二十代が終わるときは

なにも響いてこなかったのに

きょう三十代が終わる

なぜか十代さいごのときが

懐かしくなっている

べつに追憶を重ねているわけではない

ただほんと ....
あなたは

誰かにとって

母であり

妻であり

恋人であり

友達であったり

ここは

誰かにとって

日本であり

ポルトガルであり

宇宙であり

 ....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ


初めて ....
夏休みぼくは

叔父の自転車のうしろに乗って

少年将棋大会に通った

叔父といっても

いま思うとまだ20代の若者だった

叔父は近所の中高生を呼んで

自宅で家庭教師みたい ....
口先だけの約束が大小飛び交う日暮れ時
お前の言葉もどこか伝言めいて
超光速の人の流れを ただ 見送るだけ
ケーブルを担がない 最果ての電柱
剥げかけたコールタール 泣いているのか チャーイカ  ....
いつものことだ
水色が果てしないどこまでもいくひろがり
それを俺たちは空と呼びます
焦燥感に腹を蹴られ
挫折に身を切られながら両腕をのばし
手のひらをひらく
真実はいつだって指 ....
子供の頃と違う理由で
おはじきを呑み込む
でも重くなるばかりで
透明を手に入れることができない

たとえ半透明ぐらいまでになって
軽くなってふわりと飛んでゆけても
シャボン玉よりもずっと ....
幽かに残された血の色が、
うっすらと赤く滲んだ )))
香ばしく焼けた肉の塊りを
荒々しく丸ごと無造作に載せ、
じゃが芋と人参のグラッセで飾った
輝く、銀のオーバルトレー

猥(みだ)り ....
なだらかな坂道を
だらだらと歩いている
なさけない言葉たちを
だらしなく発しながら
なまめかしい誘惑には
よだれを垂らしている

なよやかにしおれているふりをしている
なんとなく日 ....
            080913


ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
東京はまだ

日中は蒸し暑いらしい

シカゴでは北米だけに

ぞくぞくするくらい気持ちのいい

ひかりや風のなかにいる

スタバで資料をやっつけるとするか

異邦人の特権で

道行くひとをいつもより
 ....
足が歩いていた
宙ぶらりんの午後の
人影も疎らな舗道を

足が歩いていた
左右ぃ 左右ぃぃ
交互に舗道を愛撫しながら

足が歩いていた
素っ気ない陽射しを
ふくらはぎに受けて

 ....
 
満員電車に乗って
家を買いに行く

途中、西洋タンポポが
みんな咲いてて
僕はそっと
保安林を抜けたのだった

その先には
どいつもこいつもの風が吹き
ふざけんなの雨が降り
 ....
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君

同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
 ....
形あるものは消失し
形ないものだけが
取り残されたなら

宇宙はきっと
形ないものが
どうにか形になろうと
互いにぶつかり、削りあい
溶けだし、流れ

星々が生まれる前の
電子音 ....
不機嫌そうな空は好き
よくできた心模様

ぐずりかけた空が好き
声を上げて泣きだすといい




突き抜けるような空が
心から憎い日は
本当の気持ちを ....
星が見えない
猫が通り過ぎない
草木が繁らない
子どもが声を出さない
眠らない鉛筆
眠りたがる目薬
窮屈な列車と飛行機は加速する当てがない
止まった世界へようこそ ....
ブリキのバケツに
小石が落ちた音がした

ずいぶん長い間
水を入れていなかったな
そう思い出したけれど
バケツに水を入れてやるのが
考えるだけでも億劫だったから
背中を向けたまんま黙っ ....
カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで

工場作業は朝9時朝礼からはじまる、それは社会の無機物の一部になる瞬間
値付けは季節の移りかわり直前とボーナス直前が一番忙し ....
お人好しの楽天家を
気取ったって
些細な石にもつまづく
几帳面
後ろを向きながら
前へ歩いていく
ちょっと湿っぽい
僕らしき僕

典型的なO型気質を
なぞったって
大雑把な素 ....
手の平に刺さった刺を針で追うと、
吹き出すような声とともに刺は奥へと引っ込んだ。
夢の中でさえ上手く家族と付き合えなくて。
一緒に出てきたゲームの画面は昔を懐かしんでるのかそれとも歪んだ感覚か。 ....
この文章はおそらく君に読まれる事はないだろうから
だからこれはほとんどひとりごとのようなものだ

ぼくは君でオナった事をそろそろ忘れようと思っているんだ
それでも
君とジョナった事を忘れない ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが

どうして
美しくないと
思っていたのだろう

  みんなの中に居るか
  「だれ ....
孤独の質はおなじでも

住んでる世界がちがうから

かけらの位置はおなじでも

おたがい鍵ではいられない


涙の音がする

声の匂いがする

秋の風が

微笑んでぐるり ....
             080903



明日も良い天気
保障する
空約束と信じていたが
少し軽率すぎたようでした
宗谷本線
抜海駅で降りて
歩きだしたときは、よく晴れていて
 ....
一匹のウマオイが
楽な姿で
息絶えていた
緑が
ひと際目立った
 
隣のビルディングから
人たちが出てきた
時間の話をしたり
何かを好んだりしていた
あなたが忘れたおとなになるよ。
ぼくは、
変えられない未来を、運命とは呼ばない。


もうなにもできなくなるくらい、使い果たしたい。
それがさいごになってもいい、べつにかまわない。
 ....
捧ぐというような
意味ではなく
夕べからのほんのりとした思考
秋だなあ
などと思う午後の真ん中

自転車の補助輪
外れたね
ひとりでも乗れる帰り道
足にかかる草
払いのけてはすすむ ....
こうしたらこうなる、

それは幻想だ

そんな思想に価値はない

自然に身を任せることが

むずかしいのは

この幻想にとらわれているからだ


谷間のひかり、のような幻想、 ....
無機質な温もり
の夏が終わる

今日も何もなく過ぎていき
変わることなく壊れていく一日

鉄とガラスとコンクリート
で出来た城が崩れる

今日も何もなく過ぎていき
代 ....
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