くまをね
くまをおんぶして歩くの
会社行くときも
映画観に行くときも
フランス料理食べに行くときも
くまが可哀想なんじゃないんだ
私がくまがいなきゃもう歩けないんだ
ねえ く ....
大塚
都電の線路沿い
ホープ軒の隣の隣にある世界飯店は知る人ぞ知る世界飯店
一番の人気メニューはぱりっとした鴨焼飯
1000円
B級グルメというジャンルがあるらしい
B級
俺が今 ....
いちご味のアイスクリームが
水たまりに落ちて
七色の油が
水面を走って拡散していく
その上をコンビニのレシートが
巨大タンカーみたいに
悠々と流されていく
アスファルトにひざまずいて
....
僕の車は
ハンドルを360°回転するとタイヤの向きが360°回転するんです。
ちょっとハンドルきるだけで急ハンドルになるから。
前方に、母と子の二人乗り自転車。
しつけのためか、子は荷台で正座 ....
いろいろ書こうと思うのだけれど
どうにもうまく繋がらなくて
言葉は千切れた
そこにはもしかしたら
小さな小さな
だんまりの世界なぞがあって
そこではもしかしたら
だーれもしゃべらない ....
花の都
水の都
霧の都
東の都
東京を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意見に賛同しない
猫を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意 ....
赤く悲しみの双曲線が
振動する詩集の大地から海へと
祖先の秘境を辿る
今夜トウモロコシ畑は青白く燃え
河童の爪先に星は灯る
夜を一兆回湾曲させて
きのうの朝焼けに接続すると
夏は植木鉢の ....
星がスクランブル交差点に静かに鎮座する
真夏の正午
すべては開かれ閉じられた
赤い道は軌道をはずれ
はるか
ケプラー氏の海の家
正装したカブトムシたちの
厳かな結婚式
少年たちの背中で ....
{引用=
***
}
ベッドの下の人たちを看取る
{引用=
***
}
自動二輪の音がきこえるしんしんと
暗闇にほの白くうかぶアークは
かわらずまわっているのか
確実の ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために
....
ジョゼは魚になりたいといった
木曜日の夜
二度と目が醒めない様に
風呂桶に潜りながら
枕を抱えていた
ギターの音が聞こえていた
水曜日の朝
世界の全てが消される様に
窓の向こうを眺 ....
ノイズ。
え、何?と聞く
静かな夜中
聞き取れない
皆同じ?
ノンノンマダム
そうじゃない
ラジオみたいにチューニングがあって
ノイズが
チリ、キュゥンが
ずれる
意識と ....
一面の草むらから、湧きあがる青い空。
向き合うわたしの窓は、青い空をもたない。
手にした一枚の写真を見て、
水を得た魚のように泳いだ海は、
黄ばんだ家族の笑 ....
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たがいの爪で
たがいの肉にわだちを描いた
俺は十八だっ ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど
きっと
自分にとっての幸せってなんだろう
って考えて
探求できる子にはなると思う。
って今日着た手紙には書いてあ ....
・
小さい頃
コーヒーとは
空色ののみものだと思っていた
すくなくとも
母親が眠れない夜にいつも作ってくれた
ミルクコーヒーは
曇りの日にふと覗く
青空の色をしていた
それなのに ....
街路樹に縫い付けられた
君の叫びが
空に
ゆっくりと沈殿していく
天気予報は午後から雨
華やかなファンファーレ
消えてゆく紙テープ
ふり返ればだれかの足跡が
僕らの歴史をじゃましているのだった
生きているのに目標が必要だということは
呼吸をするのに目標が必要だということ
....
高校時代
必須科目だった世界史の授業
窓の下ばかりを眺めていた
私たちが入学した数ヶ月前に
新校舎となったその高校は
全ての教室が一面に並んでいて
その窓の下には
大きな駐車場がただ広が ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている
ふ ....
ああ
きみはどうしてこの世界に来たのですか と
機関士が言ったので
そうだな、僕は
なにひとつ持ってこられなかった と こたえた
砂漠の砂は日々減ってゆき
海はすぐそこ ....
まぁ、画面の前のそこのあんた、僅少な時間をあたしに預けてみないか。
数ある投稿の中から、この散文をクリックしたあんたにも責任はあるんだ、ちょっとだけでいいんだ、見て欲しいとは思っていない、この文は ....
{引用=
くまちゃん
雪が降ったからね、うさぎを作ったんだ。ダイクマからの帰り道、雪が降って、ねぇ。積ったらいいのにーってはしゃいだら僕、冗談じゃない!ってみんなに怒られてさ。くまちゃんは雪の多い ....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った
―へのへの
叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
....
山国で育った
目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった
そうやって彼は
ときどき山を越えた
どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
....
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も
在る、確かめ ....
うつせみの なくこの世あり ひびきすみ青やかになる み空の高さ
{引用=※ 現人(うつせみ)=?この世に現存する人間。生存している人間。
?この世。 ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな
溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな
孤独という状態を
....
出口に中指を添え
Tシャツとジャージ 石鹸に座ってよろめく
壁を蹴ると滲む 気化した感情
昨日の雨は冷たかったが
雨上がりを見逃してしまった
窓を打つ音は
雨後雨と報じる
曇りガ ....
きみが少し元気なときに
庭に植えた白梅に
真珠の粒がころころと
それは春の序章とも言える
きみが好きだった春の 前髪が見えて
それはきみの季節とも言えるが
メディアから塗りつけられる春 ....
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