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人称はひとりぼっちで夢見る
ケーキナイフ、反復して、二等分の春、
ささやかなものだけを集めながら、
痩せていくのを望んでいる
空腹は僕に似つかわしい 欲しがりな僕に
もう欲しがらない(で ....
みぎをむけば
まちがある
ひだりをむけば
はたけがある
そのまんなかを
あるいていく
まちでも
はたけでもない
まっすぐな
そのみちを
もっと郊外に
店あったり
もっと駐車場も
広かったり
ブランド品に
大枚はたいて
泣くより
アウトレットモールに行ったら
今以上
それ以上
安くなるから
あなたのその目から
ウ ....
祖母の見舞いに向かい
隣のベッドには一人の女性
賑やかでいいわねと
放ったその目が寂しくて
少し悲しくなる
今日もまたニュースでは
孤独な終わりが告げられて
日本の勝利に酔っ ....
どうしてもさむい感じがする、
雄弁なのは街の明かりだけだって
ひさしぶりに思い出した。
冬を選ばなかったぼくたちは
ようやく目の当たりにできた互いの身体に
みょうな、他人行儀な感覚と
懐か ....
夏が終わって僕等
錆びたバスに入れっぱなしの花火
コンビニでやろうと買ったのに
すれちがったものだってみんな
帰ってくるまでのさようならだって
コカコーラのヨーヨーみたいに、
短い煙草吹か ....
消しゴムを食べていると
母が気を利かせて
夏みかんのジャムを持ってきてくれた
消しゴムなど食べられるはずもないから
いらない、と断ると
代わりにコーヒーを入れてくれた
....
屋内退避地区とは
外でなるべく活動せず
屋内にいることを勧めますということ
だれも訪れずひっそりと
家の一部となり過ごすこと
それでもマンションの家賃は請求され
社員の給料も支払わなけ ....
壁に壁の絵を描きます
そのうちにどこからどこまでが
本物の壁かわからなくなります
途方に暮れていると
ゴミ収集車が最後のゴミを積んで
走り去って行きます
わたしはあれには乗れま ....
はい、どなた?
玄関のドアを開けてみる
ツルツルの警察官が立っていた
まことに申し上げにくいのですが
近所の公園のかたすみに
あなたの遺体が見つかりました
と言うので
下半身ですか上半身 ....
あなたは壊れた街に泣くけど
あたしはあなたが壊れそうで
それがこわい
あなたは壊れたものたちの中で
よみがえらせる仕事についてる
あなたのことを支えているのは
生きてしまったって気 ....
この手に いざよい
ねむれない
ねむらない
春の風
見上げるだけで
心のわだかまりも 笑えそうで
今日は 心から笑って
素直に言えそう
きっと そっと きみに
甘い香りを
胸いっぱいに すいこんで
もの言わぬ涙 流し
ゆく 春よ
ひとひらの涙を
風へと託し
強く 強く
明日への希望を
うたえ
人生が黒歴史
みたいに思える瞬間をどうにかやり過ごす
グッドバイ
教習所に金払っちまったじゃねぇかと言う軽口で人を滅茶苦茶に切り裂ける現実
私なんか止めてしまえと言い放つその言葉の行き ....
新しい
事業年度の
始まりの月
俺の会社にも
フレッシャーズが
やって来た
超氷河期を越えて
鳴り物入りで
やって来た
ハイパーな奴等
遠い昔
新人類と言われた
俺たち ....
{引用=――淋しい鳥の夢をみた、
あなたは一体誰ですか}
シーガル 夢をみたの
お前の心臓はとても温かかった
わたしとあわせるとちょうどぴったりして
シーガル 夢だと知りながら
お ....
窓辺に飾られた
一輪のチューリップが
ひとり言をしている
叶えられなかった夢について
叶えられた些細な願い事について
自分がここにあることの意味について
そしてその無意味さについて ....
私の脳内で指揮者は独り、無人の観客席
の闇に向かって、手にした棒を振ってい
ます。青く浮き出た血管の手がくるり、
棒を一振りすれば、観客席の暗闇に、幼
年期の幸福のしゃぼんが一つ、二振りす
....
やさしい言葉を聞きたくて
ずっと詩を真似てきたけど
がらんどうのこの胸から
あふれる言葉は今日も軽くて
無残にも残骸をさらしている
なあ 僕の灰
どうせむなしく ....
もう
君のいるところは
桜の花が一面に広がって
陽気な君を
さらに陽気にさせているのだろう
はかなさよりも
いまのよろこびを
空いっぱいに舞いあがらせて
まだまだ
遠い桜前線
....
「女の子をいじめないで
精一杯あいして」
光がさしたら、こうつたえて
橋の向こうで待っててね
きのうとおなじ夢を見せてくれるの
まぶしすぎて
痛すぎて
届か ....
これからの僕は
嫌な上司のみみちい小言を、撥ね返す。
これからの僕は
苦手な注射も唇結んで、ぐっと耐える。
どうやら親父になるらしい
僕は自分の弱さを抱き締めながら
日常の ....
O の彼女に子供が生まれたよ
その頃 みんなは相変わらず
Y はバイパスの車間を260km/hで走り抜けていた
K は休憩中にメル友名義のやれる女を探していた
S ....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように
恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
....
おとこはよるに
ねむれぬよるに
ひとつ便器を
みがくのです
まあるいおんなを抱くように
できそこないの陶器を愛でるように
裸電球のよる
おとこは奉仕するのです
そうして ....
発音法は本で学んだ
息をはくとき、のどをふるわせ
音をつくる
これがなかなか難しい
僕の場合、17日間つづいた夜のおわりに
はじめて成功した
口とのどをひらいて アー
口をすぼめ ....
暴れろ
無心に
無心であれば傷付ける事はない
優しさなんてものは百円よりも身近にあるもんだ
「殴りたかったから殴った」と弱さを認められない奴は言うけど
弱い奴が格好つけると格好悪いか ....
しずかな場所へきた
きりんがいたので声をかけると
一瞥し
首を振り 遠くを見つめ返事はかえってこなかった
遠くに子豚がいたので
声をかけてみると
子豚ではなくきりんが返事をした ....
生きる事、それが日々を告白する事ならば
僕は日々を生きている
そう考えていいのですか、先生
あなたの言葉が思い出せないのです
あなたの言葉がわからないのです
先生
あなたは裏切 ....
がれきのなかから
はっけんされた
テーブルのあし
そのしたから
しょうねんらしき
からだがひきだされていた
テーブルも
わたしもないた
はしらもかべも
れいぞ ....
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