すべてのおすすめ
霞みの径がいくつかに枝わかれして
闇は星運きに尋ねられるくらい澄んでいたから
夢をどこまで昇れば神さまに会えるのか思いあぐねた
うまれ始めた虹をいくつか過ぎる夢
きのうの歌を唄う夢
大気をよ ....
空がこんなにも 開けて
甘い曇天が ひっそりと退くと

天空から秋の雲が垣間見え
私は視線もろとも 空へ 飛び込んでいる

空中を滑空する 夢
この秋空のなみなみとした 胸

陽光の ....
あなたと その周辺を分解し
組み立てなおし 恒星のことばで
したためて 郵便受けに
ほうりこんだが 返事がない
いや たぶん絶対に こない
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
はばたきが きこえる
とおい 風の血統に
呼びかけてくる
ひろった羽根で
こころみに とんでみる
九月
あなたが好きでした

あこがれの名ばかりを孕んだ
鳳仙花が弾けています
木の葉が
択んで
静かなところへ落ちつくように
黄金の峰からふく風がゆきます

夕暮れがやわく優しく
 ....
夢のように細い骨で
ぼくたちは生きてきたんだね




愛についてを乞うたのならば

骨と枯れても

幾千

幾憶


そこには声があった、と
想う

 ....
そこはいつも
清潔な湿度と
せつないじゅうりょくの
香りにみちている

身ごもったおんなたち
髪を横に束ね
しずかにもたれている
雑誌をうつくしく取りだし
うつくしくめくる
とろと ....
 
 
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
やさしい足で走っていたら
胸まで砂の入る転びかたをした
目の前にある白く小さい手は
逆光で誰ん手か判らないまま

わたしはその手にすがろうとはしない

胸に入った砂が肺で
雑ざりあって ....
湿ったソファーに沈みこんだ
少女の
くちびるからもれる
母音の
やさしいかたちを
泡にして
水槽のふちに
浮かべている

*

贈られた模型を
にこやかに受け取り
持ち帰って ....
濡れ縁に向かって
みずみずしい素足

包絡線ぎりぎりで飛ぶ
剥がされたもの
必要無かったもの

水に自分の貌を写したり
他愛無いうたにひるんでみたり
はるかな結末への
錯誤ははじま ....
哀しみのあなたの窓辺に秋桜いちりん


――凹
灰色に覆われた低い空に
押しつぶされて
想いと呼ぶには小さな
いくつもの欠片が
重たくなって
沈んでゆくだけ
雨ならなお一層

 ....
ブラック・コンテンポラリーのリズムに身を委ね
カモミールの香りが漂う部屋の中
あなたへの想いだけが
ゆるゆると飽和して溶け出していく


手をのばして 重ねて 見つめあう
濃密なアトモス ....
僕のふりをしていた木が
いつのまにかいない
僕のふりをすることに
疲れたのか
あるいは木のふりをすることに
僕が疲れたのか
新しい図書館の椅子に座ると
声が聞こえる
ここにいたのだ
千利休が七輪でツバメを焼いて食べている、
そんな絵葉書が一枚届く
彼女はそれを見ながらテレビ画面を舌で舐めている
その姿が、どことなく黄昏ていて
テレサ・テンの歌声とともに
無限増殖するスー ....
夏の終わりに

巨大な鳥の夕焼け空で

大きく開けた嘴の中に 夕日がおちた

巨大な鳥は  薔薇色の雲にちぎれていって

後ろむきの 月が

踊る
あいの里
しのつく秋の{ルビ雑木=ぞうもく}
湯ぎりのしずく
かじかむむねのめぐみよ

髪を結い
知らぬみちをぬけて
はにかむ街へ
いつか人とはぐれて
ふちにたたずむ
銀のあかりあ ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
   1

