そうして
いつのまにか
遊園地に入ってしまった
空は青い
コンクリートは白い
わたしはピンクのワンピースを着て
風船を持ってる
歪んだ観覧車
戻って来ないジェットコースター
馬の首が ....
ひいばあちゃんはな
いっつも縁側で内職しとったんやわ
そこでいちんちじゅうな
つるらるらーって数珠みたいに
ぎょうさんつながったしょう油入れを
ずーっとぼじっとってなぁ

( ほら、おす ....
宅配便の到着を知らせる呼び鈴に立ち上がると
私の下半身を跨ぐように放屁ひとつ
あけすけな音と不摂生な臭さにパタパタと手にした雑誌で扇ぎながらも
これが夫婦ってことなのかと改めて考え直すまでも無く ....
カルピスの底みたいな白濁色に
おぼれてしまう人を笑うことなど出来ない


明かりがいつも灯っているわけではなく
でも闇ばかりというわけでもない
はっきりしない色に囲まれて
遮られた視界を ....
濡れる、まぶたにおいては
10年前のささやかな嘘だって
すこやかに息づいているのだ

腫れている、のどの奥のほうでは
君に贈りそこねてた嘘が
あばれて、あばれて、夜も眠れません

指輪 ....
ホームクリーニングエマールで
セーターと靴下と下着を一緒に洗う
独り身の中年オトコ

寂しい
そう連想したヒトは

独り
イコール
寂しいと

思い込んでる寂しいヒト

 ....
金髪の豚野郎が
昨晩 家を訪ねてきた
何があったのかと訊けば
金髪豚野郎はもういやだ
もっと格好いい感じの
例えば銀髪狼少年がいい と言う
しかし狼少年とは一般的に
嘘吐きを指す言葉だと ....
殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた

乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
にゃーン

零下15度の夜中に捨てられた猫

図書館員に拾われ
図書館で育てられた一匹の雄猫

にゃーン

鳴いているだけなのに

苛立ってばかりいた男の人が笑った
自閉症 ....
一反木綿


ブランドって何でしょう
トレンドって何でしょう
ステータスって何でしょう
セレブリティって何でしょう
誰かの視線につながれた風船になるよりも
飾り羽が多すぎて飛べ ....
風呂あがりの
ほてった身体を
常夜灯だけがともる
洋室で冷ます

妻も娘も寝静まった
夜更けに
フローリングの床に
じかに座る

柔らかな闇に身を浸すと
穏やかな気持ちになる
 ....
僕が女になっても好きでいてくれますか
女に生まれていても 好きになってくれましたか
姉に生まれていても 好きになってくれましたか

僕の肌が黒くなっても好きでいてくれますか
日本人じゃなくて ....
1月1日や
2月14日や
12月24日が言いました

すいません特別っぽい日ですいません
わたしたちなんかがいるせいで
なんかちょっとしょんぼりさせてすいません

いいんです
普通の ....
非常階段で待ち合わせ
そんな滑稽さでもって
世界から逃げている
きみとわたし

日中の駐車場で
眩しいくらいに飛ばされた
二人の立体感が
遠い

ふれている間だけ
呼吸するのを諦 ....
 
さよならは
しずかに
すぎてゆくから
せなかを
そっとおしてほしい

そんな
さしすせそが言えなくて
ふたりは
せなかを
むけたたまま

あいしてる
いまも
うたうよ ....
ねぇ

君はもう寝てしまったのかい
今日は一度もメールくれなかったね

ねぇ

君はなにかむくれているのかい
昨日まで毎日メールよこしていたのに



百合よりも薔薇が好き
 ....
階段を振り返ると
目が合った
幼い頃からの呪いを秘めた寂しそうな瞳
だからその娘と友達になったんだ
快活さの嘘と
淡白を装う情熱で
それでも最後には彼女の選んだ通りになるよ
その娘のにだ ....
きみはひどく咳き込み
すぐに踞った
今日は風がつよいね
手をつないで
髪を
なでた





すきだよ


あまく
湿った声は遠く
いつも
おびえているみたいだった
 ....
お正月ぐらいはと帰った実家で
思いがけず伯父さんからぽち袋をいただいた
幾つになっても嬉しいものは嬉しい

おめぇにもやっからよ

おとそ気分全開な赤ら顔は楽しげに
崩したあぐらはすっか ....
何もかもから忘れられるための方法を探しながら
青い小鳥の歌を聴こう。

こんなにも見捨てられた楽園の中で
君の描いた僕のいびつな肖像画は
とてもお誂え向きに思える
             ....
 
なぐさめ方が
せつなすぎるから
苦笑してばかりいたけれど
ちゃんと泣いてくれる君の横顔を
ろくに見ることもできないで
最後にはいつも涙が零れていた

北風が目にしみるね
ふたりの ....
オニゴッコより

カクレンボを
してたような気がします

体を隠して
気配をうかがう

覚られないよう
息を殺してドキドキしながら

カクレンボの記憶

探している場面は
 ....
最近、体が重くなった
癖がひとつ増えたから




街中では
がちゃがちゃと
大人たちが
癖を重たそうに
引きずりながら
歩いている


誕生日にひとつ
プレゼントされる ....
 
北風に乗って
いつかの春の
手紙が届いてしまった

知らなかった
冬の街で
はじめて
君の気持ちを知った

木枯らし吹く
その街で
落葉の
ひとつひとつが
手紙だった
 ....
幼き者 か弱き者たちよ
休む前に ここに集まり
静かに頭をたれ 心の重荷を降ろしなさい
今日一日 多くの出来事にあい
喜びや悲しみ 希望や不安に
心おののいたことでしょう


今日一日 ....
カトレア (優美な女性)


含み笑いの訳すら読ませてはくれずに

まろやかな眼差しで僕を押しとどめて

あなたは沈黙の端に句読点を置いた

微かな痛みを伴った午後が紫に薫っ ....
夜は
重なり合って
ひそめく


息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる


冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
 ....
可愛い女性を見た
バスの中で
バスの中で
18時1分のバスに乗ったら
会ってしまった
大人の女のくせにやたら可愛らしいひとだった
勤め先の同僚みたいな女性と話ししていた
バスの中で
バ ....
兄によると

ボクは垣根のすみのくもの巣を
いつまでもじっと見てるような子供だったらしい

忘年会クリスマス正月となる前に
散髪を済ませておきたくて

さっき路地裏を歩いていた

 ....
楽しいが疎ましいに
嬉しいが恨めしいに
恋しいが悲しいに
総じて僕は独りになり
寂しいに辿り着く



感情から逃れる事が
できないのなら

ランタナの花のように
せめて鮮やかでありたい
Wasabi さんのおすすめリスト(1515)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きぐるみ- チアーヌ自由詩409-4-15
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瑞々しい嘘- なつ自由詩409-3-14
ふゆ- よーかん自由詩509-3-1
金髪豚野郎- セガール ...自由詩409-1-26
次第のひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*09-1-25
デューイ- 乱太郎自由詩14*09-1-25
百鬼夜行詩_<9>- nonya自由詩15*09-1-24
闇を愛す- kauz ...自由詩7*09-1-23
?- 北大路京 ...自由詩32*09-1-23
いいんです- ふるる自由詩13*09-1-18
逢瀬- アオゾラ ...自由詩809-1-17
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