ゆっくりと雪は溶けていくのだから
膝を抱えて待っていればいいんだよ
君のこぼした涙は墨の味がしたんだ
あの黒い雨のような黒い枝のような
君は何か悲しかったんだろうか心が
だから涙を沢山沢山こ ....
浜辺で貝殻を拾い
よみがえる思い出
右側を見ると貴方
壊れかけたベンチ
打ち寄せる波の音
しょっぱい波飛沫
灯台の光が眩しい
大きな背中フワリ
輝いていたあの時
カラオケ行っ ....
おたがい 歳の差は縮められないのだから
甘えるのもいい
うらやましがるのもいい
おたがい えにしはカルマなのだから
あきらめるのもいい
くやむの ....
僕の中の
壊れた部分が
鳴っている
何を
望むわけでもない
去りゆく君に
手を振りながら
ほんの少し
鳴り止んだ
また鳴り ....
山高帽
トレンチコート
マスクから漏れる
チェックメイト
春のフェアリーサークル
新緑生い茂る丘
(世界)の中心で
足許にチェス盤
黒 白 茶色い声と温い風
私達の為のオペ
木陰の ....
1.核時代の終焉
新宿上空を、二台のヘリコプターに吊るされている。
モニュメント、蒸気、モニュメント。
「あれも一種の知性改善論だな」
「えっ」
「だから、スピノザだよ」
そう言い残す ....
石ころを蹴飛ばした。
何年振りだろうか。
懐かしかった。
ころころ、ころころ。
転がった。
真っ直ぐ行かずに、
右往左往。
止まったところは、
どぶの中 ....
傾くギターに手を伸ばし
{ルビAm=エーマイナー}を鳴らしたら
なんだか「破戒」を思い出す
もうすぐおやつのじかんでしょうか
白いお空はまぶしさをみせて
痛いな気分は丑三つ時だよ
....
公園のベンチに腰をかけ
新聞を読む初老の男の人の手が
小刻みに震えている
新聞から文字がひとつ
またひとつと落ち
足元で意味とは別のものとなった
そのようにして人は幸せになっていくのだ、と ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった
あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう
....
ぽちむは家を出ました
モスクワに行きました
それで売春婦に会いました
自分もなろうと思いました
その売春婦にいくらって言えばいいのって聞きました
売春婦ははっきりしたことは何 ....
精神病院には殺風景なイメージがある
森に囲まれ外界から隔絶された建物 白く何度も塗り直された古い壁 病気が収まっていない精神病患者を入れる隔離された部屋 種類に乏しい木花の庭
ここは外界から ....
夏のような雲と雪雲が混ざり
春の日差しに氷のような風が強く吹く
澄んだ青空は秋の空
風に舞うサクラの花びら
それを拾い集め喜ぶ幼子
マスクをした大人が横切る
終業式 ....
愚痴をね
聞いてもらおうと思ってたのに
どうでもよくなっちゃった。
笑顔を見れる しあわせ。
笑顔になれる しあわせ。
「おやすみ。」
「またあしたね ....
生気を吸い取る青い布団というものが、
東京から一時間のあるアパートの一室に存在する。
大抵そこに住むのは働かない小説家で、ジェントルメンだ。
ジェントルメンとは、慎ましく、積極的でなく、淫靡 ....
あなたが中にいる時は
わたしはずっと外にいて
見下ろしている、。心臓
二つ((十五度ずれて
地球が振り向く
その音に
カーテンは揺れ
隠れた場所を明かしてしまう
鳥が
....
光は射し込んできた
私に与えられたのかは分からないけれど
明るさは目に届いた
手触りこそなにもないけれど
それはもしかしたら他の誰かを照らすスポットライトかもしれない
けれど見える輝 ....
春の気配に恋、を思えば
こころが羽根を持って
菜の花畑の上を旋回する
拙い愛情が
地球上のすべてだったあの頃に思いを馳せると
おぼろに陽炎は立って
咲き競う花の匂いが
わたしを空 ....
カタチのない入れ物に
入っているものは
5月と7月の満月
あなたがわたしの髪に
触れて
とってくれたサクラの花びら
携帯に挟まっていた白い羽
バッグに落とされた黄 ....
一拍遅らせてみても夕刻は
若く滞ったままだ
(緩めの服を知り)
卒論をひもとくように音を探るけれど
それすら「描かれた僕」に過ぎないとあれば
ますます活力への横臥から締め出されるばかりになっ ....
小学生の
ガキ大将が子分に肩を組み
「 お前はまだ{ルビ0=ゼロ}人前だ 」
と言いながら
目の前を通り過ぎていった
大人になっても0人前のわたしは
誰に肩を組まれるでもな ....
静けさを握りつぶして
太鼓の乱打が鼓動を追い越し迫ってくる
振動
風圧
轟音
脆い胸の壁を叩いているのは
半鐘のように打ち鳴らすのは
共鳴した
私
生きている生きている生 ....
今日は朝時計を見て遅刻かと思ったら
一時間時計を早く見ていたらしく池袋駅で下りて煙草を吸って少し歩いて
うんこをしてから交番の横で煙草を吸ってから松屋に入った
交番の横の喫煙スポットで煙草を吸っ ....
幼いなんて言わないで
私は確かに幼いけれど
十分何でも知っています
幼いなんて嘘やさかい
私は来年成人するし
お酒の味も知っ ....
横断歩道を
母に押されて
赤ちゃんがゆく
彼、彼女は
やわらかい指を宙にさす
世界は、波紋する、
ひかりに、注されて、
水いろの、みらい、
横断 ....
左肩が私の涙で
だらしなく濡れた
襟ぐりの広いシャツを着て
平然と煙草を吸う君を思い出す
例えばこの部屋の匂いを
消し去るものは何だろう
通勤電車の中で見た
風が変わるのを心待ち ....
君が読みたいって云ふのなら
書かないことはない。
書けないこともない。
愛は 込めておこうか?
四人の自分に
花を放ると
一人は喰い
一人は呑み
一人は吸い
一人は花だった
自分はまだ
ひとりだった
....
かなしいものなんて
ボクにはないよ
やわらかいものなんて
ボクにはないよ
空に
一杯に手を広げ
防波堤のひらたい丘で
じりじり
ボクは乾いてく
太陽を
こんなに間近 ....
蛍光灯の灯りが揺れる
人影の途絶えたプラットホーム
いくつも電車を見送って
途方に暮れる無人駅
蛾の浮かび上げる影を目で追い
懐かしき君のの面影を追い
幻は掌をすり抜けてゆ ....
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