両手いっぱいの憎しみで
ふくらませた青い風船
それを今 
ベランダからそっと飛ばす
それは思うように
遠くへと旅立ってはくれず
ただ あたりをふわふわと漂い始めた
部屋に戻り
静か ....
羽化していく
心が
闇に吸い込まれて
音もなく
消える


不在証明
書き殴り捨てた
手錠したままで
りんごの皮を剥いた



{引用=(I'm not here) ....
自分から 崩れていった さらさらと
灯なんて どうでもいいの

最初から 分かっていたわ 結末は
だから知らない 何も言わない

何度でも 生まれ変われば いいじゃない?
風がそよそよ  ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
うなじの寒さ
ひとつはばたき
去るものひとつ
来るものは無く


風が
糸のようにわずらわしい
抄い 抄いつづけても
言葉は砕け 言葉は消える


さまよい ....
虹が燃えているのを
ぼくは想像する
その思考と同じ速度で
閉じた瞼の奥で
火薬の匂いが湧きあがる
銀河の向こうがわで
死刑囚が馬鹿笑いする
光の届かない深海で
眠り姫が森を思い出して泣 ....
細い路地に入ると 
食事処がぎっしり並び 
人々の賑わいから 
昭和の匂いがぷうんと漂う 

頭上の鉄柵に 
取り付けられた蛍光灯は 
細い路地を仄かに照らす 

油汚れの壁に描かれ ....
あの子は

気分のいいときも
泣きたいときも
海を見に行った

ブレーキの利かない自転車を
力いっぱいこいで
砂をかんでぱたりと倒れた
         のは初夏



そこ ....
その夜をすぎると

その夜をじぶんに

刻みつけなければ

ならないとおもう

十五もとしうえの

青年と口論となり

納屋で夜を明かす

少年の涼しい目に

月のひか ....
わたしはまだ熟していませんと
果実が云っているのに

かまわないよと
あなたは嬉しそうだ
故郷の味なのだろう

枇杷は好きじゃない
けれどそれは枇杷も
知っているようだ

わたし ....
            080630




真っ暗な中で
三時間毎に目が醒めて
ぼんやりとする
生き返ったのか
それともまだ眠ったままなのか
活動すべき時は今なのか
それともも ....
私には
雨の日にしか現れない庭がある

窓を開ければ
雨音がこちらまで反響する
そこにあるすべて
落ちている小石、葉の連なり
紫陽花の花のひとつひとつ
存在という音が聞こえる
天から ....
強い風が吹いて
あの人の紺の傘を打つ
骨の折れた傘の下で
あの人は片目を抑えている
コンタクトがずれるらしい
風の強い日は
視力を補って泣きそうになるなんて
馬鹿みたい
……なんて思わ ....
地上が息苦しくなってきたので
えら呼吸に切り替えて川に潜る
存分に泳ぎ回る
懐かしい開放感に浸っていると
おなかが空いてくる
視界に入ってきた獲物に喰らいつく
と同時に上へ上へと引き上げら ....
雨す、る

神殿す、る

雨です

降るたよなー

雨どこよりも


雨がことば 壊していた

神殿みたい 崩れていた

雨がことば 予定通りの

神殿にはの 神殿に ....
点と線とが絡み合う肖像画
混在し、ひきつけあうキャンバスの中の
パターンとその背景

白 と 黒

繰り返される点滅の意味
生への警告
更にその先に進む原生植物たちのうめき
派生する ....
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、

静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
何の前触れもなく 
私の 
頭の中で、
光が 
生まれる瞬間がある。

あなたのまなざしの
中心から
少しずれた
小さな部屋の中で 
聞きなれない羽音が
響い ....
冷たく触りきったあと
あなたの身体には何か遺るだろうか
私が夢見た痕跡は
のこるだろうか
青く澄んだ月の光のように
彼方のくぼみに 廃墟のように


(先に看取られ ....
きみと
きみときみを囲む白い壁と
きみの大層な毛皮がよく見える
首が痛くなるまで星を観測し
今はまだ冬至、これからこうなって
ああなって
こういう風に動いたらあたたかくなるのさ ....
顔のないつるっとした人たちがふいにに笑う声
風に巻き上がるコンビニ袋の不確かさで
枯れていく音があらゆる角度から無数にする
家と家のすきまでまぶたを閉じる
足元のアスファルトがめくれて ....
 
