うちの主人の同僚が
姉さん女房でね
職場でも家庭でも
気を使うんだと
しょげてたそうな
ふむふむ
話を聞いてると
なんだか少し
同僚くんに共感してた
うちは彼とは逆で
主人 ....
激しい雨が降っていた
土曜の昼下がり
娘を塾に送る車中で
便意をもよおした
「お父さんお前の塾のトイレ、借りてもいいかな。」
「絶対ダメ、却下。きもい。」
年のせいなのか
若 ....
親愛なるきみへ
一人で生きていくために
孤独に打ち勝とうと
強い信念に満ち溢れるきみへ
見えない自由を求めて
西へ東へ走り回って
泥水の中を這いずり回って
小粒のダイヤモンドを探 ....
誰でもいい
心の距離のはかり方を教えて
ハエが世界を一周した
けれどとても小さかったので
誰も気づかなかった
ハエは自分の冒険を書き綴った
ジャングルの中で極彩色の鳥の
くちばしから逃げ回った日々を
港のコンテナ ....
出張の朝は
冷たいシーツみたく
smooth
愛がたりないから
すぐに飛んできて
その身ひとつで
あたためて
重ねると傷になるからね
特に完熟
「桃太郎」は品種名
「トマト 妻せつ子」はブランド名
品種による
大玉、ミディ、ミニは、あるけれど
それだけではない、育て方で
品種の普通より小 ....
少女達は駅の回りでたむろしていた
少女達は皆乾いていた
全てのものが無機質な情景の中で
既に前からそこに居たように乾いていた
見えない虫の魂がボウと浮かび上がり
それはまるでカゲロウの ....
焦る必要はないと誰かが言った
疲れたら休め
立ち止まらず歩けばいいと
空を見上げ
吐息をこぼし
泣く前にまず
自身の存在と
置かれている場所の尊さを見つめ直せと
せっかくぼくらがいるのに ....
こんばんわ。いつも美味しいコーヒーをありがとう。突然こんな手紙を渡してごめんね。
お姉さんの淹れてくれたコーヒーを飲んだ日はビックリするぐらいよく当たるので我ながら驚いています。知ってま ....
しじみはしゃべらないけれど、
しじみ同志にしかわからない事があるのかも
しれない。しじみにはしじみのことばがあっ
て、いまも会話をしているのかもしれない。
海の風に立ち
素肌は陽 ....
台風一過読み書き散乱寝床耕す
蚊が喜んで
私の上腕の血を飲んでいる
尿酸値も高く
触れたくないが血糖値も高いかも知れぬ
健康な血ではなく
ちょっとヤバイ
その蚊を見ていると
ふと思い出してしまうんだ
君の事を。
....
へたばって、白鳥が
へたばって、きりんが
地面にくびを横たえくたばって
高い所ばっか見て来たせいかな
くびが長いって哀しいね
体より
何でくびが長いんだろう
脳には無用な機能なの ....
星たちよ聞いて
私約束するよ
人に愛を蒔いて
幸せの種を配る事を
夢見る妖精よ
私約束するよ
人が人を好きになるように
信頼の種を蒔くよ
御一人様聞いてよ
私約束するよ
話 ....
言葉を
見つけた
探していた
ジグソーパズルの
最後の1ピースのような
言葉を
言葉を
見つけた
欠けていた
色えんぴつの
代わりの1本のような
言葉を
そっと
近づいて
陽だまりと一緒 ....
きみらをやさしく見下したくなる
そんな 神様日和には
エアコンのきしみすら雨の音に似てしまう
恋について話し
家について話し
仕事やお金や殺し合いについて話し
噂も嘘もチョ ....
蒼穹も黄金の砂丘も皆寝静まって
全ては動かない
ひと棹の楽器も横たわっている
微風さえもが画布に張りついて
夢の ゆ の字
黒い少女の纏う長衣の
この世ならぬ配色は
仄かに艶めかしい ....
犬のうた
おおかみのうた
サルのうた
にんげんのうた
にんげんのうた
うそついてもいいぜ
その代わり
オレが安心出来るよう
上手にうそをついてくれ
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言っ ....
今も尚
胸に居座る
あの笑顔
本日は無理
昼飯は無理
秋のイチョウ並木道
枯れ葉を踏む音が哀しい
でもこの音が好きだ
リズムが少しずつ元気をくれる
だから哀しさはあっても
寂しくはない
夏の命の抜け殻となってもなお
心に響く木々 ....
イライラの理由を問いただしてみたとして
自問自答に正解を見出すなぞありゃしない
自分らしさとかを思い返したところで
不完全な時間が脇を通り過ぎていくしかない
曇り空を見境なく見上げてみる
....
{引用=
+
ぼくがはじめてきみになかだしをしたよる
ぼくのなかのぼくはほとんどしんだ
額からこぼれ落ちてくる
角を拾い集めて
....
絶望的な奴って
絶望的な奴と何かを食べることは出来ない。
栄養を取る必要がないからです。
絶望的な奴と勝負事は出来ない。
失うものが何も無いからです。
絶望的な奴と酒を飲めない。 ....
母が私の靴をはいて出てしまった。
『せちがらい世の中です。どうか探さないでください』
朝起きると母の書き置きがあった。あまりにも淡白なセンテンスだった。私は泣きながらトーストをかじり、泣きなが ....
「ばかものよ!」
なんて言い切れるなら良いのだけどね
「もしかして」
そんな枕ことばで思いの丈をごまかしたり
まるで何事も無かったかのように
飼いはじめたばかりの小鳥の世話を焼い ....
ゆうぐれに
さみしくなったり
あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり
ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり
生きるとゆうことが
どれだけ不安でも ....
君に会いたい
が
いつの間にか
君になりたい
になっていて
いつの間にか
君になっていた
君の言葉を発していた
君の声を出して 君の体で生きていた
君の血が流れる この体で
僕は空 ....
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