はるかかなたに悲しみを見据えて
黙り込むにび色の宇宙
風がはらむものに耳を貸して
忽然と姿を消すらせんの微笑

毟り取られて憂鬱を晴らせば
秋の日のようにどこかでだれかを待つ
その背中の ....
目の前に海があった。
白く塗られた桟橋を、水着の上に服を着た人たちが歩いていく。
コーヒーカップは私の皮膚を透過せずに、指先でとどまっている。
すれちがいも融合もせずに、触れあえることを不思議だ ....
 
 
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見え ....
絨毯に虹ができていた

ガラスのテーブルのせいだろう

この世はひかりで出来ている

否、この世はひかりで見えている

否、この世はひかりのようなもので出来ている

テーブルはガラスで出来ている

虹 ....
あの小山のてっぺんの公園に
十七のぼくは二十六の女と上った
ふとくてぐねったまっ白いアスファルトの道
したで買ったハンバーガーは
チーズの足腰のない冷えた匂いと
ピクルスと湿っぽいパンの淋し ....
夜が痙攣して朝を産む
吐息が凍って花びらにしがみつく
道路が疲弊して流れ去る
その永遠の一瞬に
愛している

完璧に混ざり合う水と油
緑の血の妊婦
指のないピアニスト
その不可能 ....
これって何かの間違いだったりして

夕方近くに先日面接受けた問屋さんからの着信
胸の震え抑えつつ電話に出てみれば採用しますの吉報だった

他の誰かと間違えていないよね

いつもの野良猫に ....
夜型だとか夜行性とか
そんなんじゃなく
あかるさのなかでねむりたいだけなんです
まぶた越しにひかりがないとねむれなくて

そういいながら
さいたのはチーズでした
カスタードクリームな犬が ....
ある日マザーテレサは 
旅先の列車の中で 
(貧しい者の瞳に、私がいる・・・)と囁く 
不思議な声を、聴いたという 

もし、人生に幾度かの岐路があるとして 
私も夜の{ルビ静寂=しじま} ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ

 古びた床へと無数の疵を残して

錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
誰にでも越すに越せない川がある

その川を越えようと試みるもよし
はなから越すことなど考えもせずに使い古しの釣竿一本
かの太公望になった気分で日がな一日

立ち枯れの葦原を渡る北風は冷たく ....
                    091215

音は
規範であると思う
感じたわけではないが
そう思う
ここでは
規範を
単に縛りという程度の軽い意味で使っているの ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる

ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由

どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
                   091125



殺されたのは
弱気で
強気は生き延びて
外に出かける
出合った弱い者をやっつけて
家財一切ぶんどった
そんな先祖を持ってい ....
テイブルの下に
ひきっぱなしの布団
みかん転がり落ちてるよ
段ボールから猫

なんもないのはわかってるんだ
ポンコツ話も聞き飽きただろ
こっちもうんざりしてるから
冷蔵庫にはたまご ....
この町の夜は静かなもので
特に冬の夜は衝動に駆られて
大きな音を立てて改造車で走る
少年少女もいない
その代わり目には見えない何かが
充満していて、それに触れられると
その部分だけ鳥肌が立 ....
あかぎれた手の甲は膝のうえに重ねたままで
ふぅっと深くため息をついてみる

シャッターを下ろした売店脇の柱に掲げられた時計は11時55分過ぎを指していて

どうやら今夜もフェリーは出航しない ....
仮にアレがアレだとしたら

意外に簡単に理解ができる

とどかなかった物は

隣の席に座っていた

綺麗な世界をみたいなら

とりあえず待って帰ってきたら

おかえりなさいとく ....
「晴」


青空の尻尾が眉間を撫でると

開いた眉がくすぐったそうに泳いだ

昨日の薄皮が少しずつ剥がれて

今日の陽光にりるりるとはためいた




「耕」


 ....
どこへ行こうか――
そう問いかける森の
落ち葉は湿って素足に心地よい
(靴は捨ててしまった)


赤や黄や私を包み込むまだ青い
木の葉よ お前の匂いにむせて
ひたむきに傾けるやさしさに ....
この鞄には仕事の道具1(商品見本)が入っています
この鞄には仕事の道具2(料金表)が入っています
この鞄には古い電池が入っています
この鞄には子供の写真が入っています
この鞄には貰った御守りが ....
その摩訶不思議な調べは、
けして妖魔を封じる術の音などではない
草木も眠る丑三の刻にひびく――
あえて眠らぬ者たちへと告げる、
慈・悲・喜・捨の警笛だ

幽かに香水の匂う背広を纏って
俺 ....

