お姉ちゃんが
こまぎれになって
道路に落ちていた

わたし
ひきずる
お姉ちゃんの右腕
ずるずるとひきずって

「はやく帰らなくちゃ」

アスファルトに
右腕が描いた
赤 ....
  

笛の音

振り返らない君には
耳鳴り


笛の音

振り返るばかりの僕には
聞こえず


笛の音

誰もが通る道をただ歩いて
行くだけ


笛の音

 ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
☆立原道造「さびしき野辺」の場合





いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行った
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のように

いま だれかが しづかに
身をお ....
 譲治は
 転んでもすぐには泣かずに
 ひざ小僧の痕を
 ひとつふたつと
 数えていた
 数えているうちに
 血が滲んできて
 滲んでくる血を見ているうちに
 お婆が寄り添ってきて
 ....
あてもない夜を歩いていると
石門だけが残った丘の門番に出会った
夜も長いので空の話を聞かせてくれ
という ので
十二番目の石から昇る太陽について
ありったけの知っていることを語ってみた
そ ....
悲しみは忘れた頃にやってくる

悲しみの上にも三年

悲しみ盆に返らず

千里の道も悲しみから

咽喉元過ぎれば悲しみ忘れる

悲しみの悲しみによる悲しみのための悲しみ

 ....
<パンダ禁止>

薄汚れた白と汚れの見えない黒でできている
パンダになることは禁止されている
パンダであることは禁止されていないので
檻に入って、笹などを食んでいる



<しまうま ....
  

本島中部の小学校で よくあるように
高台を開いた土地に建てられていました
二年生の教室だけは校庭をはさんだ東側に
平屋建ての校舎でした
その校舎の裏に緑の小さな森山(ムイ) ....
{引用=ヒバリの声}

天気の良い休日
芝生に寝転がると
無造作に配置された
数基のパイロット・プラントに吹く潮風は
いつも違う声を響かせた

石炭液化システムは
あの頃の技術研究の ....
値段はおいくらですか
空から澄んだ声がする
木の葉が静かに舞っている
晩秋の並木道は
人通りが無いのに
かさこそかさこそ
賑やかな気配がする

値段は、
いくらでも構わないのです
 ....
軽トラックの荷台にかけてあった
銀色のビニルシートにしみとおったあめは
半日積みっぱなしの石油ファンヒータの箱を湿らせて
納品書と保証書を湿らせて
取扱説明書までがくたっと湿っていた

  ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ


昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
夕焼けの頃)

机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている

私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
本日の自分の新聞記事が見れます。私は、「ゼガタサーン」をつくってる会社の社長になってました。

日刊あなた
http://www.p-apple.net/anata/
踏んだ


二度、踏んだ




違う


全然、違う


今、キリギリスの話は全然していない
山田でございます。
前回はスタミナ切れでと言う誤魔化し方で何とかお茶を濁してみたのだけれど、実はそこから先に進まないとあのままじゃただの俺の言い訳だけだったりしたような気がすごくしていて(最もこっか ....
{引用=
「それ[伝統]は相続するなどというわけにゆかないもので、もしそれを望むなら、ひじょうな努力をはらって手に入れなければならない。伝統には、なによりもまず、歴史的感覚ということが含まれる。これ ....
☆石原吉郎「若い人よ」の場合




私はちがうのだ若い人よ
私はちがうのだ
私の断念において
私はちがうのだ断念への
私の自由において
堤防はそのままに
堤防であり
空はその ....
自分の名前がついてるとも知らず
いわしは
雲を見ていた

自分の名前すら知らないままに
その赤く染まるのを
君とアリス・ドライブの途中
蒼い森の入り口で白い車の息があがった。
僕は
車のボンネットを開けてしたたかに朝の蒸気を浴びる
ナビ・シートでは彼女のソウルが
コールタールの音をたてているんだろ ....
春じゃない小春日和の
雨じゃない木の葉の雨に
木漏れ日がほどけて夜が織りたされる
真昼の空に
 ☆山中散生「JOUER AU FEU」の場合




 
 いま私の手もとに「JOUER AU FEU」という一冊の詩集がある。このタイトル、外国語なので、もちろん読めない(笑)。が、検 ....
ありがとう
うまかった

ありがとう
まずかった

いつも
いつも
飢えていて

ありがとう
食べてきた

皿盛りの肉
絞った蜜
犬の舌焦げ

ありがとう

母の ....
壊乱、元素が軋み合う風景
そこで踝は開かれ、原野へと
或いは原生、印章の刻まれた
砂地、指が辿る、結晶へと
白い布地の上で、解き難い仕方で。

腕、遠く、悪夢の直前へと
詞は裂かれ、繁茂 ....
倉庫に積まれても
思い出すのは 彼のことで
「藁が多いですよね」とか話していた
目の前の男に

「足1本ちょうだい
しがみついて寝るので」

と言ってしまった

外に出たら
これ ....
白黒白黒 テントに籠もる咳払い 秋の夜長の神経衰弱

七並べ アルミパイプの指定席 正面に花 照れるジョーカー

「大ちゃんの絵ができました」叔母の手による油絵を喪服で抱え

安らかに ....
わたしは、男のおかあさんと暮らしている
男のおかあさんは、働いているので忙しい
男のおかあさんは忙しいので、わたしは留守番をする
わたしは遅くまでひとりで遊んでいるので、いつも眠い

男のお ....
なぜだか忘れてしまったりするので
書いておく
そこにも あそこにも

ピリリと鳴ったり 震えたりすると
ポケットの上から触れずにはいられない
現代人なのですか といわれればそれはそうですが ....
  

ラベンダー絨毯の中
東へ東へ向かうバス
点在するハーブ園
スィングするカラフルな文字
流れる
ラジオから
セージ、パ リ、マリ 、タイム、、、
と聞こえ
行くのですか
と ....
佐々宝砂さんのおすすめリスト(1044)
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