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ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった

時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする

ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
ほら、見てごらん
無数の蛍  
無数の蝶々

せっかく部屋を暗くしたのに

ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる


吐息、ひとつ
(甘く、美味)

喘ぎ、ひと ....

傘をたたく

しめってゆく
ゆく
ひとり
傘の下
の体温
しめってゆく
ゆく
鼻歌
とおる とおってとおる
ハイヒール
しめりながら高く
雨と合わさり

の改札 ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}


  僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
  君に宛ててこの手紙を書いている


  {ルビ ....
こんにちは
おはようございます
こんばんは


みしらぬひとが
あたりまえのように
あいさつをかわす

みしらぬかぜが
みしらぬひかりが
あたりまえのように
あいさつをかわす
 ....
その目


そのひそやかな
かなしみ よろこび
土のように
草のように
這うゆめ
翼は
灰色の空へ

海へ

(失うもの)

忘れる力
忘れぬ力

(沈 ....
そっと
なぞる
なぞ る

 つみかさなった
  夕べの
   夕日の
      赤
   重さの
  重みの
 重なり
心の
 芯の

構築されてゆく
{ルビ恋恋 ....
光源のない白い光に満ちた中を
球や三角錐や立方体の闇が
行進する

思考線をよぎる空中魚族

(この椅子に坐るといつも
 感応しようとしすぎてneuroticになるんだ)

その視軸 ....
青の月影ふくらん で

継がれ た空 は雫いろ

宵越すカラダ忘れ 際

遠く瞬 きシズ メタリ


  ユ ゥスズムコエタカ クシテアツ クナリ


さめた眼射しアンチ
 ....
裏側を見る
裏側に 目をこらす

物事の
すべての裏表
人の中の
すべての裏表
目に見える
太陽にその目を灼かれる
明るい光のもとでは
目に見えるものしか見えない
目に見えない
 ....
  イーサ・ダラワの七月の浜辺には
  遠い国の浜辺から
  いつのまにやら波が攫った
  いくつもの言葉が流れ着く
  

  嵐の後にそれを集めて歩くのが
  灯台守のワロの ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている

川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる

空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
真昼、
通りの向こうで叫びがあがったが
どうしても人間の声にはきこえない

おれは対角線上を通りすぎ
日陰から振りむくが
すでに何も見えない



何が叫んだのか
何を叫んだのか ....
霧雨の降るぼやけた朝の向こうから
「夢の国行き」と{ルビ記=しる}されたバスが近づいて来る

後部座席の曇りガラスを手で拭くと
数ヶ月前に世を去った
認知症のゑみこさんが住んでいた{ルビ空家 ....
わたし
猫好きやねん
本間に
大好きやねん

この前
小学生が木の上の猫に石投げててん
許せへんから
わたし石拾って力一杯投げたってん
そしたら小学生の前歯と猫
一緒に落ちてきてん ....
大きな花火があがります。

小さな花火もあがります。

中くらいの花火もあがります。


きらびやかな色という色が

夜空を照らすのではなくて

夜空を背景にして

星の合間 ....
埃っぽい風が立つ
ざわめきの中浮かんでは消えるように
表情たちが行き交う
楽しげでも悲しげでも
逃れがたい虚ろに巣喰われたまま
とめどなく流れつづける
呼び声や歌声が
ざわめきに尾を引い ....
あの頃 夢の方角が記された地図を胸に抱いて
光る線路の上を閃く流星の姿で走り抜けた若人よ
気まぐれな強風に振り落とされた君は
いつしか線路上から姿を消してしまった

「腐った瞳の大人にならぬ ....
右へ行くと睡蓮が
左へ行くとアヤメが
池の真ん中で
悩むわたしは錦鯉
卵をたくさん産んだよ
こどもたちは
みんな
ヤゴに食われたよ
わたしは錦鯉
ゆらりと泳ぐ
バクバク食べる
太 ....
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ

私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける

しかし気が付けばいつ ....
玄関のドアを引く
駆け込むようにして進入してくる朝は
少しだけ暗い白
今日も天辺まで積み上がった世界で
濡れたままの人たちが歩いていく

傘を忘れたわけでもなく
濡れることに気付かないわ ....
わたしは わたしの中に
帰る仕度をしている
わたしは わたしの中に帰るために
たくさんの本を読んで
否 そんなに本を読まなくても
大丈夫な気はするが
帰る仕度をしている

わたしは わ ....
あなたが暗くならないために
わたしは夏になれば
旅行を計画しなければならない
身体のために
美味しい空気を吸わなきゃならないと言ったなら
わたしは山の温泉を
インターネットで調査する

 ....
色画用紙に一日の花を描くよに



夏服の少女の贅沢なアトリエは
少し柔らかなメイプルの
敷き詰められた木床の上で
重なるパウダービーズのクッションが
転がる足先まで受け止めた ....
こんにちは
頼りのない足取りの青年が囁く
こんにちは
つぼみのままの桔梗のようなからだが
治療病棟の個室に吸いこまれる
「若松さん。」
人の傷跡が残る廊下に ただよう消毒液のにおい
若松 ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....   
  君の歌が聴こえる朝には
  泣きたくなってしまうんだ
  少しだけ風の冷たい、
  土曜日の始まり
  齧りかけのトーストと
  マーマレードのかすかな苦味
  それから君がア ....
藤丘 香子さんの自由詩おすすめリスト(1644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黙葬の誕生日(もくそうのたんじょうび)- こしごえ自由詩11*05-7-6
夏男- tonpekep自由詩21*05-7-5
時計- たもつ自由詩3205-7-4
夏の虫- 千波 一 ...自由詩9*05-7-4
- こしごえ自由詩3*05-7-4
八月の海鳴り- 嘉野千尋自由詩16*05-7-2
- 草野大悟自由詩8*05-7-2
飛び立つ鴎- 浅見 豊自由詩6*05-7-2
落日哀歌- こしごえ自由詩8*05-6-30
misanthropy- 塔野夏子自由詩8*05-6-29
をつ- こしごえ自由詩4*05-6-28
月の裏側- 岡部淳太 ...自由詩3*05-6-28
イーサ・ダラワの七月の浜辺- 嘉野千尋自由詩14*05-6-27
夕陽が堕ちる- 千波 一 ...自由詩15*05-6-26
空の形- tonpekep自由詩45*05-6-25
叫びについての独語- 安部行人自由詩605-6-24
消えた背中- 服部 剛自由詩8*05-6-23
猫を救った日の事- 月山一天自由詩15*05-6-23
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線路の枕木に伝う音- 服部 剛自由詩5*05-6-21
池の鯉- チアーヌ自由詩305-6-21
頷き- 松本 涼自由詩10*05-6-20
雨が積もると- 霜天自由詩1205-6-20
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愛_彩- tonpekep自由詩4*05-6-19
花模様スケッチ- 千月 話 ...自由詩9*05-6-19
こんにちは_若松さん- たちばな ...自由詩11*05-6-19
蒸し焼きの雨- 岡部淳太 ...自由詩37*05-6-18
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