うわずった声まなびやの真実を話す
苦い骨に顔しかめるべき名を聞くばかり
古墳からひとを見くだすのがお好き
ボールペン立つ夜の柱として次々と
翁の衣をかぶった土砂崩れが町へ
....
午後の紅茶に
隠れてます
笑ってるし!
ぞくぞくするものだから
風邪をひいたように思ったのだけれど
なんだ
背中に離婚届が貼り付いていたのか
ついでだから
その上から婚姻届も貼ってしまおう
少し温かくなるかもしれない
それ ....
「まいやふ〜って曲があるじゃない? 」
「まいやひ〜だろ」
「違うのよ、まいやふ〜まいやひ〜まいやほ〜……」
「どうだっていいけど、それがどうしたの?」
「ん、なんかね。まいやふ〜っていいなと ....
目が覚めたら旦那さんが二人いて二人は友達でとても仲が良い。この世では女が一人に旦那が二人、それは当たり前。二人以上は許されない。それは不倫。
どうして3人でできないのかしら?わたしは不思議で仕方 ....
{引用=光に向かい その光で自分たちの闇を照らす
私たちの音楽だ すべては私たちの音楽だ
by JEAN-LUC-GODARD『NOTREMUSIQUE』}
....
その一行が消息を絶って、もう十年が経とうとしている。
彼らはシルクロードのオアシスの街で忽然とその姿を消した。一行を率いていたのは、私のかつての仕事仲間で、彼は日頃からいつ消えてもおかしくない雰 ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡
(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
....
ガイドは何度
凍ったろう
それでも
何度
打ち返したろう
指先もはや
エンスト寸前
ポンコツの腕で
見栄はった道具で
投射された
ラインの行き先
雪の中のいずこ
未だ
....
泣いているのはあの人である
公園の日陰にあるベンチに腰掛けて
遠い目をしていた いつか
ずっと昔心を寄せた人の事を思い出していたのか
それとも。
その乾いた細い指の触れてきた道程を
僕が知 ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
シャンパンはお風呂に入れて苦いから
欲しければほうらお口で拾いなよ
フェラーリを積んだ工作A’
英国に時計合わせにセバスチャン
深海魚見たいと言ってプロジェクト
大声を聞 ....
挨拶
はいくろうさごろうくさんぎの残暑かな
荒野では道がわかりません
ヒースの丘にのぼっても
海はみえません けれど
匂いたつ まぼろしをたどって
かならず行きます きみの家に
The sky is
Blue
The clouds are
White
Ephemeral is
A dream
Dark is
The night
Today will
Be ....
彼は
スーツを着たまま泳ぐ
服を着て泳いだことのあるものなら分かるだろう
どんなに泳ぎが上手くてもすぐに溺れそうになる
自力で岸の上に這い上がるのも一苦労
彼は命を懸けてスーツ姿で泳 ....
盆休みのUターンラッシュのクルマの群れ
へのへのもへじのおとなたち
なんか語呂が好いなぁと口笛を吹く
潮溜まりではイソギンチャクが手を振って
近寄ってはいけませんよと
ダボハゼのおかあさん
....
夕暮れに!
夕暮れに!
またやってくる
憂鬱が
ひとりでに
しらずに
ぼやーんと
空は黄色い
セミがないている
深い海の底から
僕はひとり
彼女は出かけた
見えないもの ....
雷鳴って、けっこう好きかも。いやなんとなく。
自分には振り返る歴史がないんだよね。サッカーゲームの、ヒールパスのように。
ホールドしない。あんまし。
ホールドすると疲れるから。 ....
だあれもいない いなかみち
トボトボトボト 歩いてました
やさしいひとが 見まもるような
うれしはずかし 静かな月夜
どこからとなく サンダルウッド
におうようにも 思える月夜
ふとか ....
屍に悉く空恭しく
夏の水道唾液のぬるさにて
設計図に紛れて一本になる
真夏日に晴れの予報を見て死んだ
弁当と残像を家に置いてきた
返り血を浴びて太陽燃えている
目覚 ....
「神様、地獄に行かせて下さい」
「何故? 君は立派な政治家だったはず」
「ありがとうございます。でも…」
「なんだね?」
「友達が一人もやって来ないんです」
Kur ....
「神様」
「なんだね」
「私のいるべきところはここ、天国ではありません」
「地獄に行きたいとでも言うのかな」
「その通りです」
「…」
「あなたの御心はここでは成し遂げられません」
....
恐竜の背に乗った彼半笑い
ティラノから逃れるすべが二百円
生き飽きたブラキオサウルス吹いた虹
ストルチオミムスの名前やや忘れ
「花を見ず一億年間生きました」
「骨に歯を通 ....
ひとりぼっちのダイダラボッチ
大きな花が欲しいと言いました
何故?
花占いがしたい
何を占うの?
昨日はどこに行ったの?
明日はどこから来るの?
愛はいつ見つかるの?
私は言いまし ....
スプラッタ父が西瓜を鷲づかみ
バケラッタ母がオバQ一気読み
オイ鬼太郎瞬きするってどんなもの
オイ鬼太郎泣いてはいない汗なんじゃ
鬼太郎にニヤリ笑われ汗ぽたり
暑かろう地 ....
意識無意識が不自由な手で
ピタゴラスの缶詰を開けるとき
逆戻りした冬空は霙を降らす。
完売した安売りのビールを運ぶトラックは
新たな排気ガス規制に対処できなくて
既に廃車になっていた。
....
カブトムシ
17匹
もらったの
貰い得の
キノコ
コクワガタ
タニシ
みんなよく来たなと
戦場で死に損なった父が
夏休みの天麩羅を揚げていて
熱いう ....
日本の子供たちの思いやりが込められた
膨大な量の千羽鶴が海を渡った
あばら骨の浮き出た子供たちは
弱々しく 震える手で
ひとつひとつ 千羽鶴を開けた
何も入っていなかった
....
その駅のトイレには
便所童が住んでいる
とても疲れて寂しい夜
わたしは酔っ払って
その駅のトイレに寄る
3つある個室の真ん中に入ると
そのうち
両脇から
声が聞こえてくる
....
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