どこにも闇は無く
ただ前に見える微かな星に向かう
それは何かの儀式の様に
黙って、黙って
微かに見える島影を頼りに
軋む櫂を漕いで行く
ごらんあれが終わりの岬
幾度も訪れたそれは
....
昔
歯ブラシをくわえ
ベランダから
父親と並んで
満点の星空を眺めていた
夏の夜空は
広くて
蚊にさされるのが
難点だけど
それに勝る清々しさが
いいね
そんな感 ....
愛するものが未来にあって
そこに私がたどりつけないとわかったら
なんて
当たり前のことでしょう?
愛するものが過去に埋もれて
もう私にはとりかえしがつかないこと
くらい
知っているか ....
{引用=
いなくなったきみを探していたら
僕は自分を見失ってしまった
砂浜を歩くたどたどしい足元が
早く何処かへ連れて行ってくれないかと
波にさらわれることを望んでいるこころは
宙に浮 ....
悪いところにメスを入れないと
健康にはならないんだよ
ぶらあん ぶらあん ぶらあん
ハイッ!
「ぶらあん ぶらあん ぶらあん」
ヨシッ!
ぶらあん ぶらあん ぶらあん
ハイッ!
「ぶらあん ぶらあん ぶらあん」
ヨシッ! ....
月末に アポイント 年下の
数字を上げない 一人も切れない 課長が机を
言い訳に ペナルティー ....
社会をはみ出し
坊主とやくざ
空(くう)に
般若心経撒き散らし
それ 有り難がたや
有り難がたや
老若男女が踊り狂
え〜どえ〜どの断末魔
江戸八百八町
と言える都心は ....
白以外の精神で安定した毎日を
森は隠れるのに適している
しかし七人の人殺しが現れて
かつての白雪姫が息を吹き返したのだと伝えると
木々の色は頼りなく薄れ
ああ、私はまた別 ....
氷の粒で描かれた
白い真一文字は
いつかの憧れに
まっすぐ向けられた
誰かの眼差しに似ていた
すぐに解れてしまう
白い真一文字は
いつかの過ちに
未練たらしく絡みついた
誰かの言い訳に似ていた
....
顔をあわせれば喧嘩ばかり
しょせんは他人なのだと
若い頃は思っていた
(25歳で家を出た)
ぼろぼろになるまで頑張ったのは
家を出たことを負い目に感じて
入院しても知らせなかっ ....
手紙はシャーペンで書いてはいけないという暗黙のルールを知らなかった私は、
苺やら牛乳瓶の形に折られた器用な手紙に四つ折りのノートの切れ端を返すような女子だった。
生徒手帳の禁止事項よりも大切な法律 ....
フラれたい
もう一度あの娘にフラれたい
いや何度でもフラれたい フラれていたい
フリ回されていたい
フラれた時のあの悲しみが忘れられない
あの時ほど愛が愛らしく感じられたことはない ....
白鳥は阿呆の黒鳥をつがいに選び
人の目も気にせずにガァガァと啼いて子を産んだ
無論阿呆の方は姿を消して
養育費が振り込まれていない件どうしたもんかしらと
ガ ....
{引用=
それぞれに交差する
よっつのひとみ
そのやわらかな表面は
甘いのだろうか
それとも潮の
見詰めれば
卵黄を飲み込むように
喉を滑らかに落ちてゆく
嗚呼
同 ....
バンコクにある
カラオケスナックの
ウエイターのお兄さんに
尻を触られたことがあるんです、わたし
ううん、それが恥ずかったわけじゃなくて・・・
そのとき
男のくせに
つい「イヤン」と ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
日曜日の街宣車から流れる軍歌を口ずさむ
御年28歳男のコンビニ店員は切ない
モテないわけじゃない
と彼は言う
いつもいつも女の子がそばにいる
だけど いつもいつも恋がしたいと嘆 ....
忘れてしまったことのいくつかを
からだのどこかで覚えているように
透明な結晶のようなかたちで
胸のおくにしまっている
ひさしぶりに動物園にいった
動物園にはあまりいきたくないのが本当で
....
君は風船だ
空高く昇って行くのだ
目一杯膨らんで昇って行くのだ
しかし、
パチンと割れたらもうおしまい
だが
君は空の高さを思うのだ
内なる圧力を思うのだ。
僕はポンプだ
君を目 ....
触り心地、なんて
求められても困るのよ
今日も私はきみの手に
小さな小さな傷をつける
いたい、と小さく泣いた声
そっぽを向いて
聞こえないふりをした
うさぎさんの所で ....
はじめに
僕は一切の宗教を信じていない。信じていないのは、いろいろな宗教にかかわり合いを持ったから。だから、信じてはいないが、影響はされている。小学校の6年間の夏休みの自由研究を仏像研究に費やす ....
理由あって 理由あって 理由あって
出世の階段 神社の階段 女と階段
踏み外し 後ろ向き ....
今日は特別
背中が重くて
息がしづらい
吐きそうだ
はやく
神棚に向かって
イノリたい
会社の中なので
商売繁盛の戎様しか
いらっしゃらないが
それでもイノリたい
神様はどな ....
冒頭から悪いんだけども、どうやったら伝わるかなー
多分恐らく生涯、僕の気持ちが君に届くことはないと思うんだよね
どんなに日本語の使い方が上手くても100%無理なんです
でも一応訊いて ....
去年から始めたガーデニング
油断すると
ぼうぼうに生えて
せっかく植えた
マリーゴールドや
ガーベラを
押し退けて
弱らせてしまう雑草
その生命力に圧倒されて
手指が痛い
雑草 ....
きみのメールも電話も無視して
それでわたしが無傷だと
本気で思っているのかい?
たいがいのこと謝られたり
納得したら許してしまうけれど
今回はどうしようもないんだ
到底許せないこと ....
あたしはきっと じゃなく
絶対 あなたが好きです
アドレスを知ってたって
メールがこなくちゃ意味がない
電話が鳴らならきゃ意味がない
メールを送らなくちゃ意味がない
電話を ....
静かに座っていると
窓から心地よい風が入り
部屋の隅々を通り抜けて行く
日は部屋に満ちたと思えば
陰に染めたり
その変化は絶えず移り行く
耳に届くは
....
眩く目を瞑ってしまうほど金色のメッキ
林檎の赤を恐れ隠そうとするファントム
時の雨は降り剥がれゆくあなた達よ
今度は水を金にして流れゆく行進を
既にあるものの存在を誰が否定できよう
目覚 ....
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