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満月が近づくと空気が変わる
だから空を見なくてもそれがわかる
うつむいて歩くと足音が遠のき
夜はいつのまにか
重くなっている

みやみや
絵葉書の風景のように
闇が美しく固定さ ....
初出:
ウエノポエトリカンジャム3 公式パンフレット「Iu(イウ)」(2005年夏)
(http://www.upj.jp/)
「詩なんかよく知らない人にネットの詩について伝えるメッ ....
いつのまにか
あなたがいなくなることが
いつのまにか
怖くなっていて
それは
幾日もの
あなたと私の
笑顔の証

とても不思議なことに
朝はいつも訪れる
目が覚めると
朝は ....
上手く眠れないままの空が白み始める。轟音
で走り去る獣たちもわずかで、その咆哮にも
ためらいが見える。廃墟の影に潜む小人たち
は闇が消えていくに連れ恐る恐る顔を覗かせ
覗いた顔を逆に覗かれ ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている

夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
雲が波なら
僕たちは深海魚だ
深く、深く、
差し伸べられた手も届かない場所で
温もりも知らずに
窒息している

月明かりは
マリンスノーに似ている
それはただの幻想で
本質は
 ....
美しい花が咲くよ
飲み込めないものを置き去りにして
美しい花が美しく咲くよ
思い出を糧に
忘れられた形を残して
美しい花が咲く美しい夜に
僕たちの魂は震えているよ
僕たちの魂は淡雪のよう ....
<雪見カンガルー>

どうしても雪の白に溶け合わない
自分の体を恨めしく見下ろすと
袋の中で子供たちが
凍えながら見上げている



<嫌がるラクダ>

ラクダのコブは脱着可 ....
蛹の時代は終わったと
鱗粉まみれの陽光を謳歌する
ここには花が少ないからと
蜜の代わりに蜂蜜を
葉の代わりに
デッキチェアを

さようなら、また今度、遊びましょう、晴れの日に。
そ ....
あけましておめでとう
そして僕たちはそのように死んでいく
あけましておめでとう
死んでいくのではなく殺されていくのだおそらくは
お互いに
殺されあいながら
あけましておめでとう
生き ....
初めて見かけたのは午後6時
センター街の陰でうずくまり
待つことを放棄しながら
背伸びをするリップスティック
名前は知らない
まだ明るい
これからの夜

1人でいる子を狙うほど ....
さよならの温度が肌に絡み
満月が揺らぐので私は
消えていったあなたのために
右の頬を撫でてあげる
幾たびも満ち欠けを繰り返すあなたに
満月は寄り添うので
もうそれ以上
満ちることはな ....
絵を描くのが好きな姉でした
葱の絵を描いていました
うずくまる猫のように
ときどき鰹節も描きました

弟と仲が良くて
いろいろな物を交換していました
いろいろな物の中には
巷にある ....
消えていく
痛みをなぞりながら
その痕こそが
証であるかのように

鮮やかに
鳴いている
幾羽か、を、目に
焼き付けることもなく
空の夢をよく見るのだと
その人はうつむく
 ....
約束されたことは、なかった
ただ一度も、なかった
噛み合わない歯車が磨耗を呼び
嬉々として
それを食い潰した
約束されたことは、なかった

約束されたことは、なかった
なだ ....

 おなかがすいたらごはんをたべよう↓
 よ              そ
 た              で
 な              も
 か              い
  ....
脂喰坊主は地下鉄の端で
ホームに顔を突き出して遊んでいる
駅員が慌てて止めるが
大丈夫
脂喰坊主は死なない
脂喰坊主はバツの悪い顔で笑う
それから
目を閉じてかっきり一秒
 ....
けだものの口からはいつも涎が垂れていて
その臭いは数百メートル先まで届くが
けだものは気づいていない
もちろん
涎が垂れていることに

けだものの体毛は針のように硬く
生えている ....
リリイは寝そべって
太陽を見ていました





   暑
   い
   夏
   の
   日





           (でも平べったくないよ?) ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが

境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
男の昼はネギで始まると信じているわけでもなかろうに
君は駅のホームでネギを振り回している
君が普段ネギを買えるほどの暮らしをしていないのは
君のその身なりからすぐに推察できるけれど
駅 ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
朝起きたら
田中だった

田中くんおはよう
よう田中
あ 田中君だ
田中の言うことなら間違いない

田中さんこれ受け取ってください
下駄箱で告白までされる

本当の事を云 ....
−計測−

重さではなく
距離を測りたい

大きさではなく
熱さを測りたい

姿ではなく
真意を測りたい




−引力−

ひかれあうのではなくひきあうの ....
風邪引いて
喉が痛いくらいの咳で
ふらふらしながら
煙草吸って
酒飲んで
関節も痛いや
みしりって音するや
壊れそうで
壊れないもんだな
けっこう丈夫にできてるもんだな
 ....
触れてしまうと
消えていくものがある

まなざしに耐えられず
溶けていくものがある

凍えるべきは
私の手だ
蔑むべきは
私の目だ

暗闇の中
独り 閉じ篭って
見据 ....
影と
影が
重なり合うので
夜でなくても
うずくまりながら

なにかしらの気配が
ぐるぐると周回する
忘れられたまま
中心もないのに

ライカ
私の声が聞こえますか
 ....
ある晴れた日
手紙を出しに行くとポストは
「秋だなぁ」と
しみじみもらし
それから私に気づくと
真っ赤になって
照れていた
霜天さんのいとうさんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
みやみや- いとう未詩・独白1106-2-16
Hello----,Hello----._私たちは、つながっ ...- いとう散文(批評 ...4105-12-19
しあわせ- いとう未詩・独白16*05-10-7
天敵のいない八月- いとう未詩・独白14*05-7-20
塔の上でワルツを踊る- いとう未詩・独白10*05-6-25
夜になると、魚は- いとう未詩・独白3905-6-13
やみまつり- いとう未詩・独白1205-5-16
深海の生物は涙を知らない- いとう未詩・独白14*05-4-27
美しい夜に- いとう未詩・独白18*05-3-30
動物園_2- いとう未詩・独白10*05-3-7
船旅のアゲハ- いとう未詩・独白905-2-5
2005.1.1- いとう未詩・独白3505-1-1
渋谷。リップスティック。14歳。- いとう未詩・独白1304-12-28
シルフィード- いとう未詩・独白704-12-20
- いとう未詩・独白904-12-15
飛ぶ鳥をよく知らない- いとう未詩・独白13+*04-12-8
霜降る月の霜。踏み拉かれる前の、あなたへ- いとう未詩・独白1204-11-10
おなかがすいたら- いとう未詩・独白1304-10-26
脂喰坊主_と- いとう未詩・独白1404-10-13
けだもの- いとう未詩・独白29*04-9-15
交差点のリリイ- いとう未詩・独白1004-8-30
シルエット- いとう未詩・独白26*04-8-18
昼、ネギを持った男が- いとう未詩・独白1104-7-13
遠い朝、泣かない夜- いとう未詩・独白21*04-7-5
名前- いとう未詩・独白23*04-6-9
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らぶとか_らぶとか- いとう未詩・独白13*04-5-26
要冷凍- いとう未詩・独白1104-5-7
ライカ- いとう未詩・独白11*04-4-28
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