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やさしいやわらかいものばかりに
ふれてしまっていると
ひりひり、ひり
としたいたみのあるものをだきしめたくなる
ふあんやあんしんやそういった
ことにかんけいするのかもしれない
....
釣りなどはじめてみた
君の影響かしら
と思ってみるけれど
釣り好きの君の傍らにいて二年間
そういえば竿のひとつも持たなかった
たまたま起きた早朝の四時に
君がいつものように釣りに出 ....
そのあと
泣きながら話したこと
そのあと
青い空に憧れたこと
そのあと
たんぽぽの綿毛が優しかったこと
きみが傍にいたこと
本のあいだにしまい込んだきもちのこと
故郷という ....
そう、
不確かなんだよ。
君はそう言って
だから何度だって重ねなきゃいけない。
とつよく呟いた
それが
あの日の夕焼けのように
焼き付いて離れない
きっと
もう
剥がせない
....
学生のあの頃
異様な夜のさびしさに駆られて
親しい友人の家に遊びに行った
そんなことは珍しくなくて
ふたり
ベランダで煙草を吸い
きみはギターを弾いて
わたしはその歌を口ず ....
色濃い恋の一ページをめくったなら
淡白な秘め事が見つかったりして
季節はいつも密やかに熱を帯びていくようで
バスに揺られて早十分、降り立つと見知らぬ土地
あなたの匂いを探してみるけれど ....
夜は
重なり合って
ひそめく
息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる
冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった
冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....