いつの間にか
カラオケで歌える歌ばかり
覚えて
いつの間にか
会社に着ていく服ばかり
選んでる
お財布にたまったレシートを
一枚、一枚、眺めて
薬屋、雑貨屋、文具、服屋、ユ ....
暗い部屋
止まらぬ思考
眠れぬ夜
どうにも本能のみに生きている人が多いな
僕は突きつけられたベクトルを
どう処理すればいいのか 分からずに
途方に暮れている
時間 ....
お兄ちゃんがまた
女の人に振られてしまったよ
かわいそうに
死んでしまいそうに落ち込んでるよ
幼いころから
おっちょこちょいな人だったよ
がまんしてればよいものを
いつもちょっとかた ....
ルーズな踝はいつのまにか姿を消し
タイトな紺色が街を闊歩する
こんな横並びを欲する時代だからこそ
曖昧なままでは許されないと言わんばかりに
膝上近くまで引き上げられた紺色に感じる息苦しさと ....
一円の雪が降った朝
十円のゴミを収集する車が
難しい顔をして通り過ぎる
百二十円のココアを
二千九百円の手袋で包み
三円分のリップクリームを塗った唇に持っていきながら
それを見つめていた
....
寄りかかるって結構難しいことだと思う
楽ちんなようで実は不安定で
揺れる電車の中とか
車の後部座席とかで眠るときは
頭をごちんごちん言わせながら
壁に寄りかかって眠る
寄りかからないで眠る ....
薄紅そまる風の道
夕闇せまる草の道
落日の片隅に
佇む人の
瞳に映る翼の模様
羽ばたく視線は
彼方を知らない
澄まして聞こえぬ
その名のみ
凝らして見えぬ
その姿のみ
....
えいえん
ということばを
舌さきでころがす。
それはきっと
赤道直下に
ふる雪の
たよりない感触に
にている。
首をのばして
のぞくキリンが
ながいまつげを
ふるわせ ....
東京の空に
こんくりぃとのビルが張り付いているのが見えて
はいいろに見えた
ネズミがかじった こんくりぃと
そこには何にもないのに
怯えた顔して 歩いてるひとがいて
マックの100 ....
深い深い
海のような君の瞳は
暗い暗い
海のように悲しみに
満ち満ちていたけど
そこに確かに存在する感情が
僕には羨ましかったんだ
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう
そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない
雨上がりの
濡れた ....
セックスか言葉
セックスか記憶
セックスできない、わたし。
セックスから生まれる言葉
セックスから生まれる忘却
知れない、かもしれない
しりたくない、かも知 ....
僕を裏切った人達が居る
確かに僕は路を間違える事もある
そんな時は手を強く引いて
ほしかった
声をかけても無反応
他人よりも遠い存在で
もう僕は独りであると
わかった
脚に絡み ....
死のうと決めたあの日
僕は函館の深夜
朝を待つ待合室にいた
電車はもうない
待合室には他に何人か雑魚寝していた
この人たちは
そのナップザックに
人に見られたくない
何かをしまっていた ....
窓から覗くのは人の気配の消えた通り
街灯が暖かい
自分の部屋にキャンドルを灯す
それは神聖な時間
それは私だけの時間
誰からも邪魔されず
深深と心の奥の細道に踏み出して行く
....
朝がくるまでに
悪いことしましょ
朝がくる前に
悪いことしましょ
願いごと叶えてあげるわ
悪魔のKissしてあげるわ
朝がくるまでに
悪いことしましょ
....
息苦しくて書けなかった
だけど
今ならわかる
あなたを信じていなかった
そうじゃないか
世界は
誰かを裏切ることで
幸せになっていくから
無償の愛がここにある
と
私はいい ....
多摩川に架かる鉄橋を渡りきる頃
メールの着信を知らせる携帯の光が走る
両親も恋人と認める彼からのメール
簡潔な朝の挨拶に優しさ溢れる短いことば
先輩は幸せ過ぎるから
傍から見ると憂鬱 ....
流れは知っていた
ただ、それを変えることが出来ない
捨てられない
せめて渦の中にいたいのに
手を拒み続けた罰、でしょうか
あなたが 空が大好きだから
わたしも 空を見上げる機会が増えました
空の色とか 雲の形とか
興味なかったけど
あなたが 嬉しそうに語るから
いつのまにか わたしも
空の 表情や 機嫌が 気にな ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた
普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
あのあたりならなんとかなった
僕が
野晒しの死体のような
無力なヤツでも
君が
季節外れの雷に怯える
知的で臆病な子猫でも
あのあたりならなんとかなった
それが
間違 ....
体のどこにも傷が無いのに
キミはいつも痛がっている
早い夕暮れにもココロが痛いとキミは泣く
ふたりでいても寂しいとどこかが痛くてキミは泣く
確かにね
氷の濁りの様に白く白く
い ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる
そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
人が壊れていく
大人が強いと言ったのはどこの誰だろう
声をはり上げて
大声で叫んで
ただ静かにわたしは暮らしたいのに
誰かの心を疑うこともなくて
意味もなく何かを恐れることなく
静か ....
解って欲しいって叫んでばかりで
解ってあげたいって
一度も云えなかった
君は
言葉を見たか
路地裏の突き当たりの
饐えた臭いのする真っ暗闇の中から
ゆっくりと立ち上がる言葉を見たか
君は
言葉を見たか
見知らぬ星座の片隅に
燦然と輝く小 ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
うまく言えないから
靴の先を見つめていた
物思いに更けてばかりで
文庫本も進まないまま
気が桜みたいに散っていく
口癖を真似されて
ぼんやりと指と指を繋いで
不器用な照 ....
きみはコーラを飲み干せない
柴犬のジョンは鳴けない
そしてぼくは笑わない
3つ揃うと
「不幸」
ができた
きらきら光る
「不幸」
だった
....
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