真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
て、手を伸ばして
やわらかくてをのばして

その、影
ぼくらに届いて
君は
ぬりこめられて

たいよう
やさしくしずみこみ
耳のあな
つぼみのように閉じ

ふとんを頭からかぶ ....
  は
   なので
  しないでください


通りすがりの商店の
入り口の看板
赤い文字のところが脱色して
(何故たいてい赤なんだろう)
黒い文字だけが残った

「葉なので ....
胸に潜む
沈黙の種子よ

忘れえぬ時の傷みを孕み
切り立った断崖に木霊する
エクリチュールの犇き
伝えられなかった想い
その亡骸

堆積した土塊でできた
テラコッタ ....
ほら みて
ふってるよ


あなたが言う

窓の外をみると
ぎゅ っとひざをかかえた雪 
みたいな雹が
こつこつと
じめんにおちてきた


なんだろうね これ

ひょう ....

駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....
 街に日が射して
 コンクリートの
 続く壁面が白く発光しているのを
 たよりにつたって
 あるいて
 その擦り傷のようなざらつきの
 わずかな影のさき
 壁の尽きるところの
 晴れや ....
いま
あの日、に立っている


右手をのばし
空の高さを測るきみ
手招く左手は
薄の穂の間に
見え隠れして
黄昏の
目で追う背中には
金色の翼があった
喧嘩しても
すぐに忘れ ....
夜明け前
神々の気配が
冷えた大地をわたり
静かな{ルビ洞=うろ}に届けられると
指さした方角から
蒼い鼓動が、はじまる

やがて
優しい鋭さをもって
崇高な感謝があふれだすと
う ....
 熱く、季節が

 とばされていくなか

 黄金に、ビルが

 白い、壁が、こんなにも

 強く、握りつぶした飛沫が、散って

 染め上げていくなら

 いま、青ざめながら
 ....
波打ち際で
砂に埋もれかけた
木製の小舟が
少年の夢にたたき起こされ
夕映えに浮かぶ

かもめが船頭になって
赤く染まった海を進んでいく
静まりかえった海面に敷かれた
赤い絨毯は
 ....
藤丘 香子さんの自由詩おすすめリスト(1644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
書簡- soft_machine自由詩4*07-10-11
朝に空を見上げて- アハウ自由詩807-10-10
そろもん(恋の歌)- みつべえ自由詩1007-10-9
気ままな散歩- Porter自由詩2007-10-9
そろもん(鳥の歌)- みつべえ自由詩307-10-7
九月- soft_machine自由詩15*07-10-6
ぼくのかなしみが骨に似ていても- わら自由詩36*07-10-5
にんぷ専用車両- 佐野権太自由詩14*07-10-4
返事- たもつ自由詩28*07-10-3
目線- 唐草フウ自由詩12*07-10-3
大人の遊びかた- 佐野権太自由詩10*07-10-3
Presto(プレスト)- 大村 浩 ...自由詩10*07-10-3
凸凹(ひとつ)- LEO自由詩18*07-10-2
虹色の水溜まり- 渡 ひろ ...自由詩10*07-10-2
擬態- 小川 葉自由詩7*07-10-2
ボブソン- はらだま ...自由詩10*07-10-1
- リーフレ ...自由詩407-10-1
鏡恋歌- 佐野権太自由詩10+*07-10-1
大通りに、投げる- 水町綜助自由詩15*07-10-1
花について三つの断章- 前田ふむ ...自由詩25*07-10-1
あさが_くる- ふるる自由詩17*07-9-30
創書日和「淡」_蒸発看板- 大村 浩 ...自由詩13*07-9-30
沈黙の種子- shu自由詩507-9-29
みず_たま- はな 自由詩11*07-9-29
出会った人々についての話- 吉田ぐん ...自由詩23+07-9-28
白い壁沿いを歩く日- 水町綜助自由詩1207-9-28
彼方- LEO自由詩19*07-9-26
フォルクローレ- 佐野権太自由詩20*07-9-26
五時に落ちる太陽- 水町綜助自由詩507-9-25
小舟- 乱太郎自由詩26*07-9-21

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