNSで話題に ....
引っ越してきたばっかりなのに、
ほら、ここは、神さまの家に近いでしょ。
さっき、神さまが訪ねてきたのよ。
終末がどうのこうのって、うるさかったわ。
だから、持ってた布団叩きで、頭を叩いてや ....
○「センサーからやられる」
今朝は寒い?
とワイフがよく聞くようになった
年を取ると
暑さ寒さが
わからなくなるようだ

○「SNS犯罪」
親が
悪いやつらから
我が子を守れなくな ....
 老人ホームの裏庭の金網フェンスに取り付けられた鉄の門
 その下の開口部をくぐり抜けて道へ出る三毛猫

 「おはよう。朝ご飯もらえたの?」
 「やあ、おはよう。うん、今朝も猫ミルクとキャットフ ....
蟻を踏み 瓜を食む
 夏の熱 まどろみ乱れ

毬を持ち 森を見た
 月の角 しじまに白く


きみといた うたかたを
書きとめる すべもなく
こころ満ち また欠けて
十六夜の 膝枕 ....
風の吹く草原で空を飛ぶ練習をしていた
ホップ ステップ ジャンプ
何回も繰り返すと
徐々に身体が浮かんで
やがて風に乗って飛べるようになった
風は涼しく清らかで頬をなでていく
それを餃子屋 ....
早朝 外は一面の霜

暖炉で部屋が温まるまでに出ていかなくちゃ

凍えた鉛筆を少しふるわせて
横になった君をスケッチ

しょうもない僕を好いてくれた君の
ため息は漂ってすぐ消えた

 ....
かねてから
懸念していたことが
懸念していた通りに
それでも
助けたい

風船が
萎むように
あっという間
また
膨らまそう

人生は放物線
って垂直落下
してるでしょ
 ....
未明から降り始めた雪が
台所に積もっている
牧場の色彩を思いながら
わたしは冷たいサラダを
二人分作った

あなたはリビングで
新雪に埋もれたまま
詰将棋をしている
本を見な ....
はやらないことはやらない琴線の

ことはことばかわからない
じゅげむじゅげむ
なんとかなるさ

にんげんだもの
しらんけど

男雛女雛
ならびて透る緋毛氈
右近左近、たちばなさくら
今 ....
はらはらと降る雪は
積る処がなくて
群青の波に消えてゆく
紡いだ言葉は幾重にも
続いているのに
ヴェランダをはじめて見た時
その美しさが怖かった
風の流れがそこだけちがい
光あたりも微妙にちがう
犬がおなじ犬とは思えないくらく白い

あの、人工芝とはなんだろう
ガレージって一体なん ....
ここ数日で失った総熱量が
まもなくプランの上限に達するという通知は
私の視界のすみずみまで霞ませ
内蔵が熟れた
あけびの実のように黒ぐろと蔵種した

発熱で疼く思考の芯を
地下で砥がれた ....
 前略


昨日曇のち灰神楽
静かな凧あげ日和

腰のお加減如何

本日未明より流謫
星は晶となり積み

手元不如意につき頼む


 草々
 「はい、どうしたんですか?Iさん。」
 私を手招きするIさんの車椅子へ
 膝を折り目線を彼女より低くして寄り添う

 舌が上手く回らないIさんは
 口籠もりながら優しい目をして
 お風呂 ....
感覚残滓打ち捨て
永久なる霊性神性に
向かう更に高き魂の
担う思惟、水晶の如く
透明にして
生み出す熱き感情帯び

延々と艶々と
のびやか伸び広がる
透明な浜辺に
思惟の力動ひたひ ....
赤は皆にとって
ぼくの赤と同じ赤なんだろうか

白は皆にとって
ぼくの白と同じ白なんだろうか

青は皆にとって
ぼくの青と同じ青なんだろうか

黄は皆にとって
ぼくの黄と同じ黄なん ....
春の雪の
降ったそばから
解けてゆく
悲しみ
愛に変わる



にっこりする
魂という
命は
光る風に
戦ぐひとつの影


 ※ 戦ぐ=そよぐ




変わ ....
過疎化はしていないけど
もっと地元を盛り上げたい

地元のものを使った
アイデア料理募集すれば
たくさん集まる

驚くようなアイデアや
今あるものを
アレンジしたり

地元を盛り ....
 冷たい風で日の差す路面のアスファルトに
 一台の車の走行音も乾いている

 道の向こう側に閉まっている施設の大きな鉄の門へ
 毛繕いしながらチラッと目をやる
 サバトラ猫の鈴ちゃん

 ....
ゆめからさめようとするとき
ひき潮のけはいがする

現実にうちあげられて
そういえば
さくばん黒い虫をころしたことなんかをおもいだしている
永遠に置く不毛なことの筆頭にかかげよう
今日が ....
 「新館の二階、また部屋替えあるみたいですね。」

 相部屋なので、入居者同士の相性の問題が生じてくる
 「もめてんのよぉ、永田町。」
 「また××さんと△△さんの派閥ですか?」

 旧館 ....
生まれながらにしてある
自由は
自由とは思えないのだ
自由は
勝ち取ってこそ自由なのだ
生まれながらにしてある
幸せは
幸せとは思えないのだ
幸せは
築き上げてこそ幸せなのだ
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
鏡像(13)「脱走」リリー5*24/3/9 21:26
彼方へレタス4*24/3/9 21:21
はるびとsoft_m...11*24/3/9 18:56
残寒かち1+24/3/9 18:03
この夕刻ひだかたけし524/3/9 17:57
※五行歌 六首「一輪咲いて実る」こしごえ4*24/3/9 17:06
鏡像(12)「えええ……。」リリー3*24/3/9 14:39
全自動販売機イオン2*24/3/9 14:32
鳥籠。田中宏輔12*24/3/9 11:48
独り言3.9ホカチャン3*24/3/9 11:23
鏡像(11)「暗い部屋」リリー3*24/3/9 10:47
鈴絃──いつか誰かが書いた詩ただのみきや3*24/3/9 10:30
夢十夜 ①レタス3*24/3/9 9:55
別れ◇レキ2*24/3/9 6:34
UFOにお願いりゅうさん3*24/3/9 3:45
新雪たもつ9*24/3/9 0:50
wc6*24/3/8 23:38
五行歌  海に降る雪レタス3*24/3/8 22:05
墜落soft_m...4*24/3/8 20:45
解熱5*24/3/8 20:43
無信6*24/3/8 18:50
鏡像(10)「I さんの記憶」リリー4*24/3/8 16:47
詩想ひだかたけし424/3/8 16:17
レタス2*24/3/8 15:22
※五行歌 五首「始まる春」こしごえ4*24/3/8 13:01
地元を盛り上げる料理夏川ゆう324/3/8 12:27
鏡像(9)「Oさんの記憶」リリー5*24/3/8 12:09
ひき潮そらの珊瑚5*24/3/8 10:28
鏡像(8)「コミュニティ」②リリー4*24/3/8 9:54
自由ホカチャン1*24/3/8 9:36

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