或る季節風の朝
街中でコートをひるがえし行く
女の紅よ
結ばれないと解っていて
湧き出る胸の音楽に
自分をすら見失う時
陽光に己が肌をさらすことも出来ず
根なし草の様 ....
空のオルゴールよ
すべての赤ちゃんのための
祝福の音
君は愛されるために生まれてきた
本当にみなに愛されている
誰も君を憎みはしない
誰もがそういう時を通った
憎まれる赤ちゃんなんて ....
坂の上の校門で{ルビ磔=はりつけ}にされた少女の歳は十五であり、少女の脇腹の絶えず{ルビ膿=うみ}を吐く傷こそが彼であって、幾度{ルビ掻=か}こうとも少女の{ルビ痒=かゆ}みは失せることがなかった。少 ....
ある寒い冬の休日の午後
裏庭にサバンナが置かれていた
誰かが昨夜のうちに
ダンボールの中に入れて
遺棄したのだろう捨てサバンナだ
今年の冬は
乾燥注意報が頻繁に出ているので
草丈の短いサ ....
時は途切れることなく
今を更新していく
ずっと同じところを
歩いている気がしても
進んでいるんだ
トンネルのカーブが続いて
先の見えない恐怖
いつか出れるんだ
生きていれば
....
ある朝、人々はビックリした
あるべき富士山がなく、
地平線から太陽が出てきた
お触書きがカカシのように立ってる
富士山を誘拐した
返して欲しいなら
政治改革をす ....
今日が終わるのはなんだかさみしい
まだやりたいことやしたいことが
いっぱいあったけどもう終わるんだね
今日がもう少し長かったらいいのに
明日には出来なかったことや
したかった事がまだまだある ....
詩の評価
かなり良く書けてますね
ええそうですか
ありがとうございます
そんな会話が
良く書けていると言えるためには
傷がないことが必要だ
完璧が望ましい
森のこんもりとした様 ....
コンコン、と
ノックはするけど
返事もしないうちに
入ってくるママ
机の上に
紅茶とお菓子を置いて
口をあけて
パクパク、パクパク
何を言ってるのか ....
{ルビ蟷螂=たうらう}よ その身に棲まふ禍(まが)つもの おまへの腹はおまへを喰らふ
小学生のころに、道端とかで、カマキリの姿を見つけたりすると、ぼくは、よく踏みつけて、ぐちゃぐちゃ ....
ダイアモンドが石ころの様に落ちていたら
美しいと感じて拾い集めただろうか
僕が僕であると感じるは孤独の中だけなのか
君にあこがれる僕は僕のままでいられるのか
学者が残した幸福へ ....
今夜は妹とオフ会
二人が愛する小説の
大人になって
妹がいちばんの親友になろうとは
両親に溺愛され
嫉妬するより前に
その可憐で愛らしい姿に
私も彼女を愛 ....
光る眼の夢のような
道なりに太陽の傾く
夕べに尚も耀き続ける
朝陽の訳も云えずに
荒い粒子の踊り舞う最中 、
不協和音たる人の
協和音から遠く
不協和音の渦中に
投下された最強 ....
ウンマカニンポーバラノミチ
ウンマラニンポーバラノミチ
ウンマンニンポーバラノミチ
フマレフマレシアイミタガイ
ウンマンニンポーバラノミチ
人からジロジロ見られるんだもの
睥睨したって ....
眠っている間に夢を見る
起きている時にも白昼夢を見る
将来の夢も見る
正しく見られた夢は
限りない力を持つ
もっともよい夢は
人を究極に救うこと
つまり
発菩提心である
....
いもうとぶった手鬼喰った
泣いたらもうしねぇが言われ
もうしねぇと謝りゃ手が生えた
かかのかね隠してたら
鬼に銭を口に入れられた
溢れるほどの口の銭
もういらねと言っても
鬼は許してくれ ....
(遠雷まだかな
(どうして?
(だってうるさいんだもん!
ネリーさんは水でできてるみたいだね
(夏、だからね
ってほら
言ってるそばから排水口に吸い込まれちゃって
夏は濡れやすいから気を ....
バットにボールが当たる音
汚れたユニフォーム
校歌に応援歌
いくつもの物語と思い出
流れる汗と涙
を画面越しに見ている
親戚に人見知りしながら
エアコンの効いた部屋
枝豆とビール
....
渚に書いた君の名前は波にのまれ潮風とともに去っていった遠い夏の日
生き物は真実のなかで生きていたのだけど、人だけがなぜだか知らないけど、言葉によって創造世界を作り上げ社会をつくり今や全地球をすっ ....
薄緑の歩道橋の真ん中で
さざめく街の空中で
立ち停まっている女を見た
遠目で黒い日傘の女をみつめていると
眠くなり汗がじわっと体を包む
街の建物の間を
車が川のように流れ ....
ぼくのヒフの内と外
外側は広くて、大きい
賑やかな世界
内側は見ることも
覗くことのできない
想像するだけ
ドキドキ
ゴックンゴックン
スーッとスー ....
水滴が、いた
密と疎の成熟を強く支え
きゅっとゆるむ
ゆうまぐれをくずした
罫線はぢくかな
はつぎわにきくが、綾なすしづくは
とじた後にも、しんかしかいの端に
のぼるようなものぶ ....
○「命の営み」
虫たちは
虫たちで
自分たちで生きて
命をつないでいる
鳥たちは
鳥たちで
自分たちで生きて
命をつないでいる
魚たちは
魚たちで
自分たちで生きて
命をつない ....
差別と区別とは
そうかそうか
狂人の言葉が
そんなに自己防衛に役に立ったか
人の間に垣根を作るな
これ、もと垣根を作ったのはやはり精神科医
鬱Ⅰ型 鬱Ⅱ型
珍型 穴型 誤型
....
午後になった
扇風機をとめて
水を届けに出かけた
ひび割れた路面と短い影
歩く時も俯く癖があった
草刈の辺りで風鈴売りとすれ違う
音、聞いたのだからお代を、と
干からびた掌を差し ....
月夜の晩に子ぶたが踊る
ぷひっ
ぐるぐるぐると
あっちの群れは右回り
こっちは左
マスゲームも真っ青に
子ぶたがダンス
ぶぅぶぅぶぅぷひっ
何を願掛けしとろうかい
もっと餌を ....
誰が言ったか知らないが
言われてみればそんな気がする
森田一義
※ ※ ※
女は言った。薔薇よりもあのマンションの方が良かったわ。と、
....
叢雨を
なぎたおす
台風の来ない
窓へ
風が吹くとき
それでも
窓を叩く音が
隙間から染み込んで
砂が石になってゆく
秒針を
あわせようとする
ちくたくと
この指で ....
高きから低きへ
流れるように
憤りの前の
ため息
それほど
無知に対して
知っているふりを
振りかざせるなら
水はいらない
勝手に
親だから
....
最後に自分の頭をぶち抜くみたいな
生き方はしたくないな
くそビート二クス
と
思いつたことそのままに
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.48sec.