魔王は 生まれるだろう
余人の吐息を嫌って選ばれた修道院の建つ
青空のように堅い岩塊の園から
誰もが逃れられぬ「人称」を彼もまた大気に放ち
口伝えの反復に摩耗したイコンも
魂の生き延びる道を ....
父の日に夢を見た

   §

大地震があった
私は、すぐには故郷に帰れなかった
車も電車も無い

やうやく故郷に帰ると、或る男がかう言った
あんたの家は無いよ
全部盗られちまった ....
今朝、校舎の前で
無口な少女を見た
目が合うと
少しだけ笑って
そのまま自転車の
静かなスピードで
追い越してった、八時十五分。

無口な少女の
名前を知らない、
先生が出席をとっ ....
満月ぽっかり
いや
ぽっかりじゃないな なんだか
もっと

おろーん
満月おろーん
いや
しかし

おっきいなあ今夜のは
なんだかおまえに食べさせたい
イグアナに
イグアナの ....
喪でつながる距離を冷たい指先まで這う

クッキーの型から皿へくるしみぬく

盲点へ脳傾けてビー玉吐く

窓に干してあるさそり揺れる殴られて

散らばる石に祈る冥福もあるだろうか

 ....
岩木山の
奇妙に底抜けた反射が
冬の林檎樹を
切り絵の風景にする
小泊に向かう一本道のそばで
その昔、十三の湊が
あったという
巨きな黒鏡が夜を
地吹きの中で待っていて
ため息を飲み ....
ちょっとポイント制について言わしてくれ。

気を緩めると、ついつい説明的になりすぎるので、あくまでアグレッシブに行こう。

えっと、ポイント制に不満を持って退会したり、問題を提起したりする人が ....
の丘に
咲いたダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの蹄鉄の
隠された場所の

の丘に
びっしりと生えそろう数億のダリアの一輪の
唇の頬のうなじの太ももの
暴かれた場所の

の丘
 ....
そう、かでも、かなでもかなりでもかなりやでもいいんだよあの鳥の名前は


電話ってさびしがりやのぶきようが作ってしまった手作りのうで


知ってるよ、リサイクルショップに陳列された ....
ママンが僕を殺しに来る
大きな拳銃を手に
銀色の拳銃を手に


小奇麗な喫茶店であなたは突然の告白をする
「俺って童貞なんだよね」
人生の先輩である貴方は
どうしてそんなに悲しい眼をし ....
教父が恐怖した歌を聞きながら
アパートのベランダ三階から視える宇宙、スバル散開星団が胸中に宿り
踊る蛇のLSD 林檎を取るイブの子孫、虎の息吹く徒ライブの
マドリガル、窓から覗くガルーダの眼がダ ....
いちばん
すぐれた楽器は
わたしたちの耳である

どんな音でも
鳴らすことができる

もっと
すぐれた楽器は
わたしたちの心である

どんな音でも
きれいにすることができる
 ....
<前文>論ずるより書けとは御尤も、かと思います。論ずるのは専門外ですし、例え中傷を受けようとも毅然と書いている方が粋だと思います。ですから、此方での発言者として考えを投稿するのは一度きりにしようと思い ....  タケニグサはケシ科の多年草。毒草であるが、虫刺され、便槽に沸く蛆などへの殺虫剤に昔はよく使われていたそうだ。
 私がこの草を知ったのはかなり小さな頃からだった。中空になっている茎を折ると、黄色い汁 ....
 ぼおとしながら、顔を正面から左の方へ廻し、窓の外をなんとなく眺めていると、何かが動いていた。
 うすぼんやりとしていたからよく認識していなかったのだけど、何故だか、それだけは認識できたのだ。
  ....
BSをぼんやりみてたら、映画やってた。イマジン。ジョン・レノンの伝記みたいなもの。