 かなしい色を
 しているね。
 
 六月の空を蹴飛ばして
 そう言った君の台詞は
 
 
  何処までも
  何処までも
  ブルーな、
 
 
 理由も知らずに
  ....
息を止める
薄く広がりゆく世界
油膜の浮いた
美しい世界

僕は睡魔と闘いながら
クダラナイ言葉を零している
コポコポと鳴る携帯
水没して窒息して

できれば海の近くに住みたかった ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります

無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の


 ....
ぶつかるならば消して消されて 
チェス駒を進めるよに
規則的に混雑を闊歩したいよ

--------

時間が間延びしてしまったので
一刻一刻を回収している
処方された薬があまりにちっ ....
うっそうと繁った木々は
絡まりあって
もはやどこから始まっているのかわからない

しんせいなもののように
べったりとした朱い鳥居が立ちはだかっている

すぐ傍には側溝があって
いやなに ....
憂鬱色の瞼のような
夕暮れが降りる頃
うすい光をまとった
ひと群れの唇が窓のそとを過ぎる
ふっとうしている



ふっとうしている


しょう





木が

そこから
俺のような
声がする
黙るな
それ以上黙るな
息をしてろ

ふう ....
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる

ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている


こころの真ん中が
きりきりと痛んで
 ....
僕の妄想の中で懐かしき貴様らはと言えば
自らの幸福と比較し無意味な自答を連ねる自愛の様を垣間見て
ひたすらにありきたりと置いてけぼりの過去を重ねて嘲るだろう

見えているようで見えていなかった ....
佐々木妖精さんのおすすめリスト(1374)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
両手いっぱいの憎しみで- 自由詩14*08-7-5
I'm_not_here- ゆうと自由詩2*08-7-3
血迷う人の- 西日 茜短歌8*08-7-3
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
川と姫- 木立 悟自由詩308-7-2
燃える虹について- 大覚アキ ...自由詩208-7-2
想い出横丁_- 服部 剛自由詩408-7-2
スナビキソウ- AB(な ...自由詩6*08-7-2
七月一日の夜- 吉岡ペペ ...自由詩308-7-1
枇杷- よしおか ...自由詩5*08-7-1
三時間後- あおば自由詩7*08-7-1
雨の日の庭、傘から聞く風景- RT自由詩508-6-30
紺の空、風の強い日は- 衿野果歩自由詩308-6-30
逃れられない- ここ自由詩508-6-29
雨の降る神殿- 吉岡ペペ ...自由詩108-6-29
キャンバス- エチカ自由詩1*08-6-29
静けさを測る- rabbitfighte ...自由詩37*08-6-29
- むらさき自由詩5*08-6-28
0714flau_schmiedt- あすくれ ...自由詩5*08-6-28
夜夜中- 嘉村奈緒自由詩908-6-27
ビスケットボール3- モリマサ ...自由詩1308-6-27
六月のブルー- 黒子 恭自由詩108-6-27
マチャンダラ- kauz ...自由詩5*08-6-27
仕掛絵本- Rin K自由詩33*08-6-27
チェス駒・薬・真夏・宝石- こうや自由詩4*08-6-24
神社とチャーリー- 吉田ぐん ...自由詩708-6-24
六月間奏- 塔野夏子自由詩7*08-6-23
弦楽、弦楽- 石川和広自由詩5*08-6-22
海蛍_(一)- 銀猫自由詩18*08-6-22
過剰な自意識が産む嘲笑- 松本 卓 ...自由詩108-6-21

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