むかしむかしあるところに土曜日の国がありました
場所は逆上がりの国(王女 湯川潮音)とポミポミ国(王女 小中かな子)の中間で
国土は喜屋武村アリーナ307個分もありましたからとても広いです
国歌 ....
久しぶりに家に帰ったら
家が他人行儀な素振りを見せた。
玄関の扉は
「いらっしゃい」
と、言い掛けて
「おかえりなさい」
と言い、
ベッドは
「ごゆっくり」
と ....
自分で考えればいい
気分で老いて
夜分に孝養を尽くす立場にも身はない
日は真昼に本当は真上から差さない
だから明るく
色を抜くことで「時」に焦げ目をつけたりする
この部屋に埃を落す ....
吉岡実が後続の詩人たちに与えた影響は大きい。七十年代以降の日本の現代詩は、吉岡実がいなかったらまったく違った姿になっていたのではないだろうか。
ここでは吉岡実の『静物』『僧侶』の二つの詩集を中心 ....
ホトケさんは?
これだ。
…、悪いが、無様だな。死因は?
なんとも。外傷は見当たらん。
こりゃあ…。
なんだ
ガスか、毒じゃないか?
あり得るな。今、検死官が当たってる。
絶命 ....
透明はいよいよ流線型に歪み
ところで季節も
そろそろ夜がいいではないですか
「いらっしゃいませ、ありがとうございます」
レジスタァの前に沢山の女の人が並んでいる
僕は美人のお姉さんには、優しくお釣りを返す
ナプキンは袋を二重にして入れてあげたりしている
綺麗なお姉 ....
ねぇ、奥さん奥さん、見て、あの窓際の席に座ってる男の人。さっきから独りで喋ってるのよ。「ごめんね、ヨーコ」とか、「おれが悪かった」とかなんとか……なんだか彼女に謝ってるみたいだけど……最初は携帯で喋っ ....
http://park15.wakwak.com/~o0o0o0o0/bokumetsu/
こんにちわを撲滅する委員会。
趣旨に賛同というよりは、下の方のうだうだっぷりが楽しい。です。
{引用=右手と左手のための協奏曲より}
朝の上澄みですれ違う人たちは 夏の陽にさらされて空へと消えてゆき
夜の底の澱でつながる人たちは 死にも似た安寧と渾然とする
僕たちはどこにあるのだろう ....
夜を飛ぶサーチライトをUFOと信じる子には光るシールを
映写機に撃ち落とされた銀幕の穴の向こうの月が綺麗だ
始発にて人気女優のクローンのような女と飛行場まで
新品のアメリカ製のス ....
ジガバチの奇怪な姿は
奇妙な収入を約束するが
キカイダーの端正な顔は
個性の平均化と罵倒されて
大いなる
リストラを保証される
初夏のよく晴れた日に
フニクリフニクラと
ゆらゆ ....
(点燈)
揺れずに十秒待つ
煙突がつぶやく
そうした午後
蒔いた種 雨は降らない
生き物の証明が難題らしい
いつもの君はどうした
自動
瞼が重い
停止
(溶 ....
我が社は金物を扱うから
社内では安全靴を履く
安全靴は格好悪いから
帰宅するときは
もちろん履き替える
それまでは自分の時間でないので
重たい鉛のおもりを付けて
こころは絶対に弾ませ ....
時間を移動する物体がある
精神を乗せた物体である
「超低速」といっても
時間と同じ速さである
ただし3分遅れている
それが僕
ゆえに僕は3分遅れている
産まれてからずっと
....
キリギリス症候群になったウミヘビは
南の海に潜ったまま行方が分からない
毒牙に噛まれた男たちが仕返しを企む
そんなことは知らないままに春が来て
ウミヘビは冬眠から醒めた
南の海にも冬 ....
すとん
すとん
すとん
雨
散発すると
すとん
すとん
と
血が四散して
痛い
残響が強い部屋に住んでいるので
おとといのお ....
Tくんと喧嘩した日の夜
お風呂に入ってやるちくしょうっ
とパンツの引き出しを開けたら
白雪姫みたいに横になって
女神さまが入ってらっしゃった
女神さまはあたしの腰くらいの引き ....
アマゾンの奥地で
まじない師に入れてもらった刺青は
どうやら
おれには読めない文字で書かれた
呪いの言葉だったらしい
最近
蜘蛛になる夢ばかり見るんだけど
どう思う?
....
改04.05.16
原爆が落ちていらい
腹が立ってならない
土の色をした指が嘆く
野菜クズを畠に蒔いてヒマをつぶす晩秋
巫山戯 ....
「おお、神様、いったい何故、誰がこんなことを!」
「お前が犯人だ」
「ど、どうしてそんなことを。何を言っているのかさっぱり…」
「まだお前しかいないんだよ、アダム」
....
このところ歳時記が愛読書になってしまった。いままで一顧だにしてこなかった定型詩の世界にはまってしまったのである。
定型詩を避けてきたのにはわけがある。もともと短歌・俳句に興味がなかったうえに、現 ....
「まな板給夫のいる」は高架線下の天使と賭けをする。
手札の伏せてあるカウンターが震える。頭上に
ぶら下がっていた彼女の戦利品の数々。
その一つ、オレゴンの絵には
黄色のテント内、
突き出した ....
たもつさんの詩「メタファー」とそれについての原口昇平さんによる批評「不治の病 − たもつ『メタファー』」を読んで、一言コメントさせて頂きます。
原口昇平さんによって、たもつさんの詩「メタファ ....
2005/05/19の朝日新聞夕刊社会面(東京第4版でp.15)にこんな記事が並んでいた。
・再犯招く心に迫る
・4歳児 虐待され死亡
上の記事は、6月から性犯罪前歴者の出所情報を法務 ....
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少 ....
{引用=連作詩『右手と左手のための協奏曲』 より}
ゆるやかにま おなじことのくりかえしのようですこしず
わりながらす つへんかしていくいったりきたりしながら
すむゆるやか いつ ....
惑星探検隊は、その星の生物に囲まれてしまった
探検隊の周囲でひざまずいて祈りを捧げ始める生物
「俺たちを神か何かと思っているのか」と隊長
「翻訳機のスピーカーを入れます」と隊員
「神よ、い ....
’, ’, ’, ’,
’, ’, ’, ’
’, ’, ’, ....
「すべての生命は海から生れてきた。じゃあ、星はどっから生れてきた?」
そう、宇宙だね。ぼくらの生命の、おおもとの、そのまたおおもと。
ぼくらが海に郷愁を感じるように、宇宙に郷愁を感じるのは、け ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36