半分くらい終わってたけど、それでも十分楽しめた。私が強く感じたのは、ジョンの孤独だ。アーティストの孤独。仲良し ....
目を閉じた赤子の笑みに触れる花


ひとひらをくちうつしする涙かな


赤子の手何を語るや散る桜


とどまらぬ光の糸をたぐる花


名づけても名づけきれぬ日花 ....
その舌の根の
乾かぬうちに
あやしく
くるしく 
はじまる わたし
ホット・ペッパーください
く、くださいませんか
クーポンついてますから
剥いたブルー・チーズですから
まだ、だ、でしょうか
え、駅前のあなた
く、くだい、ってば
というより、ください ....
きよらかな恥辱を
浪費して
おしまいに
わたしよ わたし
薔薇と咲け
それは
濡れた樹々の梢に透かし見た
緑の扉
明るい庭先のその扉を夢見る
光と影を刻み憧れにたたずんで
あるいは移り変わる街の喧騒の中に
待ちくたびれて
人知れず錆びついていたあの扉
そ ....
「この世には、居なくなってはならない人間なんてひとりも居ないんだよ。誰かひとりが死んだところで、世界が回り続けることには何の支障もないのさ。お前もあいつもわたしも、大臣だろうが大統領だろうがね。」
 ....
まっていたおもいすらする懐かしい驚きは
鼻の奥から桃の実の香をともなって
額のさきへとつきぬけふきだした
馴染みぶかいあの痛苦のみなもと
乳白と鮮赤の漿と沫がまじりあい
桃色の滴となって地に ....
先週教室のみんなで飼っていた「リス」が死んだ
死んだというか「窓」から逃げたのだ
クルミを食べるときに動くほっぺや小さな歯
かごの中を走ったりしているときの爪のかりかりする音
たいそう人気者の ....
ホントの詩を語りに
風のなか 集まろう
みんなが いっせいに
この指 つかんだので
ぽっきり 折れちゃった
火の波を挟んで無名の巡査と撃ち合う

花に占いを頼まれて謝る

意識まで跳ね飛ばされて街に着く

頁めくるごとにはっきり血を採られ

刺された腹部からほとばしる林はやく

静かに張 ....
「樹を」
折れてゆく私の直線をめぐって溶け出す樹々、の泳ぐべき海の直線。泳ぐのは海、ひらくのは海。樹の斜線は海を分解して新しい樹々の斜線を生産する。いくつもの遠さに囲まれながら樹はかわくのをやめない ....
手をつながない
なかよくしない
月のうらがわを
のぞいても
とびこんだりしない
あそこのT字路に行きあたると
追突注意の看板があるんで慎重に横切ってください

交通整備しているお兄さんに早口で言われます

もしかして

もしかして
太ったおばさん
もしかして ....
われわれのうちの多くは、自分の脚でいろいろなことを行う。
走り、跳び、ボールを蹴り、時には自分の頭より高く脚を振りあげたりもする。
だがこれらの動作はまず、「歩く」ということが出来なければどうにも ....
佐々宝砂さんのおすすめリスト(1044)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
魔王- 吉岡孝次自由詩206-6-19
イノック・アーデン- 三州生桑自由詩406-6-19
無口な少女のうたう放課後- 夕凪ここ ...自由詩15*06-6-17
イグアナで待ってるぜ- 水在らあ ...自由詩8*06-6-13
このくれやみ- 黒川排除 ...川柳306-6-11
津軽・十三湖- たりぽん ...自由詩16*06-6-6
ちょっとポイント制について言わしてくれ- 美味散文(批評 ...9*06-6-2
の丘- ふるる自由詩33+*06-5-29
バイバイ、古語文法- ピッピ短歌706-5-25
おっぱい- 虹村 凌自由詩4*06-5-14
暗い日曜日- 六崎杏介自由詩5*06-5-13
楽器- ZUZU自由詩106-5-13
論ずるより書けとは御尤も- きりえし ...未詩・独白12*06-5-11
折れずに伸びよ、タケニグサ- 日雇いく ...散文(批評 ...2*06-5-10
陰翁- 日雇いく ...散文(批評 ...2*06-5-8
ビートルズが壊れた理由- umineko散文(批評 ...5*06-5-7
花の国- 木立 悟俳句1406-5-7
そろもん(カルマの話)- みつべえ自由詩206-5-6
浴室密閉ブルーチーズタイム- たもつ自由詩8*06-5-6
そろもん(エピローグの話)- みつべえ自由詩206-5-5
緑の扉- 石瀬琳々自由詩17*06-5-5
Drawing- 鈴本 蘭 ...散文(批評 ...3*06-5-4
桃源歌- 田代深子自由詩1106-5-4
オバケちゃんへ- モリマサ ...自由詩15*06-4-29
そろもん(集会の話}- みつべえ自由詩606-4-28
グリーンランド- 黒川排除 ...川柳406-4-28
啓示- 葉leaf自由詩19*06-4-28
そろもん(マナーの話)- みつべえ自由詩806-4-26
そんなこんなで- ミネ自由詩506-4-22
われわれは技術でできている- 安部行人散文(批評 ...18+06-4-21

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