夏が終わって僕等
はだいろ

夏が終わって僕等
錆びたバスに入れっぱなしの花火
コンビニでやろうと買ったのに
すれちがったものだってみんな
帰ってくるまでのさようならだって
コカコーラのヨーヨーみたいに、
短い煙草吹かして、
紫のけむり
ところどころ電球の切れているネオン
手をつなごうとポケットに入れずじまいだったのに、
ほんとうのきもちは、
近づいた磁石みたいに、
離れているときには気づかなくても、
きれいに見えたよ、
きみがはじめて、
 ぼくだけが、世界でただひとり、
 きみのことを発見したのさ

夏が終わって僕等
やぶれた時刻表に乗り遅れたまま
しけた花火をバケツに捨てて
やらなかった宿題が、
夏休みの友なんかじゃないなんて
さみしすぎて
もうわからなくなってしまった
遊びにゆこうよ
新しい冒険を探しに行こう
もう子供じゃいられないさ
成長できなかった、それだけのことさ





自由詩 夏が終わって僕等 Copyright はだいろ 2011-04-16 20:25:05
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