やさしいやわらかいものばかりに
ふれてしまっていると
ひりひり、ひり
としたいたみのあるものをだきしめたくなる
ふあんやあんしんやそういった
ことにかんけいするのかもしれない
....
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僕たちはいつも何かに憧れ
僕たちはいつも何かに付き従っていた
特別な何かは空虚な私を満たして
あたかも違う何者かであるように
僕た ....
私があなたに恋していたとて
それはあなたには
なんの関係もないことだ
あなたが私に恋していたとて
それは私には
なんの関係もないことだ
そんな二人が
腕を組んで
無表情に
同 ....
真実は現実の中である必要がある訳ではない
なんで燃えているのかわからないでいる太陽の孤独
女性モデルが口の中で
必死にもがいている金魚を含んでポージング
俺もそんな風にフェラしてみたくなった
....
いつもの窓からは
光が差している
塗装の剥げた電車が転げている
昼すぎに、森の気配は
いくつかの季節を巡る
まだ青い瞳で
私は階段を昇っていく
となりの部屋の人たちの
....
冷たい空気が流れても
温かい言葉が一瞬で変える
愛は場の空気を
和ませて楽しい雰囲気を生む
大きな輪の中にいる感覚
身体は敏感に反応する
ちょっとしたことでもすぐわかる
今はこん ....
空気を読まない空気は変える
転んでもタダでは起きないが身上
カラオケ選曲三十年前のアイドルソング
世界中で一番ロマンを感じない夫
論点がいつもずれる
割り勘だと素早い箸
....
大人達はいっていた
色んな種類があるほうがいいと
大人達はいっていた
相手のことを考えなさいと
いっていた
大人達はいっていた
周りを見て様子をもっとみるのだと
大人達はいっていた
も ....
人の目にケチばかりつけるお前らの眼鏡の度数はどれくらいなの
痛みを
覚えている
気が遠くなるほどの
長くて短い
日々が流れても
夢で会いましょうの約束も
できないまま泣いてる男の子
いつだって逢えるでしょうと笑う
優しいひとの手を
....
目が覚める
一切の眠気が残らない
完璧な起床
頭の中はひどく澄んでいる
世界はとても静かだ
何かの機械音だけが聞こえる
僕はただ天井を見るばかり
眠っている時の僕を考える
夢の ....
ねえもういやなのよ
脂の匂いでたるんだ男どもの顔と
画面の中のかわいらしいみんなを見比べる毎日は
世の中をこんな風にしたのは一体誰
いくら泡のような微笑みで満ちていても
私をぶつ手の感触が本 ....
タクシーがつかまらない
ちょうどいいバスあるかも知れない
病院坂のからくり峠
蝉鳴く頃会えるかな
俺が弱ってしまったら会えなくなる
強くなきゃ会えなくなる
自転 ....
伸び始めたブロッコリーが
紋白蝶の夢を見ていますように
あゝ薔薇が咲きました
昨日までは蕾であったのに
馬鹿だね 何もこんな寒い日を
選んで咲くことないのに
小学校から知っている息子の友達は自衛隊に入隊するといいます
有事の際には戦うので ....
冬景色 北国生まれじゃないけれど懐かしいわぁ今日は湯豆腐
かつをぶし削って薫る郷愁は年経るごとに熟成します
水仙をたどれば春はつながるよ ふるさとの土 温かい風
手作りの竹馬結局乗れ ....
幼稚園の豆まきでは
殻付きピーナッツと一緒に
キャンディーやチョコ玉や
たまにチロルチョコなんかも混ぜて
撒いてくれるので
鬼のお面をつけた子どもたちが
懸命にそれを拾うという
奇妙な光 ....
政治的に詩を書く
五回目で
もうやめます
私の興味も五回までしか続かなかったということだ
およそ二週間 だいぶ短いけど
国会から遠く離れた地方に住む人間には
特定秘密保護法も政治のあれこれ ....
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ
....
遠足だろうか。
赤白帽を被った小さな子供たちが公園ではしゃいでいる。
日曜日の山下公園は多くの人達で賑わっている。
一つだけ空いていたベンチに腰掛けて私は一人それを見ている。
私はどん ....
夏の終わり
何かし忘れたようで
少しあわてる
あわてながら、また微睡む
麦茶をのんで
また微睡む
日もくれて
またあわてる
そうしていると
夏が終る
ある夏の日
夏が ....
仕事から帰宅したら タイマーでひんやりしているリビングに赴く
猫たちが 御主人様おかえりなさいなどと云わず
御飯くれ御飯!御飯!と絶対に云っている
暑くて疲れています
UVのパーカーを ....
そら
くう
から
空
変換キィで
世界は変わる
くうですか
くうですね
ひとしくみんなくうになってゆきました
昨晩はよくふりましたなあ ざんざばらん
おかげでからっ ....
なんだかさ
しゅん、となる時もあるんだよ
大人だってさ
なんだかな
カッコ悪いことばかりなんだよ
大人なんてさ
だから
見逃してほしいんだ ....
そらみみさまのみみはききちがいのみみ
空気踊るくらいあつくなつく夏の夜
ジャンキー頭は
つぎはぎだらけのだらけたことばばっかり
思い浮かんで
へらず口あきれるくらい
生ぬるい唇ふやけて ....
釣りなどはじめてみた
君の影響かしら
と思ってみるけれど
釣り好きの君の傍らにいて二年間
そういえば竿のひとつも持たなかった
たまたま起きた早朝の四時に
君がいつものように釣りに出 ....
1
雨に打たれながら
空をふり仰ぐ
喜びは消えて
土に手を当てて
星の身体の温もりに
触れる喜びも奪われた
原発の吐息が
燃えている
風に乗り 雨 ....
きめたの
あなたと、いきてゆくこと
そして
きめてくれたの
わたしと、いきてゆくこと
そんなこと
ゆめみたひとが、
いたけど
そのきもちは
きらめきを
はなって
....
楽園の門が閉ざされて久しい
寝室には潰れたふたつの枕だけ
ふたりは台所にいる
夏は不快な熱で部屋を満たして
居座っている
まるで昨夜着いたばかりのように
テーブルには缶詰がひとつ
ふ ....
五年ぶりに義父と食事をしてきた。
家に帰えると、その義父から電話がきた。
「お前が嫁にきてよかった。串カツは弟にも似ている」
(食事をしているとき、串カツを見て、私に似ていると義父が言ってい ....
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