のトーン、
乱反射、
わたしたち、
この暗闇にも突き当たりがあります
正しさが、正しくを、固める
たびにお、もう
粉々に、間違えた時間の
欠片をひらおうか。


 ....
授業が終わると、真っ先に教室を出る
いつもなら軽音楽部の部室で
とりとめのない話をして
演劇部の発声練習を聞きながら
ひとりの娘の姿を追いかけるのだけれども

夏休みの間、炎天下の中ひたす ....
彼と会うことは二度とないんだ
夕べ辞めてしまった というよりも
入ったばかりだったな 歩く
どうしようもない自分の人生を照らし合わせて 
話したことすらなかったけれど
歩いてきた

適当 ....
おはよう

今日も世界は
美しいよ
色々がもうどうでもいいの
哀しみのレバニラ
わたしの選択は間違っていた
わたしの選択が間違っていた
お台所で腐臭に咽び
ごめんなさいを唱えてる
明日の朝餉も残りもの
疲れたま ....
月の眠る丘に
最低限の荷物を隠して
遠雷が鼓膜を脅かす
暗がる夜に僕たちは
つながりと呼べるものの
一切を断ち切った
淋しくはなかった
悲しくもなかった
た ....
母のことが なぜあんなに嫌いだったのだろう
殴られたことがあるからでもなく
押入れに閉じ込められたことがあるからでもなく
蹴飛ばされたことがあるからでもなく
わたしは母の愛情に満ちた視 ....
ナニカは知らない、
燃える秋の山々はもくもくと煙立ち
はるか上空から
ふりそそぐ焼夷弾によって
木や草も畑も焼けた

森は焔につつまれ
必死に逃げる動物たちを
獰猛な火の手が執拗に追っ ....
佐々木妖精さんのおすすめリスト(1374)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日向でわたしたちは愚かにも子供だった- 瀬崎 虎 ...自由詩510-4-6
MJ- mizunomadoka自由詩610-4-6
童話(おやすみなさい)- たもつ自由詩1710-4-5
- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-4-4
六月の涙、アスファルト- 吉岡ペペ ...自由詩1510-4-3
吐息- はるな自由詩310-4-2
言い聞かすひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*10-3-29
さけすぎてシロになった- さわ田マ ...自由詩510-2-25
(無題)_- 服部 剛自由詩3*10-1-10
お正月の歌- atsuchan69自由詩11*10-1-4
年越しのひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-12-29
音を作る- あおば自由詩6*09-12-15
ピアニシモ- 佐野権太自由詩28*09-12-12
愚痴オヤジ- あおば自由詩3*09-11-25
段ボールから猫- ゆうと自由詩11*09-11-23
夜町- within自由詩15*09-11-20
フェリー乗り場のひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*09-11-17
戦闘力53万- こめ自由詩1709-11-16
四行詩四態_<11>- nonya自由詩11*09-10-28
メタモルフォーゼの森- 石瀬琳々自由詩11*09-10-28
創書日和【鞄】ポーター- 大村 浩 ...自由詩7*09-10-22
チャルメラ_☆- atsuchan69自由詩14*09-10-16
レーゼシ- あすくれ ...自由詩9*09-10-12
世界の終わり- within自由詩16*09-10-4
辞めたことの、男- 番田 自由詩209-10-4
おはよう- 風音携帯写真+ ...409-10-4
レバニラ- 鎖骨自由詩509-10-4
遠雷- ホロウ・ ...自由詩5*09-10-3
私は_いつも_自由だった- るるりら携帯写真+ ...11*09-9-29
ナニカ_☆- atsuchan69自由詩14*09-8-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46