もじ
朧月

文字は重機のように
深く掘り下げるとしても
埋めなくていいのです
さらさらと戻ってゆくのだから

文字はナイフのように
切り裂いてゆくとしても
応戦しなくていいのです
ぴたりとふさがるのだから

時間がいるでもなく
涙がいるでもなく
ふいに やりすごせている
それが文字との共存

忘れたくないとしても
忘れたいとしても
文字が文字でいる間は
しょうかされるでしょう
あなたの心から



自由詩 もじ Copyright 朧月 2011-04-18 23:05:26
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